ラムの映画&本ライフ

ラムの趣味である映画と本のレビューです。★5で満点、10通りに評価しています。
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コンビニ人間 ★★★★☆

2017年3月25日読了

村田紗耶香/文藝春秋

(STORY)
古倉恵子、36歳、独身。
大学卒業後も就職せず、コンビニでバイトしている。
彼氏いない歴36年、日々食べるのはコンビニ食、
夢の中でもレジを打ち、朝になるとコンビニの店員となる。
そんな日常を過ごしていた彼女の前に婚活目的の男性、白羽がやってきた。
第155回芥川賞受賞作。


(REVIEW)
タイトルに惹かれて手に取りました。

主人公の恵子は、一般の社会では生きにくい人間に入る、
いわゆる少数派人間。
そんな彼女はコンビニでバイトすることによって、
自分の居場所を見つけた。
でも、周りは彼女を普通ではないと言う。

勤勉、勤労、結婚、出産・・と、あたりまえと言われる人生のルールを
歩めない人もいる。
彼女にも、彼女の人生というものがある。
コンビニこそが彼女の人生そのものなのです。

そんな彼女をテンポよく描いているので、
サクサクと読むことが出来ます。
読了した後の爽快感はなんともいえません。

「普通」とは一体なんだろう?
立派な会社に勤めて幸せですか?
結婚して、子供を産んで幸せですか?
コンビニのバイトのどこが恥ずかしいの?
コンビニのサービスを素晴らしいと思ったことないのですか?

あたりまえだと価値観を押し付けている人がよっぽど悲しいのでは?
人はそれぞれの人生がある、生き方がある、
幸せの形も同じでないことを改めて感じさせてくれました。

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望郷 ★★★★

(2015年7月19日読了)

望郷 (角川文庫)
望郷 (角川文庫)森 瑤子

KADOKAWA/角川書店 2014-06-20
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(STORY)
スコットランドのデボン地方に4人姉弟の長女として生まれ育ったリタは、病弱で内気な少女だった。第一次世界大戦で婚約者が戦死、遠い異国の日本人、政孝との出会い、結婚。日本で初のモルトウィスキーを作るという夫に夢、来日。NHK朝のTV小説「マッサン」のモデル、ニッカウィスキーの創設者竹鶴政孝の妻、リタの生涯。


(REVIEW)
朝のTV小説「マッサン」関連の著書はいつか読みたいと思っていました。
本作に巡り合わせてくれたnoriさん、感謝。ありがとうございました。

婚約者の死。まだ国際結婚が珍しかった頃、日本人との結婚。来日。日本初のモルトウィスキーを作る夫の夢、挫折。流産、養女縁組・・みるからに波乱万丈といえるリタさんの人生。
ドラマチックかと思えば、彼女の穏やかな性格のせいか、文章のせいか、そうは感じません。
タンタンと時間が流れるように穏やかで、安心して読めます。

ドラマは来日から物語は始まっていますが、
本作はリタ(エリー)の少女の頃から描かれているため、
彼女の性格、家族、初恋、辛い別れ・・と、少女時代の甘酸っぱさがなんともいえません^^

しかし、晩年となると、彼女の完璧主義の性格が出てきたのか、
ドラマでは見られなかった養女との葛藤など激しさを増していきます。
その度、増していくのは夫婦との絆。
問題を乗り越えようとする竹鶴夫婦こそが本物の夫婦。
別れるのがあたりまえの現代において、
考えさせられるものがあり、胸が熱くなりました。

またいつか、余市のニッカウィスキーを再訪したいです。
img_1.jpg
↑2010年に訪れたニッカウィスキー工場にて。

太陽のパスタ、豆のスープ ★★★★

(2014年3月31日読了)

太陽のパスタ、豆のスープ (集英社文庫)太陽のパスタ、豆のスープ (集英社文庫)
(2013/01/18)
宮下 奈都

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(STORY)
結婚式直前に婚約破棄を継げられた明日羽(あすわ)。どん底に落ちんだ彼女に叔母のロッカさんは、ドリフターズリスト=やりたいこと、欲しいもの、楽しそうなことを書き出すことを提案をした。あすわは、少しずつ前向きになり、何気なく過ごしていた自分を見つめ直していく。


(REVIEW)
人生とは何が起きるかわからない。
主人公、あすわは婚約者から婚約破棄を言い渡されたのです。

相手からの婚約破棄、それは落ち込むでしょう。
話に切り出された時、突然何が起きたのかわからない。
思い描いていた未来がガラガラと崩れ、喪失感は計り知れない。
まして、結婚式直前だったから、同情、好奇心にさらされた人の目も気になる。
ああ、目の前がまっくら・・
さあ、これからあすわはどうする?
その時、提案されたのがドリフターズリスト。
あっ、ドリフターズというのは漂流者。
漂流者の指針になるリストのことです。
あのドリフメンバーではありません。

「自分がやりたいこと、欲しいもの、楽しそうなことを書き出してごらん」
ありますとも!書き足りないくらいありますとも。
私的、年の初めに書いているものの、実行したためしはないわ(横道それた)
でもね、気分が凹んでいる時は、とても無理。希望も未来もないから。
その時だからこそ、ドリフターズリフトが必要なのです。

書いてみると、一歩踏み出している。
少しずつ見えてくる、自分のこと。今まで見えなかったこと。
見つめなおして、また一歩前に踏み出していく。

わかりやすい文章で、ストレートに表現されているから、共感しやすい。
派手な展開がない分、読み終わった後、明るく、暖かい気持ちになれる、
ビタミン剤のような本です。

元気が出ない、新しいことを始めたい方、一読いかがですか?

noriさんからお借りしました。ありがとうございました。

ルパン、最後の恋  ★★★

ルパン、最後の恋 〔ハヤカワ・ミステリ1863〕 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)ルパン、最後の恋 〔ハヤカワ・ミステリ1863〕 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
(2012/09/07)
モーリス・ルブラン

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(Story)
レルヌ大公が自殺をした。娘コラへの遺書には「4人の友人の中にアルセーヌ・ルパンがいる。彼を信頼し、頼りにするように」と記されていた。やがて、コラはレルヌ大公の娘ではなく、高貴の血をひく娘であることを知る。そして、国際的な陰謀に巻き込まれていく。


(Review)
作者ルブランが生前に執筆し、没後70年にして封印された幻の遺作。
ルパンといえば、3世もそうですが、アルセーヌにもワクワクドキドキ感がたまらないのです。

さて、ルパンの行くところ美女あり。
今回も、美女を守るルパンはどこにまぎれているのか?
4人のうちの一体誰?
ヒロインとの恋は結ばれるのか?
冒頭のご先祖様のエピソードは一体?
どう話が繋がるのか?ルパンの活躍はいかに?
ミステリアスに展開するストーリーは、テンポがよく、またしてもルパンの魅力を感じずにはいられません。
あーー、また私の心(ハート)を奪われましたわ~。

ルパン=アンドレをわかった後は、その先は明智小五郎と少年探偵団」か?と思えるような展開で、これもまた楽しいです。
ルパン、貧しい子たちの教師としていたとはね。その教え子、もとい養子が頼りになるから頼もしい。
のちのアルセーヌ・ルパンの跡継ぎでしょうか^^

ラストはヒロインとハッピーエンド。
最後の恋とあったから、悲恋になるのでは?と心配したけど、それもなさそうで。
つまり、ルパンにとっては、最後の年貢の納め時だったですね。めでたし、めでたし。
まだ40歳?いや48歳のルパン、若くて美しいコラと末永くお幸せに。

面白かったけど、数年前に読んだ「カリオストロ夫人」「怪盗紳士ルパン」に比べると、読了した後の余韻がない。
おーーといかん、いかん。もう一度、↑の2作を再読しなければ。
まっててね、ルパン様~^^

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