ラムの映画&本ライフ

ラムの趣味である映画と本のレビューです。★5で満点、10通りに評価しています。
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The Lady アウンサンスーチー 引き裂かれた愛 ★★★★☆

(2013年5月27日、DVD鑑賞)

The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛 [DVD]The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛 [DVD]
(2013/04/05)
ミシェル・ヨー、デヴィッド・シューリス 他

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(2011年、仏=英)
監督 リュック・ベッソン
出演 ミシュル・ヨー、デヴィット・シューリス

(Story)
1988年、イギリスで暮らしていたアウンサンスーチー(ミシュル・ヨー)は、母の看病のために故郷ビルマに帰国した。そこで軍事政権に牛耳られている国の現状を目のあたりにし、建国の父の娘として立ち上がる決意をした。それは同時にイギリスにいる家族と離れて暮らすことになる。


(Review)
アウンサンスーチー。
ビルマの民主運動のリーダーであり、非暴力による民主化と人権回復を目指した女性。
1991年にその功績が認められ、ノーベル平和賞を受賞。
長年、自宅軟禁を強いられながらも、その意思を曲げようとはしない女性であることは知っていましたが、彼女の私生活のことは本作で初めて知りました。

まず、彼女にはイギリス人の夫、そして息子たちがいたこと。彼女の夫がガンで亡くなっていたこと。
祖国ビルマを離れると二度と入国できないため、夫を看取ることができなかったこと。
つまり、彼女はビルマ国民のため、家族を犠牲にせざる得なかったです。

彼女の夫マイケルは、理解のある人で、遠くイギリスに離れていても、彼女の支えとなり手助けをしました。
スーチー&マイケル夫婦を見ていると、「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」を思い出します。
マーガレットの夫も妻を陰ながら彼女を支え続けた夫、なんて素晴らしいことでしょう。

スーチーも最初は故郷にいる母の看病のためにビルマに入国したにすぎません。
まさか自分が国のために、人民のために演説しようとは夢にも思わなかったでしょう。
国の現実を目のあたりにしたが、まさか建国の娘として担ぎ込まれ、ビルマの希望の星となって、人々を動かすとは思いもよらなかったことでしょう。

さあ、動き出したら、後には引くことはできません。
すぐには解決はできないとは思っても、自由を勝ち取っていつかは家族の元に帰る希望はあったはず。
彼女はビルマの希望の星である前に、家族を愛する妻であり、母なのだから。
しかし、思わぬ方向に事が運び、政府から圧力をかけられ、自宅軟禁されてしまう。
政府は何度もイギリスに帰国することを勧めるが彼女は首を縦には振らない。
もし離れたら最後、二度と入国することが出来ないことをわかっているから。
今までの苦労がすべて終わってしまうから。

そのことを夫マイケルは理解しているため、自分に死期が迫っても帰ってこいをは言わない。
もし、帰国しても誰も咎める者はいないでしょう。
でも、スーチーもマイケルも耐えた。そのせつなさが胸に沁みる想いがしました。

犠牲にした分、いつか報われる日がくることを祈られずにはいられません。

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Category :

無理 ★★★

(2012年6月読了)   
      

無理 上 (文春文庫)無理 上 (文春文庫)
(2012/06/08)
奥田 英朗

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無理 下 (文春文庫)無理 下 (文春文庫)
(2012/06/08)
奥田 英朗

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STORY)
合併で生まれた地方都市、ゆめのを舞台に、どんづまりの社会が、5人の男女の人生を、ひょんなことから交差し、思いもよらぬ事態をひきおこす。



(REVIEW)
奥田さんの文章はひきつかれれるものがあります。
キャラにめりはりがあって、心情が丁寧に描かれてあって、リアルで、それでいてテンポがいい展開は、サクサクと読めます。今回も、最後はどうなる、どうなると一気読みをしました。
何気ない日常から、ひょんなことから話が盛り上がり、テンションが高まり、クライマックスに持ち込む。そして、ラスト..いつ読んでも、奥田さんの構成はいつも上手い。今回も5人の男女を交差しながら、テンションを高めて、ひとつの話に繋がっていくという展開は見事です

もうひとつ、奥田さんの上手いなと思うところは、ダークな話でも温かみを感じること。余韻が残ること。
今回はそれがあったかといえば、ない。何にも残らなかったのです。
ただ読んで、はい、面白かったで終わったような。
そもそも、終盤の事故から、また話が続きそうな、すっきりしない終わり方に一因あります。

タイトルの「無理」そもそも、5人を主人公にあてたのが無理だったのでは?
もう少し絞った方が、よかったのでは?
まさか、これが本当のタイトルではないでだろうなと、つっこみを入れてしまいました^^

毒笑小説  ★★★★

(2012年7月読了)

毒笑小説 (集英社文庫)毒笑小説 (集英社文庫)
(1999/02/19)
東野 圭吾

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(STOY)
塾にお稽古、家庭教師と何かと忙しい孫。ゆっくり会いたいという願いを仲間の爺さんたちがある妙案を思いついた(誘拐天国)。南太平洋の小島で、新生物が発見された。「エンジェル」と名付けられた生物は瞬く間に人気者となった(エンジェル)などを含む、東野氏が送る毒の傑作、1ダース(12作)送ります。



(REVIEW)
東野氏の「笑」シリーズの中で、唯一未読の「毒笑小説」を読破。
毒が散りばめている話、全12作。
タイトルの毒がたまらない!もう笑える!
老若男女、様々な人間の心情を描いた東野さん、あなたは何者ですか?(笑)

どの作品も短東野さんらしく二転三転しているので、ラストまで一気読みしました。
「誘拐天国」では勉強、お稽古尽くめの子供たちの現状、「マニュアル警察」では現状の警察のあり方、花婿人形」ではマザコンなど、どの作品にも社会風刺を感じました。
これが、毒、毒なんですよね(笑)。
上手い、東野さん。これからもユニークな作品を期待します。

デスパレートな妻たち シーズン7 ★★★★☆

(2013年4~5月、DVD鑑賞)

デスパレートな妻たち シーズン7 COMPLETE BOX [DVD]デスパレートな妻たち シーズン7 COMPLETE BOX [DVD]
(2013/02/20)
テリー・ハッチャー、マーシア・クロス 他

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(2010年、米国)

(出演)
ガブリエル(エヴァ・ロンゴリア)
ブリー(マーシア・クロス)
リネット(フェリシティ・ハフマン)
スーザン(テリー・ハッチャー)

(Story)
ウィステリア通りに殺人で服役中のポール・ヤングが帰ってきた。彼の目的は一体何か?
5人目の子供の世話に追われるリネットの元に、学友のレネがやってきた。大リーガーの妻で、セレブの彼女は離婚して、リネットを頼ってきたのだった。どうも、レネと夫トムとの間に過去に何かあったようで・・。
ガブリエルの娘ホワニータは、出産の時、取り違えたという事が発覚した。ガブリエルは血を分けた実の娘に想いが募り・・
夫と離婚したブリーは、若くイケメンのキースと恋に落ちる。長年隠してきた我が家の秘密をガブリエル打ち明ける決意をした。
夫マイクの大借金のため、家を人に貸出し、安アパートに引っ越したスーザン。一日でも早く家を取り戻すため、危ないアルバイトに手を出した。


(Review)
待ってました。デスパ妻シーズン7.
長年シリーズ化していくと、飽きてくるドラマが多い中で、デスパ妻だけはパワーアップ。
イーディ、キャサリンの次の5人目のメンバーは、アグリー・ベティのウィルミナではありませんか。
セレブな生活は相変わらずのようで。台風の目になることを期待しましょ^^
もう一人、台風の目になりそうなのが、シリーズ1の冒頭で自殺したメアリーの夫で、殺人犯で服役中のポール・ヤング。彼がウィステリア通りに戻ってきたことは、何か目的がありそうで。もしかしたら復讐?
今回も目玉がもりたくさんでした。

(スーザン)
夫の借金で、長年住んでいたウィステリア通りを出て、貧乏暮らしをしようとは・・一日でも早く、家を取り戻したいために、危ないアルバイトに手を出し、それがポールにばれて、職を追われることになり・・夫は大金稼ぎのためにアラスカに行き、あなたはリネットの子供のベビーシッター。あーあ、辛いね・・と思ったら、今度は腎臓を損傷し、透析しながら、移植待ち。自殺したポールの妻べスの臓器提供により、移植して回復したと思ったら、今度はポール毒殺未遂の疑いをかけられ・・今回、何度崖っぷちに立たされたことでしょう。でも、夫マイクとの絆は確かなようで、ラストは家にも戻れたし、愛息MJと一緒に、これからもお幸せに。

(ブリー)
夫オーソンとの離婚後、まあ年下のイケメンの彼を見つけて、お幸せなこと。
10年前、秘密にしてきた息子アンドリューが、ガブリエルの義母をひき逃げしたことをガブリエルに打ち明けて、でも、ガブリエルの夫カルロスには秘密に・・と思ったら、知られたとたん、絶縁宣言され・・でも、ガブリエルとの友情は強い?ようで安心しました。
恋人と別れ、さて、次なる恋人を見つけたブリー。今後の行方はどうなることやら・・

(リネット)
5人目が生まれて、幸せいっぱいの家庭に、突如、学友のレネが現れたことで、今までの平穏な暮らしが打ち破られ・・ウィルミナはね、アグリー・ベティの時もトラブルメーカーだったんだから、気をつけなさい。と思ったら、一見、高飛車でも案外寂しがり屋で思いやるのある、愛すべきキャラだったようで。
そのレネとトムと過去に何かがあったようで..かしこいリネットは無事に収め、トムも転職し、一気にお金持ちに。我が家の春!と思っていた時、忍び寄る夫婦の亀裂・・うーーん、本当に別れるのでしょうか。

(ガブリエル)
ホワニータが実の子ではない?出産の時、病院で取り違えたことが8年後の今になって判明するとは・・夫カルロスの胸にだけしまっておくつもりが、ホワニータが事故に巻き込まれて、運び込まれた病院で血液検査でガブリエルもわかって・・あわや、と思いきや、自分が浮気した相手の子と思い込んだのはあなたらしい(笑)。血の分けた我が子に会いたくて、会ったら最後。愛おしくなって。でも別れは突然やってきて。その原因があなたというのも笑える(本当は笑ってはいけないけど)
ひと騒動が終わり、平穏な生活が戻ったかと思ったら、今度は継父がやってきて・・ガブリエルに隠された壮絶な過去・・唖然としました。



ラストはガブリエルの夫カルロスが、ガブリエルの継父アレハンドロを殺害。
子供の頃、継父に乱暴されたガブリエル。突如現れ、恐怖感を帯びた彼女は、一度、追い返すも、また現れ、襲われる寸前の時、夫が助けてくれて。でも、継父は打ちどころが悪く死亡し。
ピストルも何も持ってなかったことから、丸裸の男を殺害したことは、カルロスは刑務所行き。
そうはさせじと、助けになったのはリネット、ブリー、スーザン。このことは隠ぺいすることに。

あいかわらず4人の友情も素晴らしいけど、ブリーとカルロスの絆が再び戻ってくれたことが嬉しい。

今回のヒールはポールとばかり思ったけど、後半は可愛そうな人しか思えなくて・・
、最後の最後で、ウィステリア通りを脅かすヒールがやってくるとは思ってもみませんでした。

このガブリエルの継父って、ベディのパパ。
これって、アグリーベティのメンバー再び?なんか笑えました。

ヘルタースケルター ★★★★

(2013年5月19日、DVD鑑賞)

ヘルタースケルター スペシャル・エディション(2枚組) [DVD]ヘルタースケルター スペシャル・エディション(2枚組) [DVD]
(2012/12/21)
沢尻エリカ、大森南朋 他

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(2012年、日)
監督 蜷川実花 
出演 沢尻エリカ、大森南朋 寺島しのぶ

(Story)
トップモデルとして芸能界を君臨する’りりこ(沢尻エリカ)’は、人並み外れた美貌の持ち主だが、実は全身整形をいう秘密があった。整形による後遺症、仕事によるストレスが、りりこを次第に追い詰め、それが社会を巻き込む事件に発展していく。


(Review)
岡崎京子の同名コミックを実写化。監督は写真家の蜷川実花。
まず目を惹いたのは、写真家蜷川さんらしい映像。
美をテーマにした作品らしく、美とファンタジーと怪しい世界を表現していました。
映像を観るだけでも、映画代の価値はあります。
ワンシーンが私の好きな世界だからです。

主演の沢尻さんも悪くない。というか、役柄にぴったりです。
彼女なくしてはこの作品は成り経たないくらい、まさにはまり役。なのに悲しいかな・・世間は酷評ですTT
演技力はともかくとして、彼女にはオーラとパワーがあります。それだけスター性があります。

トップスターの栄光と挫折、次第に追い詰められていく。
女性なら誰しもが追い求める美。美への執着が強ければ強いほど、自分自身もが追いつめられていきます。


「どうして神様はまず私たちに若さと美しさを与え、次第に奪っていくのでしょう」


まったくその通り。本当に神様は意地悪です。
人間、不老不死でありたいと思いつつも、もし手に入れるものかならその代償があります。

”綺麗になりたい。もっともっと綺麗になりたい。
綺麗を維持したい。そう思えは思うほど、深みにはまっていく。
誰もが加齢があるから、若さや美貌を維持することはできない”

私もいつまでも若くありたい、綺麗でありたいと、美貌に執着する人間なので、彼女たちに感情移入してしまいました。

原作は未読なので、いつか読んでみたいです。

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ラストスタンド ★★★☆

(2013年5月14日、劇場鑑賞)

ポスタ- アクリルフォトスタンド入り A4 パターンA ラストスタンド 光沢プリントポスタ- アクリルフォトスタンド入り A4 パターンA ラストスタンド 光沢プリント
()
写真フォトスタンド APOLLO

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(2013年、米映画)
監督 キム・ジウン
出演 アーノルド・シュワルツェネッガー、エドゥアルド・ノリエガ、ロドリコ。サントロ


(STORY)
元ロス市警の敏腕刑事レイ・オーウェンズ(アーノルド・シュワルツェネッガー)は、功績を上げたが、同時に仲間たちを失い、第一線を退いた。国境近くの静かな街の保安官となり、静かな生活を送っていたが、ある日、殺人事件が起きる。それと同時にロスでは凶悪犯・麻薬王コルテス(エドゥアルド・ノリエガ)が脱走し、最新の車に乗り、時速400キロのスピードで国境に向かっていた。


(Review)
アーノルド・シュワルツェネッガーのこと、シュワちゃん、10年ぶりの主演復帰作。
「おかえり!シュワちゃん」
その前に「エクスペンダブルズ」シリーズで、活躍をしかと焼き付けましたけど。
そのシュワちゃんらしく、元敏腕刑事が事件をきっかけに正義の血が目覚め、武器もなく、応援もなく、民家人を含め、5人で立ち向かう。おっ、正義の味方!HEROの王道だね~と言いたくなるような、ストーリーはいたってシンプル。その分、つっこみはあるけど、それは置いといて^^
シュワちゃん、若いものに負けじと頑張る姿に惚れ惚れしましたわ~。
そういえば、親友スターロンも「オレ様はHERO」として頑張ってますな。
これからもがんばってください。

さて、それはさておき、実は本作を観に行こうと決意したのは友人サイトの記事がきっかけ。
私が昔、愛したイケメンたちが出演していると知ったので。
エドゥアルドは、アメナーバル監督の「テシス」「オープン・ユア・アイズ」に出演したセクシー男だし、ロドリコ。サントロは「300」「ラブアクチェリー」で出演した眼力が魅力のいい男。
おふたりに再会できるとはシュワちゃんのおかげ、ありがとーーーーー!!!!
もうメロメロ~、シュワちゃんに悪いけど、事件が解決しようとしまいと、二人が死んじゃイヤだ~!!!
もし、殺したら、シュワちゃん恨むからね。
コルテスはね、逮捕だけにしなさい!殺しちゃだめよ~と、それだけを祈っていたのは私だけでしょうか。
見方がヘンなやつでごめんなさいm(__)m

私が書いている話のキャラにキュワちゃんがいるけど、彼に怒られそうだわ(爆~)

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ウィーンの密使   ★★★☆

(2013年5月8日再読)

ウィーンの密使―フランス革命秘話 (講談社文庫)ウィーンの密使―フランス革命秘話 (講談社文庫)
(1999/05)
藤本 ひとみ

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(Story)
民衆が暴動化するフランス。オーストリアは、その原因が、フランスに嫁いだオーストリア皇女であることだけは避けなくてはならないと、アントワネットの幼馴染である青年士官ルーカスがフランスに赴く。彼はアントワネットを説得することができるか?


(Review)
昔、一度だけ読んだきりですが、話の内容はわかっていました。読まなくても、本のタイトルとあらすじを読めば想像できるもの。史実は塗り替えることはできないのだから。
たとえ結末がわかろうとも、昔読んだ時は、ワクワクドキドキ感があって、主人公に胸がときめいていました。藤本女史の描く男性キャラは想像するだけで胸が熱くなるわ~と、目がとろんと恋してしまうみたいな。少女マンガ・・もとい昔の韓流ドラマみたいなトキメキがあの頃にはありました。

さて、今、それがあるかというとない(きっぱり)
そればかりは、途中からキャラたちの愚かさに頭をかかえてしまいましたわ。
愚かなキャラは嫌いではないけど、限度というものがあり、本作はだれもかしもがみんな愚か。
まずはルイ16世&アントワネット夫妻。もし、絶対王政の世なら悲劇的な目に遭うことはなったでしょう。ふたりは王家としてのプライドがなかったわけではない。むしろあったばかりに、世の中の変革についていけなかったと思うから。大好きな民衆は裏切らない!?王妃としての誇りがある!?ちょっとお待ちなさい、世間をよく見なさい、絶対王政の世ではないの!世の中が変わろうとしている、革命の中に生きなきゃならない!というのがわかってはいないのだから。
特にアントワネットは愛人に現を抜かしていたばかりか、思い道理にならないと逃亡しようとしていることは国のことを考えてなく、自分のことしか考えてないとは・・
これでは民衆があきれ返って、王家をつぶせというのがわかる気が・・・ふたりは、国のかじ取りは無理。
もし、ふたりが賢かったら、イギリスや日本のように立憲君主制が確立していたと思いますが。

主人公ルーカスは、動乱のフランスに赴いて、アントワネットに説得をしようとしても、彼女は聞く耳をもつことはなし、それもそのはず、誇り高きハプスブルグの血筋がそうはさせないのだから。
あとは滅亡が待っているだけ。ルーカスに同情したいのは山々でも、その彼も大失態を犯してしまう。それも女性で・・もっとしっかりした者を使わせなかったのか?と思うけど、きっとオーストリアも人材不足だったでしょう(苦笑)

内容はともかく、切れがよく、テンポがいい藤本女史の文章と、わかりやすい時代背景、想像力は素晴らしいです。もし史実なら、オーストリアの名誉のために隠ぺいしたかもしれない。史実かもしれないと思わせる藤本女史、あっぱれです。

贖罪 ★★★★★

(12年7月読了)

贖罪 (双葉文庫)贖罪 (双葉文庫)
(2012/06/06)
湊 かなえ

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(Story)
15年前、静かな田舎町で、ひとりの女児が殺害された。直前まで一緒に遊んでいた4人の女の子は犯人と言葉を交わしているものの、顔は思い出せず、事件はそのまま迷宮入りとなった。しかし、その事件は大人になった4人の女性たちに重い十字架を背負わされた。


(レビュー)
湊さんの著書は、「告白」に次ぐ2冊目。
「告白」では、身近に起きる話が、実際に起きるような気がして、ホラーより恐怖感を感じずにはいられませんでした。本作は、それ以上。
私、こういう話好きかも。
人間の心理をえぐりだし、恐怖を感じずにはいられない話は、私の心を捕らえました。

あなたたちを絶対に許さない、償いなさい」と、女児殺害事件にかかわった4人の女の子が、十字架を背負わされ、体に精神的に障害を残す。そして、15年後、大人になって、降りかかった。罪を償うところか、罪の連鎖となろうとは、誰が想像しただろうか。
ラストは、殺害された母の語り。彼女の過去、そして、事件の真相、4人に罪を背負わせてしまったという罪意識が、痛々しい。

読破して思ったのは、恐怖感もそうですが、登場した5人全員(+殺害されたエミリも)が被害者であるとしか思えない。

直接、事件にはかかわってないとしても、罪悪感があること。
直接かかわってないとしても、まわりで傍観していた人、間違っていても勇気を出せずにNOと言えなかった人が、それに当てはまるではないだろうか。
人は自分を守ろうとする姿勢に入る。思えば、私もそのひとりかもしれない。
と考えると、懺悔することはあるか..今、思うと考えずにいられません。

虚像の道化師 ★★★

(12年10月14日読了)

虚像の道化師 ガリレオ 7虚像の道化師 ガリレオ 7
(2012/08/10)
東野 圭吾

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(Story)
とある振興宗教団体で男が転落した。証言によると、男は何かに逃げるように飛び降り、教祖は指一本触れずにいたらしい。転落死は教祖の超能力によるものなのか?(「幻惑わす」より)
「幻惑わす(まどわす)」の他に、「心聴る(きこえる)」「偽装う(よそおう)」「演技る(えんじる)」を収録。



(レビュー)
指一本触れずに転落死?
他人には聴こえない囁き?
不可思議な密室殺人事件?
女優が仕掛けた罠?

これらの不可思議な事件をガリレオ先生のこと、湯川氏がスマートに解決する4つの短編小説です。
4話ともうまくまとまっているし、今回も東野マジックにかかり、サクサクと読めました。

超能力だって?幻聴?ほほっ、あるわけはないでしょ?
われらがガリレオが解いてくださいますわよ。
はい、ガリレオ先生、スマートに解いてくださいました。
前2作はトリックの暴き方、ガリレオ先生らしいストーリーでした。

後2作は、犯人が仕掛けたトリックの話。
これは別にガリレオ先生でなくてもいいんじゃない?みたいな話だけど、
前2作と比べると、サスペンスよりもドラマの方が面白い。
そのせいか、加賀さんでもいいような^^;
「演技る」では逆転がある展開は、東野さんらしいと思いました。


面白かったけど、東野氏には心揺さぶる話を期待しているので☆3つ。

禁断の魔術師 ★★★★☆

(12年10月26日、読了)

禁断の魔術 ガリレオ8禁断の魔術 ガリレオ8
(2012/10/13)
東野 圭吾

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(Story)
ガリレオの教え子が行方不明になった。姉を見殺しにされた教え子は、ある計画をたてていたためである。ガリレオがとった行動とは?(「猛射つ」より)
上記の「猛射つ」をふくむ、「透視す」「曲球る」「念波る」4編を収録。


(レビュー)
前回の「虚像の道化師」のオビに10月13日にガリレオの新作が発売されると宣伝にありました。
「いくらファンサービスがいいたかって、刊行が早すぎではない?東野氏!」
と最初は期待してなかったですが、とんでもない。
許してください、東野氏。今回は一言で感想をいえば、「まいった!お見事」と言わせてもらいます。

ガリレオといえば、浮世離れした偏屈科学者のイメージが強いです。
またそれが魅力的なんだけど^^

しかし、長い時を経て、ガリレオは変貌しました。
偏屈な性格は変わりないですが、人情味あふれる科学者になったのですから。

不可解な事件を科学で証明するという点は、初回のガリレオシリーズから変わってません。
そこに、ドラマを描かれるようになり、ガリレオの人間像が掘り下げられていました。

「透視す」では、見抜けないトリックに悔しがる湯川の姿や、「猛射つ」では教え子を思い、科学者としての信念を貫く湯川の姿が印象的に残りました。
「たとえ二週間でも僕の教え子だ。行方不明と聞いてじっとしていられなかった」
「私のことは気にするな。これもまた自業自得だ。教え子に正しく教えてやれなかったことに対する罰だ」
など、心に打つ名せりふもあり。

事件の謎、犯人、トリックはどうでもいいや!私的、付録みたいなものでした。

どの話でも言えるのは、読んだ後にほんわかな暖かさと、余韻が残ったこと。
特に「猛射つ」は東野氏の作品の中では傑作と言っていいかもしれない。

これからも私たちを喜ばせてくださいませ、東野センセ^^

地獄めぐりのバスは往く  ★★★★☆

(2013年5月6日読了)

地獄めぐりのバスは往く (文春文庫)地獄めぐりのバスは往く (文春文庫)
(2007/07)
中村 うさぎ

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(内容)
自ら「ショッピングの女王」と名乗り、浪費生活を綴るエッセスト中村うさぎが、読者のみなさまをバスに乗せ、地獄巡りのバスツアーにご案内します。


(Review)
いつ読んでも中村さんのエッセイは面白い。
笑があってサクサクと読めるから、あっという間なんです。
中村さんの魅力は飾らない文章と、的をつく心理。
ワハハ!!と笑っても、フムフム~と頷いてしまうですよ。

今回は地獄めぐりのツアー?中村さんが地獄といえば、浪費地獄しかないでしょう。
やはり「浪費地獄」を起点に「借金地獄」に「悪口地獄」「賭博地獄」
どれも味わいたくないですわ。
でも、こういう人がいると励みになるのも確か。
かしこい人間ばかり付き合ってばかりいると落ち込むことが多いけど、そうでない人(失礼)だと、「こんなバカな人もいるんだ」と励みになることもあるですよ。
刺激をもらうのはかしこい人ばかりではない、愚かな人だって、いやその人から刺激をもらうことがあったりするんですよ、私はね。

今回も共感する文章もありました↓

「ひとりで行動が出来ないばかりに大勢ではしゃぐ大人たちは、ひとりで行動する人を「協調性」がないと批判する。ひとりで行動できる人より、ひとりで行動できない人の方がよほど「かわいそう」に感じる」
「恋をしたらまっしぐらの恋愛体質の人は罪悪感もなく、人に迷惑をかけるが、逆になると人のせいにする」


この2点。言えてる。
集団の中で、ひとりでも違う意見の人がいたり、価値観を持っていたりすると、たちまち避難を浴びてしまう。なので、私もそうだが、少数派の意見は通らず、無視をされることもありました。
前の職場がそうだったが、ボスと言われる一部の意見であって、その他の人はそれに従うだけ。
その人たちに言いたい、自分の意見はないの?と。なので、私も群れをつくっている人がたちがよほどかわいそうと思えることがあります。
恋ばかりではなく、自分の意見を通そうとする人。そういう人は相手の気持ちは考えず、自分の意見だけを押し通そうとする。意見が通らなきゃ、ダダをこねるし、思うように行かなければ、人のせいにはするし。
思えば、前の職場はそういう人ばかりでしたTT

上記の他にも、「金を貯めるより、楽しい今を貯める人生もある」「無難志向のファッションをする人がオバハンくさい」とか、ウンウンとうなづくことばかり。人の心理の的をつく中村さん。ますますファンになりました。

エクスペンダブルズ2  ★★★

(2013年5月6日、DVD鑑賞)

エクスペンダブルズ2 [DVD]エクスペンダブルズ2 [DVD]
(2013/03/02)
シルベスター・スタローン、ジェイソン・ステイサム 他

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(2012年、米映画)
監督 サイモン・ウェスト
出演 シルベスター・スタローン、ジェイソン・ステイサム

(Story)
バーニー・ロス(シルベスター・スタローン)ら「消耗品(エクスペンダブルズ)」と名乗る傭兵集団のもとに、東欧の山岳地帯に墜落した輸送機から積荷のデータボックスを回収してほしいとの依頼が舞い込んだ。データを回収すれば勤務が終わりと思っていたが、武装集団に奪われ、仲間ひとりを失ってしまう。エクスペンダブルス集団は武装集団を倒すため、バルカンの大地をゆるがず闘いが始まった。


(Review)
冒頭からの派手派手なアクション。
戦っているのに緊張感がまったくなし。
ベテランだからといえばそれまでだけど、スターロンをはじめ、出演者のみなさま、楽しんでおられますな^^
特にスターロン、ここまでもか、ここまでもかと闘いぶりを見せ、年をとったからといって消耗品ではない、若い者には負けてられるかとの活躍ぶり。スターロン、あなたはHEROです。
あなたが戦わずして話は進まず、私はゲーム感覚で楽しめました。
HEROは不死身だから、まずはやられることはないですし。
といっても、ちゃんと涙頂戴シーンがあるのも、あなたの作品らしい。
なんでねん、若い者を消す?と頭をかしげましたが、若い者に譲りたくないのでしょうか^^
これはブルースにもシュワちゃんにも言えることだし。
まあともかく、これからもシリーズ化となるでしょう。次も楽しみにしてます^^

Category :

バスティーユの陰謀 ★★★★☆

(2013年5月1日、再読)

バスティーユの陰謀バスティーユの陰謀
(1999/04)
藤本 ひとみ

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(Story)
フランス革命前夜のパリ。美貌を頼りに楽に生きようとする青年ジョフロアは、純粋無垢な少年ガスパールと出会う。ある日、ガスパールは暴動に参加し、命を落とてしまう。その時、ジョフロアは変貌し、革命へと身を投じる。


(Review)
「マダムの幻影」に続く藤本女史の著書を再読しました。
前に読んだのはもう10数年前。普通の青年が革命家に変貌するということは覚えていたくらいです。
改めて再読すると、面白い。
藤本女史らしく、わかりやすく、歯切れがよい文章、美貌のイケメンキャラが主人公とあれば、サクサクとも読めます。

フランス革命が舞台の作品は、偉人か、王党派を主人公にすることが多いですが、その反対に庶民を主人公にしています。それもいい子ではなく、どこにでもいそうなすれっからしのイケメンがGood!
エディ(パブスブルクの宝剣)と同じく、いい男を描いてくれてありがと!藤本女史^^

その男、根っからのワルではなく、自分と正反対の弟分をしっかりと面倒を見ている。でも、その弟分が死んだ時、彼の中で何かがはじけた。以前の自分ではいられなくなった感情、革命へと身を投じていく描写は見事です。
読み方によっては、一般の青年が革命の英雄となっていくサクセスストーリーとも感じますが、「人は認めてもらいたい」という感情を描いているところは人間の心理をうまく捕えていると思いました。
これ、エディの時でも感じましたから。
歴史の影にうずもれた青年、フランス革命のエディとして読みましたわ^^

やっぱいい男を読むのは(読みながら妄想に浸る)、何よりのビタミン剤です^^

夢幻花  ★★★

(2013年4月30日、読了)

夢幻花(むげんばな)夢幻花(むげんばな)
(2013/04/18)
東野 圭吾

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(Story)
独り暮らしの老人、秋山周治が殺害された。遺体第一発見者の孫娘の梨乃は、祖父の庭から消えた黄色い花がきにかかり、ブログにアップした。黄色い花の謎とは?


(Review)
東野さんの最新作は危険な花の香りが漂うミステリー。
江戸時代に存在したという黄色いアサガオをヒントに得た話は、衝撃的な冒頭から話に引き込まれました。

プロローグの話と、次の話と本題との関連は一体何か?
殺人事件の犯人は一体誰か?
黄色い花の謎とは一体何か?
蒼太の初恋の人、孝美の謎とは?

この3点と上手く絡み合わせ、東野さんらしく話のテンポがよく、一気に読むことができました。
まあ、私の場合は上記の謎がどうなっているのかが気になったのがありますが。

登場人物たちが運命に定められているかのような話は、まるで「宿命」のようです。
私の好きな話でありますが、ただ物足りない点は心が揺さぶられなかったです。
東野さんの著書をたくさん読んでいるせいか、読了した跡、心が揺さぶられるかどうかで決まります。

あと、危険な香りが漂うような感じはしなかったこと。
犯人もね、私が思っていた方とは..毎度のことながら、東野さんはドラマは満点ですが、サスペンスは付録として読んでいるので、それは置いといて^^;
プロローグの印象が強かったせいか、本題がそれ以上かといえば..やはり物足りなかったです。

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