ラムの映画&本ライフ

ラムの趣味である映画と本のレビューです。★5で満点、10通りに評価しています。
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砂漠でサーモン・フィッシング ★★☆

(2013年8月20日鑑賞)

砂漠でサーモン・フィッシング [DVD]砂漠でサーモン・フィッシング [DVD]
(2013/06/08)
ユアン・マクレガー、エミリー・ブラント 他

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(2011年、英)
監督 ラッセ・ハルストレム
出演 ユアン・マクレガー、エミリー・ブランド

(Story)
アラブ大富豪から「イエメンでサケを釣りたい」という依頼を受けたものの、水産学士ジョーンズ(ユアン・マクレガー)は絶対無理と相手にしなかった。しかし、首脳広報官がこのプロジェクトに飛びついたため、協力的なバックアップが敷かれ、ジョーンズは着手するこになった。


(Review)
ラッセ・ハムストレム監督作品だから、観た映画です。
しみじみとした情感、余韻の残る感動・・ハムストレム監督独特の世界観を味わいたかったからですが。

本作の感想ですが、ぶっちゃけ言うとぬるい。
そのため、途中から眠気が・・ラストは成功するに終わるだろ。
そうでないと、面白みがないもの。
二人の恋?どうせ実だろう。先がわかりやすいわ、この映画。
ごめん、・監督~><

ですが、恋愛に発展したハリエットの恋人が、死んだと思われていた人が帰ってからは、眼が覚めましたね。
さて、サケを放流の日。成功かと思いきや、反対派にダムの水が放流され、失敗に終わる。
これで水の泡か、と思ったら、生き残ったサケが泳ぐシーンでじわっと感動が。
やっぱ、ハムストレム監督作品だと痛感しました。

先ほども書きましたが、作品の大半はぬるかったことと、話に入り込めなかったことはマイナスです。
それと、ラスト、ハリエットがジョーンズを選んだことに眉をひそめました。

あなたの恋人、ロバート、命からがら戻ってきたんだよ。
激しい戦闘の中、あなただけを考えて。そして、あなたの元にまっすぐきたというのに、
あーーあ、あなたは心変わりしてしまって・・去りゆくロバートにすっかり感情移入してしまいました。
ジョーンズやハリエットを魅力的に描きてくれたなら、ふたりを応援しましたが^^

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密偵 ★★★★☆

(2013年8月20日読了)

密偵密偵
(2010/06)
秋山 香乃

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(Story)
御維新から20年たった明治19年。反政府の集会に内偵していた密偵の仲間が殺された。残した
メッセージに前天皇、孝明天皇の死の謎がかくされていた。警部の藤田五郎の命令で、桐生は北海道の監獄に潜入した。


<Review>
上記の藤田五郎とは新選組斉藤一です。
新選組の幹部の中で永倉新八を同じく、明治の世に生き残った隊士です。

さあ、その彼が明治の世でどのように描かれているか?
私生活は時尾さんと子供に恵まれ円満でしょう*^^*
されはさておき、仕事の面では、警部として、新選組時代とは違う活躍は?
一さん、いや五郎さん、上司として、部下に潜入するように命じてますね。
かつて、あなたが御陵衛士に間者として潜りこんだように。そのことが今とはなって、ぶり返されるとは思ってもみなかったでしょう。それに、会津藩の間者とも、もともとは幕府側の間者ともささやかれていますね。そのせいか、斉藤一のイメージはミステリアス。
ミステリアスな人物って、あまちゃんのミズタクのように、この人をもっと知りたいという気持ちを掻き立てられます。そのミステリアスさは、明治の世になっても変わらず。たとえ、藤田五郎という人物をわかっていても、主人公のようにこの人を知りたくなる・・それに本作で描かれている五郎さんはかっこいいーー、もう、たまりません^^

本題は、藤田五郎の真相ではありません。
上記にあるように、殺された仲間の密偵が孝明天皇の死に関わっている。孝明天皇の死は暗殺されたともいわれ、龍馬暗殺を同じく、私の心をかきたてる幕末ミステリーです。

事件と歴史の謎に、キャラの魅力。同時に楽しめるワクワクドキドキ感がたまらなかったです。
孝明天皇の死の真相、事件の真相ですが、ネタ晴らしになるので隠れます↓

残されたメッセージように、新政府が関与していることは間違いだろうし、黒でしょう。でも、肝心の証拠は闇の中。孝明天皇に盛られた毒の砒素は長い時間をかけて隊内に蓄積されたものは検出されるが、一度きりの致死量の場合は、時がたてば消える。なるほどね・・と、私もしぶしぶ納得です^^;

事件そのものは、政府の転覆ため。それは「かごめ、かごめ」の歌にこめられています。
「かごめ、かごめ」は、よく知られている童謡ですが、謎の歌詞であるため、いろいろな説が唱えられています。その謎にひっけるとは上手いです。

少年H ★★★★

(2013年8月21日、劇場鑑賞)

【映画パンフレット】 『少年H』 監督:降旗康男.出演:水谷豊.伊藤蘭【映画パンフレット】 『少年H』 監督:降旗康男.出演:水谷豊.伊藤蘭
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(2013年、日本)
監督 降旗康男
出演 水谷豊、伊藤蘭、吉岡竜輝

(Story)
昭和初期の神戸。洋服の仕立て屋の妹尾盛夫(水谷豊)と、妻の敏子(伊藤蘭)、息子の肇(吉岡竜輝)と娘の好子は幸せにくらしてきたが、しだいに戦争という時代の波にのまれていく。そんな激動の中でも、生き抜いた名のなき家族の物語。


(Review)
妹尾河童のベストセラー「少年H」の映画化。
水谷さん&伊藤夫妻が30年ぶりに共演の話題作です。

戦前、戦時中、前後と6年にわたる激動の時代。
どんな時代でも信念をもって、自分を見失わずに生きようとする妹尾一家。
水谷&伊藤夫妻の息の合ったほのぼのとして演技も、はつらつとした子役たちも、まわりのみなさまも適材適所の配役で、またテンポのいい展開で見応えはあります。

原作は未読です。キャッチフレーズで記された「戦争を生き抜いた家族の物語」と観ていましたが、いつのまにか少年Hのこと肇の目で見た戦争時代に映りました。
戦時中は「お国の為に戦う」と言っていた人たちが、戦後になると共産主義にまわってしまう。
敵国語と目の敵にしていた英語を使い、米国人相手に商売をしている。
こうも世の中が変わるものなのか。そんな矛盾だらけの世の中、真っすぐすぎる少年Hにとっては理不尽な行動しか見えなかったでしょう。
少年の一言多いことが欠点に感じますが、それはストレートすぎる性格のゆえ。そんな彼の心情に胸を打たれました。これはひとえに少年Hを演じた吉岡くんの演技の賜物です。

ラストの壁絵のフェニックス(不死鳥)
空襲、震災に見舞われながらも、復活する神戸の街。
わが街も戊辰の役、空襲、震災に見舞われながらも復活し、その象徴として毎年フェニックスの花火が打ち上げられています。そして、神戸もフェニックスが街の象徴のように感じました。

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維新銃姫伝 会津の桜、京都の紅葉 ★★★★☆

(2013年8月19日読了)

維新銃姫伝 - 会津の桜 京都の紅葉維新銃姫伝 - 会津の桜 京都の紅葉
(2012/11/22)
藤本 ひとみ

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(Story)
会津戦争で敗れた敗れた会津藩は、会場をよぎなくされた。生き残った藩士たちには十南藩に移住することになった。八重は思いこがれていた大蔵からの求婚を断り、米沢に赴いた。ある日、死んだと思われた兄から手紙が届く。そして、時代は廃藩置県となり、それぞれが身の振り方を考え、八重は兄のいる京都に赴く。


(Review)
「幕末銃姫伝」の続編。
戊辰戦争で敗者をなった会津藩たち。
戦争で多くの犠牲を払いましたが、生き残った人たちももうひとつの戦場が待ち構えていました。
非情な新政府の仕打ち。それに耐えて生き抜く。
生き抜くことが彼らの戦場のように思えました。

今後の会津藩を背負った山川太臓と、後に兄のいる京都に赴く八重は、惹かれあいながらも、対照的な生き方を見出していきます。
その対照的なふたりの生き様を、藤本女史らしい切れのいい文章で、テンポよく描かれていました。
私的、大河より本作の方が面白いかも^^;

八重さん、タイトル通りの前作と同じ勇ましい姿が描かれています。
佐賀の乱で、愛用スペンサー銃を持ち、颯爽とした姿。「和製ジャンヌ・ダルク」復活!!
気になるのが、新政府があまりにも悪人に描かれていること。
会津の視点から見れば、それは仕方ないことだと思いますが・・^^;

さて、もうひとつの読みどころは、八重さんと大蔵さんとの恋。
慕い続けていた大蔵さんから求婚を受けたかと思えば、八重さんは断り、その逆と思えば、大蔵さんが迷ったり。もうじれったいな、早く一緒になりなさい。と言いたいところだけど、そうなれば、歴史を変えることになる。お互い思いつつも、結ばれないはがゆさ。胸がきゅん、きゅんでしたわ*^^*

さて、ご存じのように八重さんは新島譲と再婚します。
洋行帰りの彼は、新しい考え方の持ち主。
「報復などという考えは捨てなさい」
「後からついてくるのではなく、一緒に歩いてくれる女性が欲しいのです」
八重さんのような男勝りの気性にぴったりの方ではありませんか。
もし、大蔵さんと一緒になったら、尚之助さんと同じく別れていただろうね、たぶん。
優等生であることは間違ないが、ボンボン育ちとでは価値観の違いが出てくるでしょう。
譲さんの登場で、すっかり過去の人になった大蔵さん。
私がそう思うくらいだから、当の八重さんは彼の魅力にやられたことは間違いない*^^*

藤本先生、続編をお願いします。

大河ドラマを観ている方も、観てない方もオススメできる一冊です。

明日香の皇子 ★★★★

(2013年8月16日読了)

明日香の皇子 (ジョイ・ノベルス)明日香の皇子 (ジョイ・ノベルス)
(2008/09/19)
内田 康夫

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(Story)
大東広告社員の村久の恋人、恵美子が失踪した。恵美子の伝言を預かっている男から呼び出されるが、目の前で殺されてしまう。「アスカノミコ」と遺した被害者の言葉を解く手がかりをもとめ、村久は奈良の古都、飛鳥に向かう。


(Review)
光彦さんシリーズではない内田先生の著書です。
タイトルに惹かれて借りました。

恋人の失踪、手がかりとなる人物が目の前で殺され、被害者が遺した「アスカノミコ」という言葉。
またも殺人が・・冒頭の昭和16年の舞台は?事件の真相は一体?
とサクサクと読んでいたら、事件よりは歴史の方に目が向いてしまいました。
古代・飛鳥時代。壬申の乱、大津皇子の乱(悲劇)・・
おお、私の好きな時代、壮大なロマンが広がります。

事件、そんなどうでもいい。
存在しないアスカノミコの謎さえ解ければどうでもいい。
やはり光彦さんと同じく事件よりは、旅、歴史ロマンに興味が注がれます。
いつもながら、内田先生の博学ぶりにも脱帽。飛鳥時代の著書として欲しい一冊です。

さて、「アスカノミコ」の謎ですが↓
被害者が村久を見て「アスカノミコ」と告げたのは、飛鳥戸神社の祭神、明日香皇子と瓜二つだから。
明日香皇子の像に瓜二つ。まるで再来したかのように。。
失踪した恋人は、取引先のエイブルックタイヤの孫娘で、巨大資産の在り処を聞き出すために拉致された。
クライマックスのシーンはまるで明日香皇子の再来か、村久さんも光彦さんと同じく魅力的なキャラです。
ともあれ、無事に恋人も戻り、事件も解決。「美しい日本」取り戻して欲しいものです。

佐渡伝説殺人事件 ★★★★

(2013年8月13日、読了)

佐渡伝説殺人事件 (徳間文庫)佐渡伝説殺人事件 (徳間文庫)
(1997/10)
内田 康夫

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(Story)
「願」とだけ記された葉書を受取人が殺害された。浅見光彦は帰宅途中で第一発見者となる。その後、被害者の親友も佐渡島で転落死した。連続殺人事件の真相を掴むべく、光彦は佐渡島へ渡った。


(Review)
佐渡島で連想すると、流人の島、金山の島、日蓮聖人の流罪地、安寿と厨子王伝説など、くらーーいイメージがぬぐえません。
本作も奇妙な「願」の葉書。受取人が次から次へと殺害されていく。
これは呪いか・・殺人事件とどうつながっているのか、ワクワクしました。」

さすが内田先生、佐渡をよくお調べになっている。まだ佐渡には一度しか訪れたことがないですが、ひとつ、ひとつの情景が浮かんできました。またも旅した気分にさせてもらいました。

今回は歴史よりはミステリー。「賽の河原」の伝説、事件を上手くからませて話が進められています。ゾクッとした怖さはないですが、最近、読んだ光彦さんの作品の中では、読み応えがあります。
光彦さんのカンの良さに拍手^^

もうひとりのシェイクスピア ★★★★

(2013年8月12日、DVD鑑賞)

もうひとりのシェイクスピア [DVD]もうひとりのシェイクスピア [DVD]
(2013/06/04)
リス・エヴァンス、ヴァネッサ・レッドグレイヴ 他

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(2011年、英=独)
監督 ローランド・エメリッヒ
出演 リス・エヴァンス
   ヴァネッサ・レッドグレイヴ

(Story)
16世紀末、エリザベス朝に登場した、史上最高の劇作家シェイクスピア。彼には多くの謎に包まれており、別人説が数多く乱れ飛んでいる。そのひとりとされているオックスフォード伯。彼こそがシェイスピアであり、数多くの名作を残した。なぜ、彼は真実を隠さなくてはいけなかったのか?その謎に迫る。


(Review)
史上最高の劇作家として誰もが知っているシェイクスピア。
彼には多くの謎があり、別人説、複数説が乱れております。
その中の有力候補とされているのが、17代オックスフォード伯エドワード・ド・ヴィア。
「歴史ミステリー15」の「シェイクスピアはひとりではなかった」によると、1920年にトマス・ルーニーが「シェイクスピアの正体」で唱えました。

さて、オックスフォード伯が本当にシェイクスピアであったならと思うとワクワクするではありませんか。
歴史ミステリー好きの私にはたまりません^^

本作はいわゆる影武者説。
そうせざる得なかったのは、オックスフォードの家名を傷つけないため。
まさか作者の名前を名乗った人物が現れるとは予想外であっただろう。
でも、走り出した歯車は止まらない。
次から次へと舞台化される作品は大好評で、シェイクスピアは時の人となります。

よくできている映画です。シェイクスピアの謎と弊行して、当時の政情、エリザべス一世隠し子説も見応えがあります。。
テンポよく、上手く絡めているせいか、どれが不満足ということもありません。
エリザベス朝当時にタイムスリップしたかのように、映像は絵画のように綺麗です。

人は生まれる場所と、生まれる時を選べないもの。
もし、オックスフォード伯が別の世界で産まれていたのなら、
いや名家でなかったら、どれほど賞賛を浴びていたかもしれないのに・・
あれだけの才能を世に出たことは喜ばしいけど、影武者にならなくてはならない。
さて、別人説の真相はいかに?
今後もシェイクスピアの謎に目が離せそうにないです。

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少女  ★★★★

(2013年8月11日読了)

少女 (ハヤカワ・ミステリワールド)少女 (ハヤカワ・ミステリワールド)
(2009/01/23)
湊 かなえ

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(story)
親友の自殺を目撃したという転校生の話を聞いた由紀は、人の死を見たいと思うようになった。自殺を考えたことがある敦子は死体を見たら、自分は強くなれるのではないかと思い始めた。夏休み期間中、それそれ小児科病棟と老人ホームでボランティアを始めた。目的はただ死体に立ち会いたいため・・高校生の少女たちの衝撃なミステリー。


(Review)
普段と同じ日常なのに、リアル感たっぷりの展開、じわりじわりと感じていく恐怖感。
語りかける文章はキャラたちの心情がわかっていくのが湊さんの作品です。

普段何もない日常なのに、親友のふたりがすれ違い、誤解をしてしまう。
それは誰もが味わう学生生活、そこにミステリアスが加わったら・・
これ、私の好きな展開です。

キャラに感情移入出来なくても、最後まで話い見入ってしまい、今回も湊マジックにかかりましたが、「告白」や「贖罪」に比べると衝撃的な内容ではないし、恐怖感もなし。
その点は物足りなさを感じましたが、逆にリアリティーがありました。
ラストも後味が悪くないなと思ったら、最終章の遺書の続きでダークな気分になり、おまけの逆転がたまりませんでした。↓
もし、遺書通りにしおりが人生にリセットしたら、ふたりは願っていた死体を見ることになる。
さて、その後はどうなるか・・それは想像におまかせしてとのことでしょうか。
それにしても、冒頭の親友の自殺の原因が自分にあったとは・・これでは心に大きな傷を残しますわ

これ、10代の彼女たちばかりではなく、私たちにもありうる出来事。
もし、その立場が自分になったら・・何気ない日常で起きる出来事が一番、怖いです。

風立ちぬ ★★☆

(2013年8月12日、劇場鑑賞)

風立ちぬビジュアルガイド (アニメ関係単行本)風立ちぬビジュアルガイド (アニメ関係単行本)
(2013/07/20)
スタジオジブリ

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(Story)
飛行機設計者になる夢を抱く少年、堀越二郎。青年となった彼は、その夢を叶うべく、美しい飛行機作りに情熱を燃やしていた。関東大震災の最中に出会った女性、菜緒子と再会し、恋に落ち、二人は将来を誓い合う。しかし、菜緒子の身体は結核に冒されていた。


(Review)
宮崎監督が実在人物を描いた作品なので興味がありました。
宮崎監督の全作品は観ていませんが、いつも神がかりなキャラの強いイメージを
実在の人物ならどう描くだろう。またゼロ戦をどう描くか興味があったからです。

率直な感想。
よくもなく、悪くもなく、感動もなく、涙もなく・・
私、泣けませんでしたわ、宮崎監督。
「フランダースの犬」の時はバスタオルが必要な私がですよ。

名作「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」に比べると、心を揺さぶれるものがない。
物足りなさを感じました。

ここからネタばらし。

飛行機に夢をかける実在人物を通して、
「どんな時代であっても生きろ」
「夢を捨てるな」
テーマでしょう。
「千と千尋の神隠し」は「働かざる者食うべからず」、「ナウシカ」「もののけ姫」は自然脅威、人間社会を風刺しているような、宮崎監督の哲学を感じます。

飛行機が好きで、自分の飛行機が空を駆け巡ることを夢見て、
懸命に生きようとしたゼロ戦を作り上げた三菱重工の技師、堀越二郎。
彼の妻である菜穂子も、結核を患いながらも懸命に生きた女性。
この設定だけでも美しい。絵も綺麗だからなお美しい。
そのせいか、リアリティーがまるでなし。
ゼロ戦の戦闘シーンがないのも、菜穂子の闘病シーンがないのも、
「日本が貧しい」とセリフのわりには、豊かだなと思えるシーンが多いのも、
美を追及しているからでしょうか。

物事をサラリと描いているせいか、キャラに感情移入できない。
せめて、手紙の内容くらい語ってもいいのでは?
なんで、菜穂子が診療所から抜け出して、二郎の元に駆け付けたのも、
また帰ったかもわかりにくいです。

一番、気になったのは。声優さんの声に抑揚がないこと。
声って、キャラに命を吹き込むから大事なんだよね^^;

ゼロ戦を作り上げた実在人物を描くなら、
欧米を震撼させたゼロ戦の性能美も描くべきなのでは?
戦争をテーマにした映画ではないことくらいわかるけど、
本作ではわかりにくいです^^;

宮崎監督、これが正直な本作の感想です。
監督の作品は好きなので、次作を楽しみにしてます。

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幕末銃姫伝―京の風 会津の花 ★★★★

(2013年8月8日読了)

幕末銃姫伝―京の風 会津の花幕末銃姫伝―京の風 会津の花
(2010/05)
藤本 ひとみ

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(Story)
会津戦争で自ら銃を取り、大砲を指揮して戦った女性がいた。後に同志社大学創立者の新島譲の妻として知られる八重子の前半生、会津時代を描く。


(Review)
平成25年度大河ドラマ「八重の桜」の主人公の山本八重子、後の新島八重の前半生、会津時代を描いた作品です。

山本八重子で思い浮かべるのは、会津戦争で自ら銃を持ち、颯爽と戦う姿。
「幕末の和製ジャンヌダルク」と呼ばれた彼女。
「女性はこうであるべき」という生き方を強いられた時代。まして、徳川総本家に尽くすことが家訓とされてきた会津藩で生まれたため、古いしきたりに反発するのは苦痛であったでしょう。

もうひとりの主役というべき兄・覚馬は遊学時に佐久間象山や河井継之助と出会い、物事に捕われない開明的な方です。八重子は、その兄から銃を教わります。当時は、砲術は刀や槍よりも格下に見られていました。黒船や長州征伐で実際を目にした人以外は、戊辰戦争でやっと気づく人が多い中で、革新的な人かもしれません。物事に捕われずに、新しい生き方を見出す女性、それが八重子なのです。

そんな男勝りの八重子もひとりの女の子、胸キュンの恋もする。
山川大蔵、後の山川浩への恋心は、せつないものがありました。
これ、大河で描いて欲しかったな・・それと最初の夫の尚之助さんとの関係も別れも、本作の方が納得できます。

また、大河では、あらゆるものまで描こうとして、せっかくの人物像や話が飽和状態になりがちです。しかし、本作では山本兄妹を中心に描かれているので、時代の流れも的確にとらえながら、人間像や関係を描いてます。大河が入り込めなかった人は、一読してみてはいかがでしょうか。オススメです。

幕末の時代であって、日本が舞台と感じない。
それはフランス史を得意をする藤本女史が描くからでしょう。

続編の「維新銃姫伝」も楽しみです。

伊庭八郎 凍土に奔る  ★★★★

(2013年8月1日読了)

伊庭八郎凍土に奔る伊庭八郎凍土に奔る
(2011/03/30)
秋山 香乃

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(Story)
幕臣の家に生まれた八郎は、遊撃隊の第二軍隊長として、新政府軍を相手に戦っていた。箱根三枚橋の戦いで片腕を失くしたが、旧幕府軍が待つ北へと向かった。


(Review)
久々の秋山さんの著書です。
彼女が描く偉人は親しみやすいため、サクサクと読めるのが特徴です。

八郎は「将軍のために死ぬ」それ以外は出来ない。幕臣のひとりとして生きる以外、何もなれない。
その思いが、戦場へと彼を導いていきます。
負傷した彼は、片腕切断の手術の時、麻酔なしで挑もうとします。
戦死した多くの隊士たちは、急所をやられればともかく、苦しみながら死んでいっただろう。
自分だけ、痛みもなく治療することは、苦しんで死んでいった隊士に申し訳ないと・・
私、隊士思いの彼に胸が熱くなりました。

失っていく多くの隊士、友、盟友・新選組副長の土方歳三との再会。そして、また戦場へ。
隻腕の彼はまたも傷ついていく・・戦士だね、男だね、八郎さま。
結末をわかっているせいか、ひとつひとつの場面、セリフが身に沁みました。
美男なら、当時の女性たちはほっておかないでしょう。
私だったら惚れるね、確実に。

本作ではオリジナルキャラが登場してます。
実は、続編の本作を先に読んだので、前作の「伊庭八郎幕末異聞」は未読です。
そのせいか、いまいち状況を掴めないところがあったので、伊庭八郎幕末異聞」を読んでから、再読したいと思ってます。

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