ラムの映画&本ライフ

ラムの趣味である映画と本のレビューです。★5で満点、10通りに評価しています。
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Nのために ★★★

(2014年11月8日読了)

Nのために (双葉文庫)Nのために (双葉文庫)
(2014/08/23)
湊 かなえ

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(STORY)
超高層マンション「スカイローズ」の一室で男女の死体が発見された。
現場に居合わせた若い男女4人は被害者に面識があり、それぞれの証言から驚くべき事実が語られた。
それぞれが思いを寄せるNとは一体誰か?


(REVIEW)
現在、TVドラマされ、港かなえの初の純愛ミステリーを手掛けた話題の作品です。
港さんの魅力は引き付けられる話の展開と文章力。
本作も死体の発見からはじまる冒頭に引き付けられました。

全キャラのイニシャルがNがある。
タイトルから、自分ではなく相手のため。そのNとは一体誰を指しているのか?
被害者を絡む愛とは一体どんなものなのか?
居合わせた4人が証言していく。
謎を解明していく展開はミステリー好きにはたまらない展開に興奮し、最後までノンストップで一気に読破しました。

面白いけど、心を揺さぶられるものがなく、純愛ミステリーのわりには、愛というものを感じません。
オビに書かれていた「せつなさ」は全然感じなかったし、話が凝りすぎて、肝心なキャラの心理がつかみ取れませんでした。
純愛ミステリーと思いだずのは、東野圭吾「容疑者Xの献身」
愛は時には人を癒し、時には魔物に変えるというゾクっとするような愛の深さが欲しかったです。
「告白」で震撼した私は、今回も期待しすぎたのかもしれません。

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少女  ★★★★

(2013年8月11日読了)

少女 (ハヤカワ・ミステリワールド)少女 (ハヤカワ・ミステリワールド)
(2009/01/23)
湊 かなえ

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(story)
親友の自殺を目撃したという転校生の話を聞いた由紀は、人の死を見たいと思うようになった。自殺を考えたことがある敦子は死体を見たら、自分は強くなれるのではないかと思い始めた。夏休み期間中、それそれ小児科病棟と老人ホームでボランティアを始めた。目的はただ死体に立ち会いたいため・・高校生の少女たちの衝撃なミステリー。


(Review)
普段と同じ日常なのに、リアル感たっぷりの展開、じわりじわりと感じていく恐怖感。
語りかける文章はキャラたちの心情がわかっていくのが湊さんの作品です。

普段何もない日常なのに、親友のふたりがすれ違い、誤解をしてしまう。
それは誰もが味わう学生生活、そこにミステリアスが加わったら・・
これ、私の好きな展開です。

キャラに感情移入出来なくても、最後まで話い見入ってしまい、今回も湊マジックにかかりましたが、「告白」や「贖罪」に比べると衝撃的な内容ではないし、恐怖感もなし。
その点は物足りなさを感じましたが、逆にリアリティーがありました。
ラストも後味が悪くないなと思ったら、最終章の遺書の続きでダークな気分になり、おまけの逆転がたまりませんでした。↓
もし、遺書通りにしおりが人生にリセットしたら、ふたりは願っていた死体を見ることになる。
さて、その後はどうなるか・・それは想像におまかせしてとのことでしょうか。
それにしても、冒頭の親友の自殺の原因が自分にあったとは・・これでは心に大きな傷を残しますわ

これ、10代の彼女たちばかりではなく、私たちにもありうる出来事。
もし、その立場が自分になったら・・何気ない日常で起きる出来事が一番、怖いです。

白ゆき姫殺人事件  ★★★

(12年9月20日読了)

白ゆき姫殺人事件白ゆき姫殺人事件
(2012/07/26)
湊 かなえ

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(Story)
T県T市のしぐれ谷で、惨殺遺体が発見された。被害者は化粧品会社の美人OLで、一人の女性が失踪したことから、彼女に疑惑の目が向けられた。彼女の関係者による証言した驚くべき内容、そして噂が噂を増幅していく。果たして、本当に彼女が犯人なのか?

(レビュー)
「女同士の噂が暴走する」
「意地悪な視線がじわじわ怖い..」

キャッチフレーズに惹かれました。

湊さん、あいかわらず語り口の文章は上手い!
自然と、そしてジワジワと、ホラーより怖い世界に導いてくれるから、これがたまらない。
そして、ラスト、背中がゾク~!!!ホラーより、リアルな世界が一番怖い世界へようこそみだいな^^
身近にありそうだから、もし自分の身に降りかかったらどうしようと思わせるところが憎いデス。

今回も期待を持って読み始めたら、冒頭の殺人事件に目が釘つけになり、さあ犯人は一体誰か?
サスペンス好きの私にはたまりません。
疑惑の目を付けられている彼女が本当に犯人なのか?
彼女の不自然な行動や、関係者たちのあらゆる証言により、彼女しかいないと思わせられてしまう。
白ゆき姫、呪い、魔女、まるで童話の世界、それも怖い~グリムの童話の世界に引きずりこまれました。
魔女ね、呪いね、本当にこの世界にあるのかしら?
犯人捜し同様、惹かれるものがたくさんありました。

↓ここからネタばれになるので隠れます。

ワクワクしながら、話を進めていくと、ラストは疑惑にかけられた美姫の証言。
彼女が犯人かと問いかけられたら、私はNo!
なせかというと、疑惑をかけられた人が犯人でないことが多いから。
それはビンゴ!やっぱり、私のカンはすごい!

犯人って、最初に証言した里沙子!?
もとはといえば、彼女がフリーライターに吹き込んだことが始まり。
噂を振りまく人こそ、本当の犯人であることは確かだし、身近にいる人が犯人であることも確か。
本当に怖いのは人の口。噂が噂を呼んで、増幅させていく。
そのターゲットされたものが哀れで、周りも一緒になって、いじめていくから怖い。
これ、身近にありました。うちの職場も近所も同じようなところだから^^;

サスペンス、童話の世界、いじめの世界と話の題材は面白いですが、「贖罪」に比べると物足りない。
でも、私、湊さんワールドにまたはまりたいので、これからも楽しみにまってます^^

贖罪 ★★★★★

(12年7月読了)

贖罪 (双葉文庫)贖罪 (双葉文庫)
(2012/06/06)
湊 かなえ

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(Story)
15年前、静かな田舎町で、ひとりの女児が殺害された。直前まで一緒に遊んでいた4人の女の子は犯人と言葉を交わしているものの、顔は思い出せず、事件はそのまま迷宮入りとなった。しかし、その事件は大人になった4人の女性たちに重い十字架を背負わされた。


(レビュー)
湊さんの著書は、「告白」に次ぐ2冊目。
「告白」では、身近に起きる話が、実際に起きるような気がして、ホラーより恐怖感を感じずにはいられませんでした。本作は、それ以上。
私、こういう話好きかも。
人間の心理をえぐりだし、恐怖を感じずにはいられない話は、私の心を捕らえました。

あなたたちを絶対に許さない、償いなさい」と、女児殺害事件にかかわった4人の女の子が、十字架を背負わされ、体に精神的に障害を残す。そして、15年後、大人になって、降りかかった。罪を償うところか、罪の連鎖となろうとは、誰が想像しただろうか。
ラストは、殺害された母の語り。彼女の過去、そして、事件の真相、4人に罪を背負わせてしまったという罪意識が、痛々しい。

読破して思ったのは、恐怖感もそうですが、登場した5人全員(+殺害されたエミリも)が被害者であるとしか思えない。

直接、事件にはかかわってないとしても、罪悪感があること。
直接かかわってないとしても、まわりで傍観していた人、間違っていても勇気を出せずにNOと言えなかった人が、それに当てはまるではないだろうか。
人は自分を守ろうとする姿勢に入る。思えば、私もそのひとりかもしれない。
と考えると、懺悔することはあるか..今、思うと考えずにいられません。

夜行観覧車 ★★★★☆

(2013年2月21日読了)

夜行観覧車 (双葉文庫)夜行観覧車 (双葉文庫)
(2013/01/04)
湊 かなえ

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(Story)
高級住宅地に起きた殺人事件。夫が被害者で、妻が加害者ー誰もが羨むエリート一家に何が起きたのか?向かいの家から、遺された子供たちから、近所からの視点から事件の真相を明らかにしていく。


(Review)
あらすじを読んだら、湊さんお得意のミステリーかと思いきや、家族、近所を描いた人間ドラマです。
殺人事件の加害者は妻とはいえど、行方不明の息子が本当は犯人?と思った私は、前半のミステリーな部分はたまりませんでした。
でも、それ以上に面白いのが人間模様。
きめ細やかなキャラたちの心理描写に、またも湊さんマジックにかかったようにグイグイと引き込まれました。


「坂道病」の言葉に心が響きました。
普通の感覚を持った人が、おかしなところで無理して過ごしていると、だんだん足元が傾いていく。踏んばらなきゃと頑張るほど転がり落ちてしまう。


殺人事件が起きたエリート一家高橋家も、娘が癇癪を起し、夫は知らんぷりをしている遠藤家も、世話好きな児島家も、みんなあてはまります。
もがけばもがくほど、好転せず、坂道のように転がるだけ。
思えば、自分にもあるのではないか。いや、思い当たることもある。
そして周りにもと思うと、他人事はなく、身近にあるだけホラーよりは怖いです。


人間には善と悪があるように、善人と思える人が腹黒かったり、印象の悪い子が案外いい子だったり・・
湊さん、人間の奥底に潜む心理を描くのが上手い人です。

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