ラムの映画&本ライフ

ラムの趣味である映画と本のレビューです。★5で満点、10通りに評価しています。
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円卓 ★★★★

2016年11月24日読了


(STORY)
こっこ(琴子)は、三つ子の姉と両親、祖父母と公団住宅で過ごす小学3年生。家族に愛されながらも、こっこの憧れは孤独。そんな少女の日常をユーモラスに描く。


(REVIEW)
幸せそうな家族で過ごしているものの、主人公は偏屈で悩み多き少女。
周りとの価値観の相違や、悩みとか、そうそう、昔の自分もあったな~と、
いつの間にか西わーるどに迷い込みました。

どのキャラも、どのシーンも、強く印象は残りませんが、
ひとつひとつのエピソードはクスッと笑える。
偏屈な主人公のせいか、毒がありそうだけど、
ほんわかとさせてくれる不思議な世界が広がっていました。

これが”西わーるど”なんです^^
心が温まる一冊でした。





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白いしるし ★★★

2016年5月8日読了

西加奈子/新潮社

(STORY)
アルバイトしながら絵を書いている夏目香織、32歳、独身。
恋にのめり込み、傷つくのを恐れていたが、間島の白い絵に惹かれ、彼にのめり込んでいく。


(REVIEW)
真っ白な表紙、
アイテムも白い絵の具の絵。
その絵に惹かれた主人公は、恋にのめり込んでしまう女性。

のめり込んでしまうゆえに、傷つくのを恐れ、
もう人を好きにならないと決めても、いつのまには恋をしてしまう、
恋に不器用な、いや生き方そのものが不器用な女性です。
西さん、不器用なキャラを描くのが上手いので寛恕移入しやすいです。

マイナスは、タンタンと話しが流れていく展開のせいか、
盛り上がりもなければ、読了後の余韻もなし。
キャラには感情移入しやすいけど、のめりこむほどもなし。
物足りなかったで終わりました。

地下の鳩 ★★★★

2016年4月26日読了

西加奈子/文春文庫


(STORY)
キャバレーで呼び込みをしている吉田は、大阪に住んで22年間、ずっと地下鉄を乗っている。彼はチーママみきをに惹かれていく。(「地下の鳩」)
表題と、オカマバーのママ、ミミィの物語(「タイムカプセル」の2話収録。


(REVIEW)
「地下の鳩」はキャバレーの客引き男の物語。
「タイムカプセル」はオカマバーのママの物語。
どちらも44歳、夜の世界で生きる、
不器用な人たちが描かれています。

不器用な生き方しかできないからこそ、親近感も湧いてきます。
彼らはどのように生きているのか、どのようなラストを迎えるだろうかと、
話に引き込まれていきます。

「きいろいぞう」や「しずく」のような、ほのぼのとした世界観はありません。
恋模様を描いた吉田(前編)よりは、辛い過去を背負うミミィ(後編)が印象に残りました。

いじめの過去を持ち、故郷を捨てたミミィ。
辛い過去もひきずって生きていかなくてはいけないのか・・
いじめ、自殺、陰湿な事件が頻繁に起きている現代・・
辛い思いでは忘れようにも忘れられない。
忘れて明るく生きよと言われても、心の傷は簡単には消えやしない
切なさを感じずにはいられませんでした。


うつくしい人 ★★★★

2016年4月読了

西加奈子/幻冬舎

(STORY)
会社を辞めた百合は、離島へ旅に出た。旅先で出会ったバーテン坂崎とドイツ人マティアスと話しているうちに、自分にかかえてる心の傷をゆっくりと癒していく。


(REVIEW)
本書は「妬み」を題材にしてます。

妬み、恨みは、世の中にゆがみが生じ、狂った世界になってしまう。
主人公の百合は常に人目を気にしながら生きてきた。
逆に彼女の姉は美しい世界で生きてきた人、
そう容姿が端麗で、小説を書いていた同級生も然り。
しかし、彼女たちは世の中にとっては遺物であり、妬まれていたのです。

或る時、百合は誰てもある理由で仕事を辞め、離島は旅立ちます。
そこで、島の人たちとかかわっていくうちに、今までのことがシンクロしていきます。

彼女は、美しい世界で生きている姉を冷ややかな目で見てきた。
姉のようになれない自分。美しさを手に入れることができない自分。
姉のようになりたかった。
美しい世界で生きる人を妬むことで自分を保ってきた.。


これが本音でしょう。

常に人の眼を気にし、自分の醜いい部分を蓋をし、
美しい人を冷ややかに見ることで、自分を守ってきた百合。
悪い事は悪いと言えず、
美しい世界を汚してしまう。
本当は美しい人になりたいのに、なれない。
だから、妬むことで自分を保っていた。
奥底の心意をえぐり出しています。
そんな主人公の心理は、自分もあると気づかせてもくれます。

ラスト、今までの自分を変えることができる!と、
百合の前向きさを感じました。

前途にも書きましたが、美しい世界で生きることは、
少数派のせいか、肩身が狭いですが、
美しいものに触れたい、
美しい人になりたい、
私もそうなりたいです。

心を洗いたい人、オススメの著書です。

しずく ★★★★★

2016年4月14日読了

西加奈子/光文社

(STORY)
子供嫌いの私が恋人の娘を預かることになった。恋人に嫌われたくないばかりに作り笑いをしてきたが・・(「木蓮」)
飼い主が同棲するのこになり、出会った雌猫のサチさんとフクさん。はじめはとまどいながらも、しだいに慣れていき・・(「しずく」)
上記2話を含む、短編6話収録。


(REVIEW)
6話どれも好き。大好き^^

全話ども主体は女2人。
幼馴染、老人と入居者、うそつき娘、恋人の娘、雌猫、母と娘など
何かしらの形でつながっています。

ハッとさせられるような言葉に、心理ミエミエのリアルな表現、セリフ。
だからこそ共感できる西わーるど。
中でも印象に残ったのは「しずく」です。

飼い主が同棲し、一緒に住むことになった2匹の雌猫。
はじめはとまどいながらも、この幸せが続くかと思ったら、突然のお別れが・・
同棲を解消したので、もとの生活に戻ったのです。

シゲルさんはフクさんを、エミコさんはサチさんを抱きしめ、ふたりは涙を、一滴落とします。

「オワカレって、この、小さくて、冷たい、水のこというのね」

猫好きにはたまらない><
猫の視点が、なお心を揺さぶられる、泣けてくる、せつない一文でした。

西さんの著書の中で一番好きです。満点です^^v

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