ラムの映画&本ライフ

ラムの趣味である映画と本のレビューです。★5で満点、10通りに評価しています。
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沈まぬ太陽  ★★★★☆

2016年11月~17年2月 DVD鑑賞


2016年日本ドラマ(WOWOW)
出演・・・上川隆也 
     渡部篤郎
     夏川結衣
     壇 れい

(STORY)
日本のナショナル・フラッグ・キャリアである国民航空のエリート社員、恩地一(上川隆也)は、労働組合委員長に任命される。
不本意ながらも任に就いた恩地は、同期行天(渡部篤郎)と共に、空の安全の為、社員の為に活動をする。
組合委長の任期が終わったある日、海外に赴任が命じられた。行き先はカラチ、労働活動がやり過ぎたための報復人事であった。一方、労働組合と縁を切り、幹部組織に入り込んだ行天は、エリートコースに進んでいく。


(REVIEW)
山崎豊子原作。
原作読破↠映画↠今回のドラマの順で観ました。

御巣鷹山中心の映画に対し、ドラマは20話と長編のため、主人公の生きざまを丁寧に描かれています。
主人公の恩知は「大地の子」に引き続き、上川隆也。
原作の恩知のイメージに合っています。
脇役も行天役の渡部さんをはじめ演技者揃いで、適材適所の配役です。

舞台は航空会社をはじめ、中東、アフリカとスケールが大きく、全20話長編であることも忘れるくらい、テンポがよく見応えもあります。
低迷している最近の日本ドラマの中、マイベスト3に入れていいくらい良作です。
出来れば、リアルタイムで観たかったです(WOWOW加入していません)。

主人公の恩知と友人の行天。
「白い巨塔」に置き換えれば、里見と財前です。

生真面目で、正義感が強く、任務を遂行する。
が、融通が利かなく、駆け引きすることを知らない。
どんな理不尽なことがあっても屈しない男、恩地さん。
不器用な男の生き様を描いた話です。

不器用な人には感情移入しやすいですが、彼の頑固さには正直まいりました。
彼一人ならまだしも家族がいる。
彼についていく奥さんも子供たちも大変であったでしょう。
またどんなに叩かれようとも、彼についてくる仲間もいる。
また理解してくれる人もいる。
何よりもの財産でしょう。

一方、行天は友人、恩地や仲間を裏切り、幹部の中枢へと昇り詰めていく。
彼には彼なりに、会社を変えたい、でも、力をつけないといけない。
恩地とは違い、上手くわたり歩いています。

会社の内部は末期のガン患者と同じく、手の施しようがないくらいに腐りきっている。
コスト削減、過激な労働、差別の一方で、幹部たちは甘い汁をすっている。
臭いものは蓋をしたものの、会長の右腕となった恩地が再び開けようとする。
開けてはならないパンドラの箱を開けてしまった。
理不尽な報復だけでも懲りているはずなのに、なぜ彼は会社に義理を尽くすのだろう・・
もし、私が恩地なら、挫折するのは確実。
彼の頑固さ、強さが羨ましいくらいです。

故・山崎さんの作品は、現代も通じるものがあります。
本作も舞台は昭和ですが、ブラック企業、格差などの問題を抱えている現代にとって決して古いとは思えません。

また原作を再読したくなりました。

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