ラムの映画&本ライフ

ラムの趣味である映画と本のレビューです。★5で満点、10通りに評価しています。
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美貌の果実 ★★★★★

(2015年6月2日読了)

美貌の果実 (白泉社文庫)
美貌の果実 (白泉社文庫)川原 泉

白泉社 1995-09
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(STORY)
葡萄の収穫と仕込みを控えた秋月家は当主と長男を事故で亡くし、母娘は途方にくれていた。陰から見守っている葡萄の精が現れて、手伝いをすることになり・・表題の「美貌の果実」を含む農園3部作とその他3作を収録。

(REVIEW)
表題作を含む3部作は川原流農業物語。
敬遠されがちな農業も川原さんの手にかかればほら、笑いと涙の話に変えてくれる。
果実、動物わーるど、ぶどうの精の川原さんの発想は、あいかわらず面白いです。

「愚者の楽園」
主人公が「日本農園」で働いたきっかけは美味しい果実を食べたいから。
お駄賃は現物というのもいい。だって買えば高級な果実が手に入るだし(笑)
パッとせず、目立たたなかった主人公(「あまちゃん」のアキちゃんかいな)が農業を志す。
その過程が気分の高揚→志向の上昇→発想の拡大により、自分は農業に向いていると悟る。
さすがは川原わーるど。
「日本農園」を変換すると、「日本脳炎」になってしまうのも笑ふ。
このクスッと笑えるのがたまらないのです。

「大地の貴族」
牧場を営む青年とおっとりヒロイン(お嬢様)の物語。
そこに牧場の牛や鶏、牛たちが人間のように話すのがなんともリアル。
人間も動物も同じ生き物だもん。心があるよ(笑)
ご主人の敵を動物たちが晴らすのは、(笑えるけど)義理堅いことか
家柄、学歴、ブランドがなんだい!こっちは中身で勝負。
かっこつけのかもめ眉毛、濃いキャラのせいか、嫌な奴だけど憎めません(爆~)

「美貌の果実」
一家の主人と長男を亡くした秋月家。落胆にくれると思いきや、
そこは川原キャラで「なんとかなるさ」といたってのん気。
心配した坊さんが葡萄の精を起こし、手伝わせることにしたのです。
秋月家は葡萄の精を迎い入れる暖かさ。
葡萄の精はご奉公し、ラストは天国に召されて・・・義理と人情、泣かせますTT
ワインの知識が満載で、川原さんの博学が光ってます。

他の3作もせつなくて、でも、クスッを笑える。
特に「架空の森」のラストのゴジラの着ぬいぐるみには笑った。
ええな、そのユーモア。

心にビタミンが必要な方、一読いかがですか?


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中国の壺 ★★★★☆

(2015年5月30日読了)

中国の壷 (白泉社文庫)
中国の壷 (白泉社文庫)川原 泉

白泉社 1997-03
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(STORY)
志姫(しき)は母の嫁ぎ先の家でお手伝いの日々を過ごしている。母からは小言を言われ、新しい父とはなじめなくても大丈夫。彼女は代々安雲家に伝わる不思議な中国の壺を持っているから。その壺には安雲家の子孫を見守ってくれる超飛竜が住んでいて、いつも彼女の側にいてくれるだ。超飛竜は彼女だけの秘密が、義兄の巧に見えてしまったことから、3人の奇妙な関係が始まった。


(REVIEW)
主人公の志姫は母の嫁ぎ先の広い家で、お手伝いさんをしているけなげな女の子。
まるで可愛そうなヒロイン話・・・と思ったら、そこは川原流。
不思議な壺の住人が彼女を助けてくれるです。
壺から人が?これって、アラジンと不思議なランプかいな?
YES! でも、川原流はひと味違うのです。

さて、疑問。
超飛竜が、なぜ壺に入ったのか?冒頭の話はどうかかわっていくのか?
普通、壺に住人がいたら知りたがるだろう。
代々安雲家はそんなこと気にしないというか、あるがまなに受け入れる。
いかにも川原さんらしいキャラクターです。

1300年前、安雲羽鳥を死なせた罪を背負って、彼の子孫を見続ける超飛竜。
泣かせるね。
千人となったのかと思えば、志姫の元に戻ってくる。
うん、うん、泣かせる。
笑いがあって、ワクワクさせて、ホロリとさせて、暖かい気分にさせてくれる川原わーるど。
志姫、巧、超飛竜の、これからも不思議な3人の生活が続くだろうな。
おっと、あらすじに「3人の奇妙な関係」と書きましたが、川原さんは恋愛には淡泊なので安心して読めます^^

えーと、一言。
巧さん、女装は恥ずかしいことではないですよ。
似合っているからOKだし、趣味は人それぞれですよん。
だけど、掲載当時は非難されていたかもしれない。
趣味ではなくストレスの症状であって、それが解消された今・・もう見れないのは残念です。

同時掲載された「殿様は空の上に住んでいる」
こちらは川原流時代劇。
いつも川原さんの博学には脱帽だけど、本書もすごい。
殿様の一日や江戸当時の背景を詳しく描いた人はいない。
殿様の奥方が江戸を出るのは違法だ。それをばれなきゃいいと、やってしまうのん気さ。
笑ってしまふ。
最後は悪を倒して、一見落着。
話としても面白かったし、江戸時代の雑学の本としてもGood!です。

コメットさんにも華がある  ★★★★☆

(2014年9月30日読了)

コメットさんにも華がある (ジェッツコミックス)コメットさんにも華がある (ジェッツコミックス)
(2011/06/28)
川原泉

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(STORY)
県下、全国でも指折りの進学校、彰英高校の3年E組、彰良航。学業がたら、俳優業もこなしていたが、今一歩伸び悩んでいた。そんなある日、席替えで、ゾンビ大好きの無愛想な性格の女の子の隣になった。

(REVIEW)
川原さんの「~である」の第二弾。
舞台も同じ彰英高校で、登場人物はそこの学生たち。
さあ、またも一風変わった恋が生まれるか?

男性群は生徒会長、科学者、王子様、イケメン俳優。
前巻よりは大物揃い。
ゲットする前に挫折するのは確か。
でも、それをいとも簡単にゲットできるのが川原流なのです。
男装した女の子、霊視能力のある女の子、貧乏な女の子、ゾンビ大好き女の子は、
大物男性をゲットしようと、肩肘をはっているわけではない。
のんびりとマイペースで、相手を包み込み、
いつの間にかなくてはならない存在になっていくのです。

「その理屈には理由がある」
最後まで心配していましたよ。生徒会長、自分がホモではないことがわかってホッとしたのね、よかった、よかった。
「その科白には嘘がある」
そうです、悪い奴には天罰が下るもの。スカーーーとしたよ、霊たちよ、ありがとーーー
「グレシャムには罠がある」
どっちが部下だかわからないね。ふたりのコンビは永遠に続きそうだ。
「コメットさんにも華がある」
映画「ZOMBIE BLUE」が観たい。真島さんんは航くんにとって名マネージャーです。

是非、第三弾が刊行されたら、また読みたいです。

レナード現象には理由がある ★★★★☆

(2014月9月30日読了)

レナード現象には理由がある (ジェッツコミックス)レナード現象には理由がある (ジェッツコミックス)
(2006/06/29)
川原 泉

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(STORY)
私立彰英高校は県下でも、全国でも指折りの進学校。
その学園内で一風変わった恋が生まれる。
3年E組の蕨よもきは2学期のになっても落ちこぼれ。その彼女には隠された秘密があった。(「レナード現象には理由がある」)など4話収録。


(REVIEW)
正直、最初、ページを開いた時、絵が変わったと思いましたね。
でも、ほのぼのとした川原流マンガは健在。
実際に起こりそうで起こらなそうな不思議な話。でも、川原さんの手にかかればほら・・本当にあるかもしらないのです。

舞台は、全国指折りの進学校とはいえど、どこにでもありそうなのんびりとした高校。
カリカリとしたヤツはひとりもいないじゃないかよ。本当に進学校かよ!?と、うっこみたくなるけど、そこがいいのです。
だから、いじめはないし、ドロドロとした話になることはありません。
その生徒たち、みんな一風変わったヤツラばかり。
はい、恋模様も変わっているのです。

男性群は学年一秀才、小説家、柔道男、ナンパ男と一目を置く存在の彼らが不思議な世界に迷い込む。
そう彼らには理解不可能な世界を導いてくれるのが、
ハンドパワーを持つ癒しガール、超楽天的ガール、天使の羽をもつガール、いつも冷静なガールたち。
男性群たちの恋と成長させてくれるラッキーガールでもあるのです。

川原さんのラブストーリーは男女の発展はなくとも、いつの間にかなくてはならない存在になっている。
だから、ベストカップルだなと、読む側もほのぼのさせてくれます。

もし、二人の関係が倦怠期の時、川原さんのラブストーリーを一読あれ。

メイプル戦記  ★★★★★

(2014年8月30日読了)

メイプル戦記 (第1巻) (白泉社文庫)メイプル戦記 (第1巻) (白泉社文庫)
(1999/06)
川原 泉

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(STORY)
日本のプロ野球界に女子プロチーム「スイート・メイプルス」が誕生した。
監督は、甲子園準優勝に導いた元豆の木高校監督、広岡真理子。
元甲子園優勝投手のオカマ選手、プロ野球の元夫を持つ選手、
お嬢様学校出の選手、4子の選手たちなど
個性的な選手がそろうメイプルズはオープン戦を経て、ペナントレースの突入した。
メイプルス旋風を巻き起こすことができるのか?


(REVIEW)
所詮、小説もマンガもドラマも映画も想像の世界です。
夢があってもいいじゃない!
ありもしないことがあってもいいじゃない。
これが想像の世界だと思うのです。

女たちの・・個性的な選手ばかりで、しかも監督がプロ経験なしでおい・・いきなりペナントレースかよ!とつっこみたくなるけど、でもこのチームたちがやってのけるのです。
毎回、川原さんの独創性と博学ぶりには舌を巻くけど、今回も脱帽!
女子プロ野球をいう設定は真新しいことではないですが、スポ根はつきもの。
前作の「甲子園の空に笑え!」と同じで、のんびりとした設定であるため、まったくと言っていいほどスポ根とは縁がありません(爆~)。

男性だけ世界に女性が暴れまわり、あれよあれよと勝ち進んでいく。
最大の見せ場はペナントレースの優勝。
男性の世界と思っていたプロ野球に女性チームが活躍し、優勝する。
弱いチームが強いチームに勝つ。
つまり、不可能だと思うことをやってのけるほどすがすがしいものないのです。
もうひとつの魅力は個性的なキャラたち。
オカマの瑠璃子ちゃんの一途な恋はせつなくて、胸がキュンとさせらます。
プロ野球初の夫婦対決か?横暴な夫に喝!を入れる仁科選手。
仁科夫婦の今後はどうなるのか?とヤキモキさせらます、
が、一番気になるのは広岡監督と高柳さん。
このふたり、いいコンビなんだけど、恋愛には発展しない微妙さ。
だから、あっさりと読めるかもしれません。

のんびりでありながらも、読み飽きさせないテンポのいい川原ワールド。
川原先生は天才です。

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