ラムの映画&本ライフ

ラムの趣味である映画と本のレビューです。★5で満点、10通りに評価しています。
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バラガキ ★★★☆

2017年5月3日再読


(STORY)
石田村のトシのこと、土方歳三は「バラガキ」と呼ばれ、喧嘩に明け暮れていた。
世間では攘夷を叫ばれている中、歳三たち試衛館も一旗揚げようと京都に赴く。


(REVIEW)
読んだのは、大河の影響で新選組ブームの時。
もう10年以上は時が経っています。
再び手に取ると、懐かしさが混みあがってきました。

本作のトシさん、子供を成長したかのような悪ガキ。
タイトルのままの「バラガキ」
バラガキとは茨のようにトゲがある、触ると怪我をするヤツのこと。
そう、本作のトシさんはすぐカッとなるし、喧嘩早いヤツ
反面、おちゃめで知恵の回る頭のいい人です。

そんなトシさんを構うかのように総司くんは絡みつく。
ふたりの会話はまるで夫婦漫才かのよう^^
勇さんは、トシさんとは真逆で慎重派。
いかにもトシさんが毛嫌いしそうなインテリの山南さん。
など、個性派キャラたちが勢ぞろいで、
彼らが動き出すと、もう止まらない。
軽快なロックのリズムに乗せて、テンポよく話が進んでいくから、
漫画のように一気に読める。
幕末、しかも敗者側の悲惨なイメージを払拭してくれます。

物語は池田屋事件直前まで。
そうこれからは歳さんや新選組は茨の道が待っている。
もうバラガキではいられない、
そうトシさんの青春はここまでなのです。

中場さんが描く峻烈なトシさんを読みたいですが、
ガキ大将のトシさんにまた会えて本当に嬉しかったデス。

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五稜郭残党伝 ★★★★

(2016年1月11日読了)

五稜郭残党伝 (集英社文庫)
五稜郭残党伝 (集英社文庫)佐々木譲

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(STORY)
明治2年5月。榎本武揚が率いる旧幕府軍が新政府軍に降伏する意思を固めている中、「降伏はせぬ」と自由を求めて脱走した蘇武と名木野。逃げ伸びる二人に新政府軍の残党狩りが始まった。


(REVIEW)
「降伏はせぬ!」と男の意地を見せる2人の脱走兵。
忍び寄る残党狩りと戦いを銃撃戦を繰り広げる。
舞台は箱舘戦争後の蝦夷地。
時間を遡ると、米国の南米戦争と重なりあう。
そう、本作は日本の西部劇。
今にもタランティーノ監督の楽曲が流れてきそうです。

冒頭から主人公のふたりの結末はわかっている。
彼らと行動を共にしたシンルケや、美しい少女、ヤエコエリカの運命はどうなる?
新政府軍との銃撃戦は手を汗握り、読み始めたらノンストップ!
話のテンポのよさもさることながら、キャラが魅力的に描かれています。

犠牲者も多く、残酷に思える描写が多く、空しさもあります。
しかし、ラストのヤエコエリカが生きようと前を向く姿はまさに希望の光。
救われた気がしました。

noriさんからお借りしました。ありがとうございました。

土佐堀川 広岡浅子の生涯 ★★★☆

2015年11月26日読了

文庫版 小説 土佐堀川 広岡浅子の生涯 (潮文庫)
文庫版 小説 土佐堀川 広岡浅子の生涯 (潮文庫)古川智映子

潮出版社 2015-09-05
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(STORY)
京都の豪商三井家の娘、浅子は、17歳で大阪の両替屋、加賀家に嫁いだ。時は江戸から明治へと時代が移り、加賀屋が経営危機に直面すると、持ち前の商才を発揮する。炭鉱、銀行設立、日本初の女子大学の開設、大同生命を設立など大仕事を成し遂げていく。


(REVIEW)
今年(15年)後期のNHK朝のTV小説「あさが来た」の原作。
モデルとなった広岡浅子さんのことはよく知らなくて・・
”あさ”も朝と勘違いしていたですよ、私(汗~)

本作を読了しての感想。
朝ドラはドラマを重点とているのに対し、
原作は広岡浅子の生き様が重点に置かれています。
なので、夫婦愛、家族などドラマの部分は弱いですが、
その分、彼女のパワフルさがすごいです。

時代に波に乗った発想力、決断力。
エネルギッシュな行動はどれも命がけ。
不治の病と言われた結核も、乳がんもなんのその!
いつの間にか吹き飛ばしてしまう。
バイタリティな彼女には、死神すら寄り付かない。
女性蔑視の時代にパワフルな女性がいたとは、
同じ女性として誇りに感じます。

黒龍の柩(上、下)  ★★★★★

(2014年9月7日再読)

黒龍の柩 上黒龍の柩 上
(2002/09/01)
北方 謙三

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(STORY)
時は幕末。新選組副長・土方歳三は、池田屋事件で世の中を轟かせた新選組の今後を模索していた。親友・山南啓助の切腹、彼が託してくれた道。坂本龍馬の夢。土方は新選組の未来と自分の夢にかける。


(REVIEW)
もう10年も前に初めて読んだ時、あまりにも斬新的な内容に驚きが隠せませんでした。
通説では「死に場所を探した男、戦い抜いた男」「武士道を貫いた男」のイメージが強かった土方歳三を「生きる男」「夢と求める男」に覆したのですから。
通説では敵対していた山南敬介や坂本龍馬、勝海舟らと語り合い、共感していく設定も同じく意表とつかれました。
意表がつく内容であっても、歴史的に紐解けば納得のいきます。
なので、本来はそうであったのではないかと思うのです。

そして今も再読しても、感想は変わらず、北方流新選組、土方歳三は共感があります。
世の中が変わろうとしている時、これから先どうすればいいか?
そう悩むのは、いつの時代も一緒です。
歳三さんもそのひとり。時の流れと変革に新選組をどう進むべきか?
それを山南さんは命をかけて切り開いてくれました。
通説では仲が悪かった二人は実は親友であり、お互いわかり合う熱き友情に涙なしでは読めません。

勝海舟と坂本龍馬との出会い、自らの夢を歳三さんはかける。
死に求めるではない、戦うために死ぬではない。
もし、死に場所を求めるなら、死ぬ場所くらいいくらでもあったはず。
本来なら斉藤一と同じく、恩義のある会津藩と運命を共にすべきです。
でも、彼が函舘まで赴いたか納得できます。

歳三さんに影武者あり。
影武者をうまく使うラストシーンは納得がいきます。
またドラマや小説でよくある、「新選組土方歳三」と名乗った後、打たれるシーンですが、名乗れが撃たれるに決まっているわなと冷ややかでした。
そもそも歳三さんの戦死に関しては信憑性に欠けます。
死体が行方不明、戦死の場所の不明確などの理由が挙げられますが、彼が歴史に登場するのはそこで終わっています。
でも、英雄不死説のように、彼も生き残っていてほしいという気持ちはあります。
人の人生は拝借しようと、ロシアに行こうとも、フランスに行こうとも、ひっそりと東京で暮らしていてもいい。
「生きる土方」いいではありませんか。
史実なら歴史書でいい、小説は空想の世界です。
作者の思いや夢があるからこそ、楽しめるものだと思っています。

密偵 ★★★★☆

(2013年8月20日読了)

密偵密偵
(2010/06)
秋山 香乃

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(Story)
御維新から20年たった明治19年。反政府の集会に内偵していた密偵の仲間が殺された。残した
メッセージに前天皇、孝明天皇の死の謎がかくされていた。警部の藤田五郎の命令で、桐生は北海道の監獄に潜入した。


<Review>
上記の藤田五郎とは新選組斉藤一です。
新選組の幹部の中で永倉新八を同じく、明治の世に生き残った隊士です。

さあ、その彼が明治の世でどのように描かれているか?
私生活は時尾さんと子供に恵まれ円満でしょう*^^*
されはさておき、仕事の面では、警部として、新選組時代とは違う活躍は?
一さん、いや五郎さん、上司として、部下に潜入するように命じてますね。
かつて、あなたが御陵衛士に間者として潜りこんだように。そのことが今とはなって、ぶり返されるとは思ってもみなかったでしょう。それに、会津藩の間者とも、もともとは幕府側の間者ともささやかれていますね。そのせいか、斉藤一のイメージはミステリアス。
ミステリアスな人物って、あまちゃんのミズタクのように、この人をもっと知りたいという気持ちを掻き立てられます。そのミステリアスさは、明治の世になっても変わらず。たとえ、藤田五郎という人物をわかっていても、主人公のようにこの人を知りたくなる・・それに本作で描かれている五郎さんはかっこいいーー、もう、たまりません^^

本題は、藤田五郎の真相ではありません。
上記にあるように、殺された仲間の密偵が孝明天皇の死に関わっている。孝明天皇の死は暗殺されたともいわれ、龍馬暗殺を同じく、私の心をかきたてる幕末ミステリーです。

事件と歴史の謎に、キャラの魅力。同時に楽しめるワクワクドキドキ感がたまらなかったです。
孝明天皇の死の真相、事件の真相ですが、ネタ晴らしになるので隠れます↓

残されたメッセージように、新政府が関与していることは間違いだろうし、黒でしょう。でも、肝心の証拠は闇の中。孝明天皇に盛られた毒の砒素は長い時間をかけて隊内に蓄積されたものは検出されるが、一度きりの致死量の場合は、時がたてば消える。なるほどね・・と、私もしぶしぶ納得です^^;

事件そのものは、政府の転覆ため。それは「かごめ、かごめ」の歌にこめられています。
「かごめ、かごめ」は、よく知られている童謡ですが、謎の歌詞であるため、いろいろな説が唱えられています。その謎にひっけるとは上手いです。

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