ラムの映画&本ライフ

ラムの趣味である映画と本のレビューです。★5で満点、10通りに評価しています。
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ブルーもしくはブルー ★★★★☆

(2013年2月23日再読)

ブルーもしくはブルー (角川文庫)ブルーもしくはブルー (角川文庫)
(1996/05)
山本 文緒

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(Story)
結婚6年目の蒼子は、夫とはうまくいかず、年下の恋人と旅行中、その帰り、台風接近のため、降りることを余儀なくされた福岡で、自分とそっくりな人間と出くわした。名前も同じければ、過去の記録も同じ。違うのは、かつて恋日地だった人と結婚して福岡で過ごしていること。
蒼子は彼女と一か月間入れ替わることを提案した。

(Review)
もし、あの時、選択を間違ってなければ。
今とは違う生活を送っていたのだろうか。

もし、あの時・・もし、あの時・・・
このように思うことは私も度々あります。
その心理をうまく突いたのが本作の「ブルーもしくはブルー」です。

ある時、自分とそっくりの人と出くわしてしまった。
名前も過去の記録もまったく同じ。
違うのは今現在置かれている立場。
かたや、広告代理店勤務の夫と結婚したものの、夫婦は破綻寸前。
かたや、かつても恋人と結婚して、手堅い幸せと手に入れている。
分身かと思えるもうひとりの自分が羨ましい。
入れ替わったものの、一見幸せそうでも、そうではなかったことに気づく。

ドッベルゲンガーの話といえば、ホラーをイメージしますが、
山本文緒流ドッベルゲンガーは、人間の心理を鋭くついてます。
日本の、いや世界のどこかに自分を同じ人がいるかもしれない。
名前と過去の記録は同じでも、性格や状況がまったく違う自分が。
なりたかった自分がいるかもしれない。

でも、人間は楽な場所はない。
一見幸せでも、蓋を開けてみなければわからない。
人間なんて、みんな一緒だよと、山本さんのクールさと毒がたまりません。


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ルパン、最後の恋  ★★★

ルパン、最後の恋 〔ハヤカワ・ミステリ1863〕 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)ルパン、最後の恋 〔ハヤカワ・ミステリ1863〕 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
(2012/09/07)
モーリス・ルブラン

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(Story)
レルヌ大公が自殺をした。娘コラへの遺書には「4人の友人の中にアルセーヌ・ルパンがいる。彼を信頼し、頼りにするように」と記されていた。やがて、コラはレルヌ大公の娘ではなく、高貴の血をひく娘であることを知る。そして、国際的な陰謀に巻き込まれていく。


(Review)
作者ルブランが生前に執筆し、没後70年にして封印された幻の遺作。
ルパンといえば、3世もそうですが、アルセーヌにもワクワクドキドキ感がたまらないのです。

さて、ルパンの行くところ美女あり。
今回も、美女を守るルパンはどこにまぎれているのか?
4人のうちの一体誰?
ヒロインとの恋は結ばれるのか?
冒頭のご先祖様のエピソードは一体?
どう話が繋がるのか?ルパンの活躍はいかに?
ミステリアスに展開するストーリーは、テンポがよく、またしてもルパンの魅力を感じずにはいられません。
あーー、また私の心(ハート)を奪われましたわ~。

ルパン=アンドレをわかった後は、その先は明智小五郎と少年探偵団」か?と思えるような展開で、これもまた楽しいです。
ルパン、貧しい子たちの教師としていたとはね。その教え子、もとい養子が頼りになるから頼もしい。
のちのアルセーヌ・ルパンの跡継ぎでしょうか^^

ラストはヒロインとハッピーエンド。
最後の恋とあったから、悲恋になるのでは?と心配したけど、それもなさそうで。
つまり、ルパンにとっては、最後の年貢の納め時だったですね。めでたし、めでたし。
まだ40歳?いや48歳のルパン、若くて美しいコラと末永くお幸せに。

面白かったけど、数年前に読んだ「カリオストロ夫人」「怪盗紳士ルパン」に比べると、読了した後の余韻がない。
おーーといかん、いかん。もう一度、↑の2作を再読しなければ。
まっててね、ルパン様~^^

夢をかなえるゾウ 2 ガネーシャと貧乏神 ★★★★★

夢をかなえるゾウ2 ガネーシャと貧乏神夢をかなえるゾウ2 ガネーシャと貧乏神
(2012/12/12)
水野敬也

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(Story)
サラリーマンを辞め、好きなお笑い芸人の道に入って8年。夢をかなえようと続けてきたが、自分に才能がないことや金銭の面で止めようと決意した時、奇妙な神様が降臨した。


(Review)
200万部突破の第ベストセラー「夢をかなえるゾウ」第二弾。
史上最悪、もとい最高の神様、ガネーシャが帰っていた。

まってました、ガネーシャ!
また私たちに幸せと笑いとふりまいておくれ!
と期待したとおり、ガネーシャ!
前回以上にパワーアップし、笑と感動と幸せを運んでくれました。

夢を追い求めたい、でも生きていくうえでは避けて通れないお金の問題がある。
お金をとるなら、夢をあきらめなくてはならない。
夢をとるなら、ついてまわるお金の問題。
それをガネーシャは解答を示してくれます・・・のはずが、どんどん悪い方向になっていくから面白い。

新キャラとして、貧乏神が登場。
相棒には死神?
くくっ~笑ってしまふ。というか、「憑神」(浅田次郎)や「死神の精度」(伊坂幸太郎)と同じく、おどおどしたイメージを覆してくれました^^

さあ、どうする勘太郎くん。
お笑いの道を進むことはできるか?貧乏神との恋に成熟することができるか?

今回は前回と違って小説形式であるため、賛否両論にわかれているようですが、
私としては賛の方。
前回と同く、人の心理をようついている。
共感できるだけ、主人公に感情移入できる。
それをガネーシャ流に解決してくれるから。

今回も名言あり
「図書館に行く」
「人の意見を聞く」
「締切をつくる」
「辛い状況を笑い話にして人に話す」
「優先順位をきめる」
「やりたいことをやる」


ガネーシャが育てた偉人たち(本当かな?)も普通の人で、
人はみな同じ、それぞれ変わりはない。
それを夢を追い求めるか求めないか、
努力を続けるか続けないか、才能を見つけるか見つけないか
チャンスをみつけるか見つけないか?
といえど、一番重要なのは、ガネーシャに出会えるか出会えないかだけど^^

本作を通じてまたもガネーシャと出会えたこと嬉しく思います。
元気パワー、幸せパワーをありがと、ガネーシャ、お釈迦さま。

また降臨してね。今度は私でもいいよ(これは無理か)

噂の女 ★★★★

(2013年1月読了)

噂の女噂の女
(2012/11/30)
奥田 英朗

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(Story)
「美幸って、知っている?」
町で評判のいい女。
数々の男たちを手玉に取り、キナ臭い話は数知れず、夜な夜な語られる黒い噂。
彼女って一体何者?


(Review)
待ってました、奥田さん。
今回のテーマはいわくがありそうな女性。
手玉をとった男性は数知れず、泣かせた男は数知れず。
殺人の容疑者も彼女?噂の艶っぽいいい女「美幸」という女は何者か?
彼女を主人公ではなく、彼女のかかわった人々が描くことにより、噂の女「美幸」の人物像も少しずつ浮かび上がらせるという手法です。
いわゆる「奥田さんが描く魔性の女」は、軽快で、悲哀がある描き方は奥田さんらしい。
張りつめたところまで話をもっていって、爆発しても後味の悪さはなく、余韻を残すところは奥田ワールド健在です。
魅惑的な女性「美幸」のキャラ像もそうですが、かかわつた人たちのキャラ像もイキイキしていて、感情移入しやすいです。なんで、彼女に惹かれてしまうのかというのも、職場に似たような人がいるせいか想像しやすい。

かかわった人々から見た人物像、「魔性の女」描く手法で思い出すのは東野氏の「白夜行」
ある事件にかかわった主人公をまわりの人々から見た手法で描き、事件の真相も浮かび上がらせるミステリアスなストーリーはゾクゾクとさせられました。
描く人によって、それぞれの世界があり、特徴もあって面白いですが、私的、東野さんの方が印象が強いため、☆は4つ。(ごめんね、奥田さん)

奥田さん、次の作品に期待します。

Shortさんからお借りしました。ありがとうございました。

夜行観覧車 ★★★★☆

(2013年2月21日読了)

夜行観覧車 (双葉文庫)夜行観覧車 (双葉文庫)
(2013/01/04)
湊 かなえ

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(Story)
高級住宅地に起きた殺人事件。夫が被害者で、妻が加害者ー誰もが羨むエリート一家に何が起きたのか?向かいの家から、遺された子供たちから、近所からの視点から事件の真相を明らかにしていく。


(Review)
あらすじを読んだら、湊さんお得意のミステリーかと思いきや、家族、近所を描いた人間ドラマです。
殺人事件の加害者は妻とはいえど、行方不明の息子が本当は犯人?と思った私は、前半のミステリーな部分はたまりませんでした。
でも、それ以上に面白いのが人間模様。
きめ細やかなキャラたちの心理描写に、またも湊さんマジックにかかったようにグイグイと引き込まれました。


「坂道病」の言葉に心が響きました。
普通の感覚を持った人が、おかしなところで無理して過ごしていると、だんだん足元が傾いていく。踏んばらなきゃと頑張るほど転がり落ちてしまう。


殺人事件が起きたエリート一家高橋家も、娘が癇癪を起し、夫は知らんぷりをしている遠藤家も、世話好きな児島家も、みんなあてはまります。
もがけばもがくほど、好転せず、坂道のように転がるだけ。
思えば、自分にもあるのではないか。いや、思い当たることもある。
そして周りにもと思うと、他人事はなく、身近にあるだけホラーよりは怖いです。


人間には善と悪があるように、善人と思える人が腹黒かったり、印象の悪い子が案外いい子だったり・・
湊さん、人間の奥底に潜む心理を描くのが上手い人です。

パイナップルの彼方 ★★★★☆

(2013年2月22日再読)

パイナップルの彼方 (角川文庫)パイナップルの彼方 (角川文庫)
(1995/12)
山本 文緒

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(Story)
鈴木深文(みふみ)都内の信用金庫で働く普通のOL。ひとり暮らしをし、気難しい上司ともうまく付き合い、恋人の天堂ともうまくいっていた。仲のいい友達のなつ美は結婚し、月子は会社をやめ、ハワイに留学、職場では新人の日比野が入り、天堂は金沢に転勤..。何が静かに波を立ちはじめて、崩れていこうとしていた時、想いはは月子のいるハワイと飛ぶ..。


(Review)
現実から逃げ出したい、逃避したい気持ちた高まる時、山本文緒さんの著書を読みたくなります。
本棚の中に眠っていた山本さんの本作、久しぶりに読みましたが、新鮮さがありました。

”何事も起こらないように。
気難しい上司には逆らわず、適当に合わせて、感情を出さないようにする。そうすれば、手堅い給料をもらって、恋人とは楽しい日々を過ごせばいい”
この気持ちわかります。私もそういう部分があります。そうでないと、世間を渡っていけない気がして。

”タンタンと過ぎていく日々を自分は臨んだのに、その歯車が崩れていく
抜け出したいのに、抜け出せない現実。
そして、自分に潜んでいた心の病気にも気づかず、ある時、爆発がしてしまった”
自分ではうまくやってきたつもりでも、自分に矛先がむけられるのはなぜ?
居場所がなければ逃げ出せばいい、でも逃げられない。
ならば、どうすれば...でも、しだいにストレスが身体をむしばんで行く過程は、自分がまるで主人公になったかのように目が離せませんでした。


登場しているキャラも身近にいそうな人ばかりで、話も一見どこにでもありそうな、現実にありそうだから、余計怖い。いやホラーよりも怖いといっていいかもしれません。
今読んでも、山本マジックにかかってしまいました。
やっぱ山本さん、好きだな。

ジェーン・エア  ★★★

(2013年2月10日、鑑賞)

ジェーン・エア [DVD]ジェーン・エア [DVD]
(2012/12/04)
ミア・ワシコウスカ、マイケル・ファスベンダー 他

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(2011年、英=米映画)
監督 キャリー・ジョージ・フクナガ
出演 ミア・ワシコウスカ、マイケル・フェスベンダー、ジュディ・デンチ

(Story)
孤児のジェーン・エア(ミア・ワシコウスカ)は、孤児院で辛い少女時代を過ごした後、住み込みの家庭教師をしてソーンフィールド邸で働きはじめる。屋敷の主人ロチャスター(マイケル・フェスベンダー)に惹かれるが、彼には秘密があった。


(Review)
これまで幾度となく映像化されたシャーロット・ブロンデの不朽の名作の映画化。
実は原作は未読ですが、昔、映像化を観ていたので、話は頭に入ってます。

孤児院でいじめられ、辛い少女時代を乗り越え、自ら人生を切り開いた女性ジェーン・エアの人生はドラマチックで、心に響くものがあります。一番、印象に残るのは孤児院の時代でしょうか。
しかし、本作は大人の話、それも訳ありの家出のシーンからいきなり入っているので、少女時代は少ししか描かれてなく、ロチェスターに惹かれていく描写もわかりにくかったです。

そのせいか、前半は退屈で、家政婦長を演じているジュディ・デンチだけが救いでした。
後半、ロチェスターに奥さんがいて、ジェーンとの結婚が無効になってからは見応えありました。

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アウトロー  ★★★

(2013年2月5日、劇場鑑賞)
auto.jpg

(2013年、米映画)
監督 クリストファー・マッカリー
出演 トム・クルーズ
   
(Story)
ピッツバーク近郊で5人が殺害され、容疑者ジェームス・バーが逮捕された。証拠が揃い、自白を強要されたバーは、「ジャック・リーチャー」を呼べと紙に書いて要求した。そのバーは護送中に囚人たちを襲われ、意識不明の重体となる。
警察がリーチャーの身元を掴めない中、突然リーチャーが現れる。かつて軍の機密捜査をしていた彼は事件の真相を追及していく。


(Review)
冒頭の白昼の狙撃。事件の真相と突き止めようとする捜査官たち、トムさんが演じるジャックも然り。
たまらない緊張、サスペンスのような展開がたまらない。
話が進むにつれて、しだいに緊張感が増してきて、思わず身を乗り出したほど。
イーサン・ハントとは違う一匹オオカミを演じるトムさん、Goodです。

でもね、その緊張も途中まで。後半はアクションに次ぐアクションで、トムさん節が炸裂でしたが、
前半のような緊張がふっとんでしまいました。

トムさん、あなたはやはりヒーローを演じたかったのね。それもスターロンのような。
スターロンは彼なりの世界を描いていたけど、今回は何もなし。
というか、ドラマがありません。アウトロー(流れ者)ゆえの悲哀とか欲しかったかな。
ハードボイルドものとしても、いまいちだな、私としては^^;

もし、トムさんが演じるジャック・リーチャーがシリーズになったら観に行きますよ。
イーサン・ハントは4作目にして、見応えを感じたから、きっと本作もそうかなと^^

だから、トムさんがんばってね。トムさんのワールドを作り続けてください。

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