ラムの映画&本ライフ

ラムの趣味である映画と本のレビューです。★5で満点、10通りに評価しています。
MENU

死神の浮力 ★★★

(2013年12月21日読了)

死神の浮力死神の浮力
(2013/07/30)
伊坂 幸太郎

商品詳細を見る


(Story)
一年前、少女が殺された。犯人は逮捕されたものの、証拠不十分として一審では無罪となった。
納得いかない被害者の両親は、人生をかけた復讐を決意した。そんな時、死神の千葉がふたりの前に現われた。


(Review)
「死神の精度」の続編。金城武主演で映画化になった前作は、伊坂流死神に斬新さがあり、面白みがありました。
続編となる本作を期待せずにはいられません。

今回のターゲットは、25人にひとりの、良心をもたない人間。
”犯人は自分が犯人であることを被害者の両親に知らせる。
証拠を見せた上に、娘の絶望的な姿を目に焼き付ける。
しかし、証拠を消され、狂わんばかりのもどかしさだけが残る”
まるで犯人はゲームをしているかのように・・とはいえど、緊張感はなし
伊坂さんの独特の言い回しや、リアルなセリフがクスっと笑いも出てくるから。
伊坂わーるど炸裂です^^

さて、死神の千葉の7日間調査の結果、犯人は「死ぬ必要がある=可」となるか?「見送り」となるか?
被害者の両親の気持ちを考えたら、可となってほしい。
千葉さんどうする!?

続編は前作を比べてクオリティーが高くないと、辛辣な評価をしてしまいがち。
本作も然り、キャラつくりに定評のある伊坂さんですが、
ストーリーは面白みがありますが。犯人を掘り下げて描いてないし、
そればかりか千葉さんの前作のように魅力がないので物足りません。
これ、続編の辛さでしょうね^^;

スポンサーサイト

オー!ファーザー  ★★★★

(2013年10月8日読了)

オー!ファーザーオー!ファーザー
(2010/03)
伊坂 幸太郎

商品詳細を見る


(Story)
ひとりの息子に4人の父親?高校生の由紀夫は、ギャンブル好き、女性好きの個性的な4人の父親と生活をしていた。ある日、由紀夫を事件に巻き込まれ・・


(Review)
4人の父親に息子がひとり?重婚が禁止されている日本では非現実的世界なのか?
それとも、本当に?現実なんだろうか?
展開のテンポがよく、コメディタッチであって、ドタバタ劇のように感じない。
摩訶不思議とも思える伊坂わーるど、あっという間に引き込まれ、あっという間に読了。
面白いと思っているうちに終わるので、余韻がある。
あいかわらずキャラの設定がいい、話も独創的。
母親はどうしているの?出てこないの?という、つっこみは置いといて^^
人間には100人いれば、100人違う、人生も違うと同じで、家庭も様々。
両親がそろう家庭もあれば、3世代や4世代にわたる家庭もある、
片親の家庭もある。子供のいない家庭もある。
ならば、4人の父親がいても不思議ではない。(日本にはありえんだろ?でも届けを出していないだけ?)
その4人のお父様方、みなさま、個性的で面白い。
4人いるからこそ、片方の意見に問わられずに、幅広く知識を得ることができる。
由紀夫くんに生きる知恵を与えることができる、素晴らしい^^

伊坂さんはクドカン(宮藤官九郎)と同じく、リアル感のあるセリフがたまらない。
「中学だとか高校生は、いつも誰かを虐げて、蔑ろにする対象を探している。優しくて言い返さない奴ほど、どんどん狙われる。大人の世界もたぶんそうだな」

「頭の良さは一体なんだろう?」→「発想力と柔軟な考えができる人」

「いじめは絶対になくならない」→「苛められっこになれと願うのは色々な意味で酷だ」

「どんな人間でも嫌なことをされればムッとするし、恥をかけばムッとする。自慢話の好きだし、自分の都合で怒りもする。褒められればいい気になるし、見下されれば、この野郎!と思う」

「追いつめられた時に必要なものは勘だよ」


”はじめは優しい先輩も、後輩の非凡さを見つけ出すと、突然に冷淡になり、執拗のいじめてくる”

人間の心理にはまり、リアル感のあるセリフは心に響くものがある。上手く言い合わさせなくて、例えながら話す姿は親しみを感じました。

魔王 ★★★★

(2013年9月30日読了)

魔王 (講談社文庫)魔王 (講談社文庫)
(2008/09/12)
伊坂 幸太郎

商品詳細を見る


(story)
両親を亡くし、弟と二人で暮らす会社員の安藤は、不思議な力があることに気づく。念じれば、相手が必ず口に出す力。理屈や理論は不明だが、必ず起きている。その能力を携えて、ある男に近づいていった。


(Reviwe)
一言でいえば、伊坂流超能力物語か?
アニメや漫画の世界に引き込まれるかのように、話にグイグイと引っ張っていく力、
伊坂氏のどの作品にも言えますが、読ませる力があります。
魅力的なキャラつくりと、独特の言い回しもたまりません。
今回も伊坂マジックにはまりました。

不思議な力を持つ兄弟、兄は腹話術で、弟は予知能力。
不穏、不満だらけの社会、何が悪くて、このような社会になったのか?
民主主義とは?ファシズムとは?資本社会のひずみは一体?
伊坂流社会、歴史風刺が垣間見る中、念じれば相手が口に出す「腹話術」の力が発揮されていく。

目覚めた力は本当に魔力なのか?
魔王がしのびよったものなのか?
それとも本人の思い込みなのか?
本人が故人となった今、真実は闇の中かもしれません。
何気ない日常から起きているので、もしかすると、近くに起きそうな、近くに居そうな人物であるので、ホラーより怖さを感じました。

なお、続編の「呼吸」では、安藤の弟の潤也が予知能力を発揮します。
タイトルのせいか、キャラの明るさのせいか、本題よりは怖さはありません。

あるキング ★★★☆

(2013年9月28日読了)

あるキングあるキング
(2009/08/26)
伊坂 幸太郎

商品詳細を見る


(Story)
山田王求(おうく)は、プロ野球占仙醍キングスの熱烈ファンのもとに生まれ、野球選手になるべく育った。野球で非凡な才能を開花させ、とてつもない選手になった。


(Review)
いわゆる非凡な才能をもつ、野球選手の成長物語。
三人の魔女はシェイクスピアの「マクベス」、野球選手として育てられたのは「巨人の星」、偉大なるバッターはイチロー。彼は非凡な才能と力を合わせ持っていますが、順調な野球人生を歩いていくわけではありません。むしろ、人生の歩み方は不器用なので、親しみやすさがあります。

主人公は王求(おうく)ですが、、周りの人々の語りで話が進められていくので、彼の心理は乏しいです。
彼が普通とは違う天才の場合、人間臭さを出すことなく、徐々に人間像をうかびあがっていく手法のほうがミステリアスです。そのため、ラストはどうなる、どうなるとノンストップで読ませる引き込む力はあります。
ライバルもどこか人間臭さを感じるのは、あいかわらず伊坂さんはキャラつくりが上手いです。

物足りないのは、読了した後の余韻がないこと。
話としては面白いですが、もうひと工夫ほしかったです。

偶然か、今年は仙台の楽天が優勝しました。
仙台、仙醍、せんだい。作者の、地元の思いがこもった作品といえるでしょう。

このカテゴリーに該当する記事はありません。