FC2ブログ
2019/01/19

下町ロケット ヤタガラス編 ★★★★☆

2018年12月20日読了

池井戸潤/小学館

(STORY)
トランスミッションメーカーのギアゴーストは
佃製作所にとって大切な取引先になる予定だったが、
ギアゴーストの伊丹社長の裏切りでご破算となった。
航平の閃きで、トランスミッションの開発に乗り出した。
佃製作所を退社し、実家の農家を継いだ殿村も危機に直面していた。


(REVIEW)
伊丹さんの裏切りで幕を閉じたゴーストの続編。

世話になった佃製作所を裏切り、島津さんを切り捨て、
すっかり悪役となった伊丹さん。
もちろん話の主軸は佃製作所と殿村さんですが、
伊丹ギアゴースト&重田ダイダロスと帝国重工の熾烈な戦いに目が離せません。

彼は昔のしがらみから離れず、執念深い。
それだけ帝国重工に対する恨みが強いわけで。
一緒に手を組んだダイダロスの重田さんも同じく。
大会社の上下関係、抗争、理不尽な仕打ちを受けた彼らは、
大企業に一泡吹かせたいという思いがヒシヒシと伝わってきました。

一方で、基本であるものづくりを忠実に積み重ね、
いち技術者としての佃製作所の面々や島津さん。
なんのためにものつくりをしているのか、
誰のためにものつくりをするのか、
相手を負かすためではないこと。
品質がいいものが最後には勝つ。
これぞものつくり日本の原点であることを気づかせてくれます。

悪党の的場さん「下請法」で訴えられて撃墜。
やはりね、そうきましたか^^
でも、勝利した伊丹さん、重田さんの心情は複雑で
そして自らもダーウィンのトラブルで首をしめることとなる。
そこで手助けするのは佃さん。

「倒産するわけにはいかなかった」
「日本の農業のためにがんばろうや、って、涙が出た」

伊丹さんのセリフにじーーんと来ましたね。
これぞ、現代の水戸黄門とでもいうべきでしょうか。

ここでドラマのことを少し。
農業の方から「機械が痛むので雨の中では稲刈りはしません。
夜も危険です。第一、コメの品質が落ちる

などのつっこみの投稿を目にしましたが、
農家の息子である我が旦那も右に同じく。
これは置いといて(/^^)/
農業も工業もどちらも物つくりですが、
農業の思いが強かったドラマに対し、
原作は企業に生きる人々たちの熱い戦いです。
原作の方がキャラたちを掘り下げているが描かれているし、
思いも伝わってくるので、ドラマをご覧になった方も一読の価値はあります。

noriさんからお借りしました。ありがとうございました。
スポンサーサイト
2019/01/17

家に帰ると妻は必ず死んだふりをしています。★★★★☆

2018年12月10日DVD鑑賞



2017年日本映画
監督・・・李闘士男
出演・・・安田顕
     榮倉奈々

(STORY)
サラリーマンのじゅん(安田顕)が帰宅すると、妻のちえ(榮倉奈々)は口から血を流していた。
じゅんが動転していると、ちえは「ククッ・・」と笑った。
傍らにはケチャップ、妻は死んだフリをしていたのだ。
その日以来、帰宅するとちえは必ず死んだフリをするようになった。
なぜ妻は死んだふりをするのか?寂しいのか?ストレスか?


(REVIEW)
タイトルで惹かれて手に取りました。
原作「家に帰ると必ず妻はしんだふりをします。」の映画化です。

旦那が帰宅する頃に死んだふり?
これ、私もしたことがあります。
口にケチャップとか、ワニに食われるとか手に込んだことではなくて、
ただ寝ているだけですが(爆~)

ケチャップを血で見立てた死人から始まり、
ワニに食われたり、殺人事件、ロミオとジュリエット、
ドラキュラにクレオパトラ、幽霊に宇宙人etc
すごすぎ!死んだふりのレパトリーが多すぎて見てても飽きません。
死んだふりというよりコスプレを楽しんでいるみたいですが(爆~)
ちえさん、毎日が楽しそう^^
じゅんさんもつきあってくれているけど、次第に飽きて、
なんで死んだフリをするのかと疑問がわいてきました。

実は私もそれが気になったけど、
ちえさんはただコスプレを楽しんでいるとしか思えなかったので、
どうでもよくなりました。

ただのコメディかと思ったら、夫婦とは何かと考えさせられました。
ふたりでいる時間は長いようで、実は短い。
あたりまえというものがどんなに大切なことか・
月が綺麗ですね
最初は答えになってないじゃないのと思ったら、
夏目漱石が「I LOVE YOU]を「月が綺麗ですね」と訳したとのこと。
ちえさん、なかなかの物知りではありませんか。
観る者をほんわか気分にさせてくれる作品でした。
2019/01/17

下町ロケット ゴースト  ★★★★

2018年12月17日読了

池井戸潤/小学館

(STORY)
高い技術を誇る大田区にある佃製作所。
経営は安定していたかに思われてきたが、取引先の帝国重工からの非常なる通告。
追い打ちをかけるように経理部長の殿村の父が倒れたとの連絡が入る。
社長の佃航平と技術開発部長の山崎は殿村の実家を訪ね、
農作業を手伝っている時、トラクターのトランスミッションに目をつける。


(REVIEW)
去年放送された「下町ロケット2」の原作です。
ドラマを先に観たので話が分かっているだけ、原作はスラスラと読めました。
ドラマ同様、技術者たちの熱い思い、義理と人情に目頭が熱くなる。
これぞ池井戸わーるど!
最後は佃チームが勝つのはわかっている!
そうでなきゃ、理不尽の多い世に中、
物語の世界だけでも夢を持たなきゃ。

夢と勇気をもたせてくれる、だから池井戸さんの作品は好きです^^v

ほぼドラマと同じ展開ですが、悪人がいようともウザイとは感じられず、
脇役のひとりまでも必要とされるキャラばかり。
佃さんたち佃製作所の方々、伊丹さん、島津さんなどギアゴーストの方々、
その他の方たちもひとりひとり掘り下げて描いているから、
ドラマでは感じ撮れなかった感情が伝わりました。

特に伊丹さん。
ドラマではお世話になった佃製作所をなんで裏切ったのか、
イマイチわかりにくかったですが、
彼の性格や過去のしがらみから逃れることができない心情を読み取ることができました。
ドラマでは出番が少ない技術リーダー、軽部くん。
彼の不器用さが愛おしい。ドラマでもっと彼の出番がほしかったです。

noriさんからお借りしました。ありがとうございました。
2019/01/04

沈黙のパレード ★★★☆

2018年11月23日読了

東野圭吾/文藝春秋

(STORY)
突然行方不明になった娘が死体となって発見された。
容疑者はかつて草薙が担当した少女殺人事件ので逮捕したが、無罪となった男。
今回も証拠不十分として釈放されてしまうが、その男が遺族たちの前に現れてことで不審な空気が漂う。
そして、秋祭りのパレード当日に復讐劇が行われる。
ガリレオシリーズ最新作。


(REVIEW)
待ってました、ガリレオ先生。
お帰り!

大事な娘が殺された。
でも、容疑者の男は証拠不十分で釈放された、
しかも、その男が遺族の前に姿を見せるとはなんて大胆不敵な^^;
これでは遺族たちが復讐したい気持ちにもなるもわかります。。
犯人はすでにわかっていて(?)、ガリレオ先生がアリバイを解く展開は、
「容疑者Xの献身」のよう。
話に入りやすく、ノンストップでラストの2転3転する展開は東野さんらしいです。

ここからネタばれなので隠れます。
容疑者・蓮沼が犯人ではあるまいと思ったらやっぱりね^^
新倉さんのどちらかと思っていたら、新倉さんの奥さんでしたか。
で、ラスト、本当は蓮沼?
倒れた時に死んだのか、連れ去った後なのか?
読み応えはあったけど、キャラに感情移入はできず、
すっきりしないラストなモヤモヤしか残らないデス。
私的、「容疑者X」のような心を揺さぶられる感動がほしいかったデスーー;
2018/12/28

雪の断章  ★☆

2018年10月23日読了

佐々木丸美

(STORY)
孤児院で育った飛鳥は本岡家に引き取られたが、養女でなく働き手としてだった。
本岡家の人々からひどい仕打ちを受けた飛鳥は、家を飛び出し、青年・裕也に助けられる。
裕也の元で育てられた飛鳥は、しだいに彼にへ愛を密かにひそめていたが、
殺人事件をきっかけに運命が動き出していく。


(REVIEW)
きっかけは、ビブリア古書堂(前の記事です)です。
ビブリアであらすじが頭に入っているし、
心理描写が丁寧なので話に入りやすかったですが、
もう何十年前の作品のせいか、時代を感じさせられました。

孤児院、養い先でのいじめ、引き取ってくれたのは青年。
韓流ドラマの世界か?それとも少女マンガの世界か?
確かに飛鳥の境遇は憐れと思うけど、
可愛そう、可愛そうでしょうと追い込む設定にぽかーーん。
また彼女自身の性格上の問題があるせいか、共感もできません。

それでも、サクサクと読めたのも殺人事件まで。
そのあとは失速しました。
ちょっと、殺人事件だよ?こんなに悠長にしていていいの?
私は気になって仕方がなかったけど、ミステリーそのものよりもラブストリーが強いのか、
飛鳥がグチグチと述べているだけなので、もう途中でやめたかったです。
最後まで読み切った自分に褒めたいくらい。
これも好みでしょうが、名作とは程遠いと思いました。

それなら、飛鳥の視点で描く、泥沼化した本岡家の方が私好みです。