ラムの映画&本ライフ

ラムの趣味である映画と本のレビューです。★5で満点、10通りに評価しています。
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新・三銃士 ダルタニャンとミラディ   ★★★

2016年5月23、24日読了



藤本ひとみ/講談社


(STORY)
1625年。まだ三銃士に出会う前のダルタニャンは、決闘を挑んだ。それを見つめるミラディ。
やがて二人は、フランスを揺るがす陰謀を巡り、敵対することとなる。


(REVIEW)
新三銃士と聞いて思い浮かべるのは、数年前の爆笑問題の人形劇。
「三銃士」と聞くだけでも胸が躍り出す。
フランス通の藤本女史が描く三銃士はどんなものかと読む前からワクワクしました。

「少年編」と「青年編」の2部構成で別れている藤本女史版は
悪女ミレディ・・もといミラディの視点で描かれています。
(ダルタニアンはダルタニャンだし・・まあいいか^^)

藤本女史のキレのいい文章とテンポのよさ、
話の入りやすさ(話がわかっているかもしれないけど)で、
サクサクと読めるし、原作同様ワクワク感もあります。
悪女を主人公にするのは、いかにも藤本女史らしいというか^^
別な視点から読む面白さがあります。

ただ、本家本元のデュマの「三銃士」の印象が強い私としては、
原作通りに話は進んでいるので完全なパラレルワールドとは思えず、
ここからはネタバレになるので、隠れます。

悪女のミレディ・・失礼ミラディは実は繊細な女?
コンスタンスはしたたかな女?
今までのイメージが覆されたようで、目がクラクラしましたわ。

で、ミレディは処刑されて死ぬはずが、
なんと生きていた?で、ダルタニャンとハッピーエンド?
ええ???アニメの影響も受けている私はダルタニャンとコンスタンスのイメージが強いですけど。

女性たちの活躍せいか、三銃士たちの魅力がイマイチ。
三銃士たちを藤本流いい男に描いてほしかったなーー;

もうひとつの三銃士として読むには面白いかもしれないけど、
従来のファンにはオススメ出来ないかもーー;

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殺人の四重奏 ★★★★

2016年11月5日読了

藤本ひとみ/集英社

(STORY)
フランス絶対王朝時代。王の寵愛の黒いミサ、復讐する女、侯爵令嬢になりすます女、蝋人形を作る女の4つの物語


(REVIEW)
タイトルに惹かれました。
王の愛人の座をめぐる争いを描いた「寵姫モンテスパン夫人の黒いミサ
復習に燃える女性を描いた「詐欺師マドレーヌの復習
侯爵令嬢になりすます女性を描いた「侯爵令嬢アエーラのたくらみ
そして、「王妃マリー・アントワネットの首
ギロチン後のアントワネットの首のことが描かれているのかしら?
オカルト好きな私^^ワクワクドキドキしました。

読んで見ると、予想していたドロドロ、
背筋がゾーーーとするようなこわーーーい話ではなく、
過酷な時代であろうとも、したたかに生き抜く女性たちのたくましさを描いた話でした。
戦う女性を描くのは、いかにも藤本女史らしい。
どの作品もテンポがよく、文章のキレがよく、主人公に感情移入しやすいです。

舞台であるフランスの絶対王政も宮廷、貴族、街の下町でも、女性たちにとっては戦場。
でも、後ろ盾はなくとも、自分の運命と立ちむかい、時には自分を見失おうとも、前へと突き進む。
現代にも通じるのではないでしょうか。

私個人としては面白かったのは、「寵姫モンテスバン夫人の黒いミサ
表面的には微笑ましくも、裏では愛人の座を巡って戦う女性たち。
美しくもしたたかに・・まるで大奥を想像しました。
「詐欺師マドレーヌの復習」「侯爵令嬢アエーラのたくらみ」は最後、ヒロインはどうなるだろうと思ったら、
なるほどね・・と、納得しました^^
最後の「王妃マリー・アントワネットの首
パリにある蝋人形の館に行きたくなりました。


ハプスブルクの宝剣  ★★★★★

2016年4月10日再読


藤本ひとみ/文藝春秋

(STORY)
決闘を機にユダヤを決別したエリヤーフーは、名前をエドゥアルトと変え、フランツ・シュテファンと共にオーストリアに赴く。フランツの婚約者マリア・テレジアと出会い、お互い惹かれ合うが・・・激動のオーストリアを舞台に隻眼青年エドゥアルトの野望と友情、恋を描く。


(REVIEW)
エディ(エドゥアルト)と出会って、もう何十年の年月が経つでしょう。
久しぶりに手を取り、長い間封印した思いが今、蓋を開けた!
私の思いは変わらない!エディ熱復活!
重症デス。この病に効く薬なんぞありません^^;

さあ、ここから本題^^;
エディのことエドゥアルト、もしくはエリヤーフーは架空の人物です。
もし実在していたら、彼の史跡巡りしているわ、確実に。
それはさておき、時は激動のヨーロッパ、オーストリア帝国に存亡の危機。
王位継承したばかりのマリア・テレジアは、まだ15歳
それを救ったのが我らがエディ。
自分の能力をかけ、独創性のある発想力、
単独で行動するあたりは西洋の坂本龍馬か。
それにプラス、えー男でもあります*^^*

しなやかな身体、暗く鮮やかな漆黒の瞳、凛然とした才知と、滾るような熱情をこもった隻眼

この描写を読み度、もうメロメロ!
本書に登場する主な女性たちがエディに惹かれるのはわかりますわ。

閉鎖的なユダヤの世界になじめず、片目を失う変わりに自由と新たな人生を手に入れた。
野望の男、エディ。
ただこれだけなら、一時のトキメキで終わっていたでしょう。
ただの野望の男ではない、彼に隠された苦悩が描かれているから、胸が締め付けられるのです。

フランツという友、オイゲン将軍という師を得るものの、
育ての親、学生時代の友や、フりードリヒなど失うものが多かった。

エドゥアルトとして生きる自分と、
かつてユダヤ人のエリヤーフーである自分。

ひとつの体にふたつの自分はまるで「アルジャーノンの花束を」のチャーリィのよう。
ラスト、エリィ(エリヤーフー)とエディがひとつになり・・・ここからつぶやくので読みたい人はクリックしてね。

あの後、エディはどうなったかというと、私が想像するには、
蘇生して、アーデルハイトとシオンで暮らしているでしょう。
事実、差別的な法律があったマリア・テレジア時代、
あのままオーストリアに住んでいるとは思わないし。
でも、エディがここままひっこんでいては面白くない。
フリードリヒとの対決を今一度読みたい。7年戦争で対決する姿を読みたい。
長年、続編を期待していたですが・・・かなえてもらえないでしょうか、藤本センセ。

イヤな女しか思えないテリーゼもなかなかいい^^
プライドの高さ、我儘、融通がきかないは娘アントワネットそっくり。
元の職場の意地悪な女上司にそっくりでもあるせいか、
こんな女のもとで働くことないよ。
エディの能力は他の国の人たちも認めているし、
はよ、別の国にいきなさい!と思ったけど、
「フランツのためなら」「オーストリアのためなら」と彼は動こうとはしなかったですよね。
わりと義理堅い、だからなおエディに惚れてしまう私でした。








皇妃エリザベート ★★★★☆

2016年4月7日読了

藤本ひとみ/講談社


(STORY)
バイエルン王家の傍系マクシミリタンとルドヴィカの次女として生まれたエリザベートは、16歳でオーストリア帝国皇帝フランツ・ヨーゼフ1世に嫁ぎ、オーストリア皇后となる。自由人のエリザベートのことシシィは、皇室の慣習に逆らい、自由奔放に生きた。当時のヨーロッパ宮廷一の美貌を持ち、「バイエルンの薔薇」と呼ばれた皇妃エリザベートの生涯を描く。


(REVIEW)
藤本女史で思い浮かべるのは、マリー・アントワネット、フランス革命、フランス史。
本書はアントワネットのご実家であるオーストリアが舞台、
ハプスブルグ家600年の歴史の中で一番の美貌と言われたエリザベートのこと、シシィが主人公です。

姉の思会い相手オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフに見初められたシシィ。
彼の元に嫁ぎ、オーストリア皇妃となったものの、義母ゾフィーとの対立が待っていた。
オーストリア帝国を守ろうとする姑ゾフィーに、皇室の慣習は合わないと逆らう嫁シシィ。
いつの時代にも嫁姑問題がつきまとう。
そう、オーストリア宮廷の嫁姑バトルがきって落とされたのです。

その間に入るフランツ・ヨーゼフは、いい人だか小心者。
しだいに自分の息子は逆らうようになり、一層嫁に憎しみを抱いていく。
疎外感から自分の価値観を失くしかけたシシィは「ウィーンの薔薇」を言われ、自分に自身を持つ。
より一層、持ち前の美貌に磨きをかける。
なるほど、それが彼女を一層美しくしたのだと、実にわかりやすい。
同じ嫁の立場として、シシィに感情移入してしまいました。

憎たらしいはずの姑ゾフィーにもなぜか入りこめてしまう。
帝国に身をささげる彼女は、何がなんでも伝統を重んじる、自分の価値観は絶対的。
対象的なシシィとは水が合わはずもない。
オーストリア帝国の衰退の一方を辿る中、大輪を咲かせたのはエリザベートなら、
ゾフィーはハプスブルグ家そのものを物語っているようです。

ハプスブルク家と対象的なのが、NHKTV小説「あさが来た」の主人公あさが嫁いだ白岡家。
江戸から明治と激動の時代、多くの両替屋が倒産する中、白岡家は持ちこたえ、時代の波に乗って発展した。
あさの力ばかりではなく、周りのサポート、家族の一体があったからこそ。
ハプスブルク家は伝統とプライドを重んじ、ゾフィーもシシィも自分の感情を優先しすぎ。
まったくといってほどの対照的な両家です。

最後にひとつ^^
「1740年、マリア・テレジアは二十三才にして(中略)孤立したマリア・テレジアは、ハンガリーに援助を求めたのです」
ふふ・・陰にはね、エドゥアルト(「ハプスブルクの宝剣」)がいたんんだよ^^
と、細笑んだのは私だけでしょうか^^

ナポレオンの宝剣 愛と戦い ★★★

(2015年8月10日読了)

ナポレオンの宝剣 愛と戦い
ナポレオンの宝剣 愛と戦い藤本 ひとみ

潮出版社 2009-09-01
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(STORY)
マルメゾンの館で過ごすジェゼフィーヌの元に別れた夫ナポレオンが訪ねてきた。ナポレオンは元妻に快進撃のすべてを語り、そして、離婚の真実が明らかになる。

(REVIEW)
タイトルから、思い浮かべたのは「ハプスブルクの 宝剣」
きっと、ナポレオンにもエディ(エドゥアルト)がいたに違いない。
わーーい、エディに会える!なんて、思いを馳せていました。

蓋を開けてみたら、夫婦の会話が続く。
エディらしき男はいつ出てくるか?と期待すれど、
ナポレオンの快進撃の話と元妻ジョゼフィーヌの話でした。
そういえば、「愛と戦い」とあったわ(笑)

ナポレオンがいかに快進撃をしたかが詳しく描かれており、
英雄だけあって、うねづける名言はビジネスでも使えそう。
夫婦についても語録もうなづけます。

ナポレオンは別れてもずっとジョゼフィーヌを愛していたのです。
ナポレオンの一途さに胸が熱くなり・・
悪女と思える妻も、夫しか良さがわからないでしょう。
愛しているのに何故離婚をしたのか?その真相は↓
マリア・ヴァレフスカが妊娠、出産したため。
身分の低い家で生まれたナポレオンは、身分がほしかった。
子供には自分と同じ苦労をさせたくない。
そのためには皇家、もしくは王家の娘を結婚したくてはならない。
自分の結婚を犠牲にしてもかまわない。だから、身分の低い家から生まれたジョゼフィーヌと離婚をした。


なるほと、人間ナポレオンを見ることができましたね。
皇帝までのぼりつめたふたりも、結局は普通の人。同じ人間。
人間味あふれるキャラとして描いてくれた藤本女史、さすがです^^v

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