ラムの映画&本ライフ

ラムの趣味である映画と本のレビューです。★5で満点、10通りに評価しています。
MENU

あるキング ★★★☆

(2013年9月28日読了)

あるキングあるキング
(2009/08/26)
伊坂 幸太郎

商品詳細を見る


(Story)
山田王求(おうく)は、プロ野球占仙醍キングスの熱烈ファンのもとに生まれ、野球選手になるべく育った。野球で非凡な才能を開花させ、とてつもない選手になった。


(Review)
いわゆる非凡な才能をもつ、野球選手の成長物語。
三人の魔女はシェイクスピアの「マクベス」、野球選手として育てられたのは「巨人の星」、偉大なるバッターはイチロー。彼は非凡な才能と力を合わせ持っていますが、順調な野球人生を歩いていくわけではありません。むしろ、人生の歩み方は不器用なので、親しみやすさがあります。

主人公は王求(おうく)ですが、、周りの人々の語りで話が進められていくので、彼の心理は乏しいです。
彼が普通とは違う天才の場合、人間臭さを出すことなく、徐々に人間像をうかびあがっていく手法のほうがミステリアスです。そのため、ラストはどうなる、どうなるとノンストップで読ませる引き込む力はあります。
ライバルもどこか人間臭さを感じるのは、あいかわらず伊坂さんはキャラつくりが上手いです。

物足りないのは、読了した後の余韻がないこと。
話としては面白いですが、もうひと工夫ほしかったです。

偶然か、今年は仙台の楽天が優勝しました。
仙台、仙醍、せんだい。作者の、地元の思いがこもった作品といえるでしょう。

スポンサーサイト

イタリア幻想曲 ★★★☆

(72013年9月26日読了)

イタリア幻想曲 貴賓室の怪人2イタリア幻想曲 貴賓室の怪人2
(2004/03/29)
内田 康夫

商品詳細を見る


(Story)
浅見光彦の兄、陽一郎は、学生時代、イタリアに旅行最中、ひとりの日本の青年に出会う。その数日後、その青年は事故死をとげてしまう。それから27年後、浅見家に光彦宛ての手紙が届く。飛鳥で世界一周の旅をしている光彦は、イタリアの田舎に住む差出人を訪ねる。そして、知り合った日本人画家兼カメラマンが死体となって発見される。


(Review)
飛行機嫌いの道彦さんが海外?あら、もしかしたら船旅と思ったらビンゴ!
「貴賓室の殺人」の続編でございます。

前回に残された謎。
前回に残された「貴賓室の怪人に気をつけろ」の怪文書の謎。
何百万円もする船旅に送り込んだ依頼人とは?

これは、もしかしてスィートルームのあの方、内田氏と断定しましたが、違うのかしら?

では、今回の謎である、
「浅見光彦に頼め」と名指しの怪文書。
これもあの方でございましょう。

これはあの方とは違うような・・
「なぜトスカーナの田舎に送り込んだのか?
27年前の光彦の兄、陽一郎がイタリア旅行で出会った事故死した人物と今回の殺人事件。


前回の謎を解くだけではなく、謎が謎を深めていきますな、光彦さん。

イタリアの現地の細かい情景、
30年前のヨーロッパの歴史、美術品の盗難事件、日本の赤軍に話は及んでいく。
そこに毎度ながら、現地の情景、話にかかわる美術、宗教、西洋の習慣など、作者の知識の豊富さには脱帽しました。イタリア好きならもってこいかも。

怪文書の謎ですが↓
怪人とは聖人であり、教会の中の貴賓室?依頼人は牟田夫人。
内田氏だったら面白かったのに・・まだ言ってます(笑)

みなさん、さようなら ★★★★

(2013年9月24日、DVD鑑賞)
sayonara.jpg

(2012年、日本映画)
監督・・・・・中村義洋
出演・・・・・濱田岳、倉科カナ、大塚寧々

(Story)
1981年、小学校卒業した悟(濱田岳)は、担任の静止を振り切り、団地の外へ一歩も出ないことを宣言する。
中学も行かず、自分のライフスタイルを貫く悟だが、ひとり、またひとり、小学校の同級生が団地から旅立っていく。


(Review)
団地の中で一生暮らすと決めた少年の話です。
DVDの作品紹介で観た時、これは面白そうと思い、レンタルしました。
そのカンはビンゴ!
団地から出ない。中学校へは行かない、独自のライフスタイルを貫く?
まずは無理。それをできるのは変人しかいない。
その主人公の設定に惹かれました。

少年は変人ではありません。団地から出ないわけですが↓
小学校に乱入した不信者により、友達が目の前と殺され、自らも殺されそうになった
これではトラウマにもなります。
彼が体を鍛えているのも、同級生の見回りしているのも、わかる気がします。
さて、自らその壁を破ることができるか?
長年、自分を悩ませていたトラウマに勝つことができるか?↓
一生、団地から出られないと思われた少年も青年になり、自らの力で壁を打ち破ることができた。
団地から踏み出す彼の成長ぶりにすがすがしさを感じました


「みなさん、さよなら」のタイトルって、一生、団地から出られない主人公が同級生を見送る心情だと思ったけど、団地そのものだったですね。主人公が旅立って、団地の中は0となった。これぞ、みなさん、さよなら。

Category :

超・殺人事件 推理作家の苦悩 ★★★★

(2013年9月21日読了)
kyo.jpg

(Story)
新刊小説の書評に悩む書評家の前に高性能読書マシン「ショヒョックス」が届けられた。どんな小説に対してもたちまちのうちに書評してしまう。「超読書機械殺人事件」をはじめ、推理小説誕生の裏側を描いた作品集。


(Review)
ミステリー小説の誕生の裏側を描いた作品です。
毒笑小説シリーズと同じく東野氏のブラックユーモアが光る。
ブラックに、意表をつくトリックと笑い。もうたまりません。
苦悩している小説家とは、ミステリー作家の東野氏本人ではありませんか(爆~)

超税金対策殺人事件
税金対策をせねばとは、小説家も大変だ。税務署内に文豪省専門の目を逃れるため、あの手、この手を使って膨大な経費を生み出すことに成功したものの、それが大半は経費として認められず、しかも連載打ち切りとは・・哀れです。

超理系殺人事件
一体なんだろう?理解できなかったけど、ラスト、どんでん返しが。似非理系人間かどうかのチェック?飛ばして読むか読まないか?前者の場合、理解しているかどうか?理解もせず意地で読もうとする人間がそれに当てはまる?うーーむ、怖い本です。

超犯人当て小説殺人事件
犯人当ての小説の犯人をずばり的中させたら、長編小説の新作?今売れっ子作家となれば、出版社も目の色変えますわな^^作者は犯人はわからない?え?ゴーストライター。去年夏の亡くなられた奥様が執筆されたものなんですね(笑)

超高年齢社会殺人事件
減殺活躍中の作者が90齢を超えているなら、読者の平均年齢は76歳?日本人の読書離れが物語っている?だから、話が辻褄が合わない何ぞ気にしなくていい。読者そのものが前作のことは覚えてないのだから。うけました(爆~)

超予告小説殺人事件
自分が執筆した小説が、実際おきた事件と類似している?その影響か、本は売れてウハウハ!!というわけではない、犯人から電話が・・でもこれって、小説家=犯人。本が売れるために、話題性がほしかっただけなんだよね(爆~)

超長編小説殺人事件
読者は長ったらしい小説に慣れている?内容の濃さではなくてページ数?あの・・私、逆なんですけど(笑)
これでもか、これでもかとノルマが当てられ、どんな本に仕上がっているかというと、表紙と思っていた部分は背だった?8.7キログラム?すごい本ですわ(爆~)

超読書機械殺人事件
マシンが読書してくれる?書評を書いてくれる?え?作家志望者にばか売れ?本は売れないから
志望者に書評を書いてくれるマシンを売るとは・・確かに本は売れないけど、作家志望者はいる。
これを皮肉ったですね(爆~)

太陽を抱く月 ★★★★

(2013年8~9月、DVD鑑賞)

太陽を抱く月 DVD-BOXI太陽を抱く月 DVD-BOXI
(2013/04/24)
ハン・ガイン、キム・スヒョン 他

商品詳細を見る


2012年、韓国ドラマ
イ・フォン・・キム・スヒョン
ホ・ヨヌ(ウォル)・・・ハン・ガイン

(Stroy)
貴族の娘ホ・ヨヌは若き朝鮮王イ・フォンの妃に選ばれるが、婚姻直前、原因不明の病にかかり、命を落とす。8年後、死んだヨヌを思い続けるイ・フォンの前に、ヨヌにそっくりな巫女ウォルが現れる。


(Review)
韓国で100万部売り上げたのベストセラー同名小説をドラマ化。
架空の朝鮮王朝を舞台に繰り広げる純愛ファンタジーストーリーです。
話を簡単に説明しますと、婚を控えた恋人同士が、突然、永遠の別れが訪れる。何年か後、死んだ恋人に似た人が目の前に現れ・・これって、冬ソナ!?話が見えた段階でやめようと思いました。
しかし、夫が見ていたので、つい横目で見たんです。これって、・・大人になった世界が面白味があることに気づき、ラストまで観続けました。

死んだ恋人を思い続ける若き王と、記録を失くしているかつての恋人。
愛していた人を思い続ける・・まさに純愛。
その強い愛はどんな困難に乗り越え、再び結び合う。ああ、忘れかけた乙女心が蘇りました。

せつない恋をする主役ばかりではなく、脇役のキャラたちも同じく。王に愛されない王妃、ヨヌのことを思い続ける王の義兄・陽明君、ヨヌの兄ヨムを愛している王女、同じくヨヌの侍女のソル。
善悪に分かれている話ですが、腹黒い大人たち以外は心理描写が丁寧であるため、みな愛しいキャラです。

愛って、強い。
先ほどにも書いたけど、どんな困難にも乗り越えて、再び結ばれるばかりか、忘れかけた正義も蘇る。
ラスト、黒幕たちの一掃につながっていく。
他の時代劇と同じく、犠牲者はつきもので、これでもか、これでもかと出てきます。
一番悲しかったのはソル。ソルとは雪であり、ヨム(炎)に近づけば、解けてしまう。
好きな人に命をかけ、抱かれて解けていく(死んでいく)。美し過ぎます。
最終話の陽明君、王妃の死は、今後の火種のことを考えれば、賢明な選択でしょうか。
決して幸せではなかった彼らの短くはかない人生を思うと、むなしいさが残りました。

ラスト、王様とヨヌが結婚して、子供も生まれてめでたし、めでたし。
愛されキャラといえば、尚膳(ヒョンソン)。最後までいい味を出してくれました^^

祈りの幕が下りる時  ★★★★★

(2013年9月18日読了)

祈りの幕が下りる時 (文芸第二ピース)祈りの幕が下りる時 (文芸第二ピース)
(2013/09/13)
東野 圭吾

商品詳細を見る


(Story)
加賀恭一郎は、幼い頃に別れた実母が死亡したという知らせを受ける。
一方、女性演出家を訪ねた幼馴染が、数日後、遺体となって発見された。
数々の人生が絡み合う謎に捜査は混迷を極める。


(Review)
本作は、「赤い指」「新参者」「麒麟の翼」に続く、家族、人情をテーマにした加賀さんシリーズ
一言感想を述べるなら、心を揺さぶられるような感動!
言葉でどう表現していいかわからない、これをまってました!
昔の東野わーるどを彷彿させるような力作です。

冒頭の加賀さんの母の死と、女性演出家の幼馴染の死。
加賀さんの過去、実母の過去、女性演出家の過去がからみあっていく。
加賀さんと女性演出家の2組の親子がどのように関わっていくか。
それぞれのキャラの暗い過去とは・・家族とは・・
人間の極限に追い詰められる心理描写、どのような行動に出るか?

一見タンタンとしたミステリーの展開ですが、読み始めると止まりません。
話に引き込まれ、一気に読めてしまうのはいつもの東野マジック。
東野さんお得意のミステリーよりは、「新参者」から続く人情味にあふれています。
読了した後の爽快感と余韻ある感動!
ありがとーー!東野氏!

近年の東野さんの作品の中では一番好きです!!!!

壬生義士伝 ★★★★☆

(2013年9月17日、再読)

壬生義士伝 上 (文春文庫 あ 39-2)壬生義士伝 上 (文春文庫 あ 39-2)
(2002/09)
浅田 次郎

商品詳細を見る
壬生義士伝 下 (文春文庫 あ 39-3)壬生義士伝 下 (文春文庫 あ 39-3)
(2002/09)
浅田 次郎

商品詳細を見る


(Story)
慶応四年一月七日の夜更け。三日の夕刻に戦闘が開始された鳥羽伏見の戦いは、すでに決していた。大阪南部藩屋敷に脱藩した新選組隊士、吉村貫一郎が尋ねてきた。竹馬の友である蔵屋敷差配役を勤める大野次郎右衛門は、貫一郎に「腹ば切れ」と言い放った。元隊士を教え子が語る新選組隊士、吉村貫一郎の生涯。


(Review)
一刀斎夢録を読了した後、浅田新選組第一弾の本作を無性に読みたくなりました。
思えば、かれこれ約10年ぶりの再読となります。
昔、読了した後の感動を覚えています。その感動はそのまま。
浅田さん独特の語り口調の文章は、人情味あふれ、温かみがあります。
血なまぐさい新選組も浅田さんの手にかかれば、暖かいヒューマンドラマに変わる。
新選組のダークなイメージを払拭しています。

話の中心人物は吉村貫一郎。新選組のなじみの隊士ではない人物をスポットライトに当てるのは、浅田さんの人柄が伺えます。しかし、吉村という人物は「新撰組始末記」で少し描かれているくらいで、どんな人かはわかりません。
大正の世になって、隊士仲間や教え子たちの語りによって、少しずつ浮かび上がせていく。そのミステリアス手法はたまりません。
また慶応四年当時の彼の最期のシーンと交互に展開していくので、彼の過酷な運命にも触れることができます。

彼は何も人を斬りたかったわけではない。
貧しいため脱藩し、お金を稼ぎに新選組に入隊した。
新選組では守銭奴と蔑まれようと、故郷に残してきた家族に仕送りをする。
また飢えた者には握り飯を施す人でもある。

脱藩、守銭奴・・侍の風上にも置かない行動です。
どんなに罵られようと、家族のためならせねばならない。
死の間際まで、家族に想いを馳せるシーンは涙がそそります。

涙をそそるシーンは息子の嘉一郎にもあり。親友との水杯のシーンは思わず目頭を押さえてしまいます。

しんみりと終わるかと思えば、下の息子、貫一郎は農学博士となり、稲の育成と改良に取り組んでいます。
握り飯をたらふく食べさせたいという父の願いを、稲の改良することでかなえた息子。
親子二代の願いが叶えられた、希望に満ちた明るさを感じました。

ライジング・ドラゴン  ★★★★

(2013年9月15日、DVD鑑賞)

ライジング・ドラゴン [DVD]ライジング・ドラゴン [DVD]
(2013/08/23)
ジャッキー・チェン、クォン・サンウ 他

商品詳細を見る


(2012年、香港=中国合作)
監督、製作、脚本、主演・・ジャッキー・チェン
出演・・・・・・・・・・・クォン・サンウ

(Story)
世界を股にかけるトレンジャー・ハンターJC(ジャッキー・チェン)は、アンティークディーラーから諸外国の度重なる侵攻により世界中に散ってしまった中国・清王朝の十二支秘宝の収集を以来される。JCは特殊チームを結成し、十二支の秘宝を手に入れようとする。


(Review)
ジャッキー・チェンが監督、製作、脚本、主演を手がける力作。
50歳過ぎのハリウッドアクションスターがスタントを使わず、体を張った演技が話題になる中、ジャツキーも復活せねばならないでしょ^^
「1911」「新。少林寺」で彼の時代が終わったと思っていた私にとってはうれしい限り、お帰り!ジャッキー!

かつてキレのいいアクションを見せてくれたジャッキーも59歳。
その頃に比べるとアクションのキレはないものの、冒頭のローラーブレードスーツからスカイダイビングまで、ここまでもかとジャッキーの世界を見せてくれる、ジャッキーわーるど全開!
コミカルでテンポのいい展開や爽快感は以前と変わらず、安心して観ていられる娯楽映画です。

ジャッキーが演じるJCの仲間のひとりをクォン・サンウが出演してます。
彼のアクション、ラストのホロッとさせてくれる復活愛(夫婦)も必見!見所満載です。

Category :

壬生烈風ー幕末京都守護職始末ー ★★★

(2013年9月13日読了)

壬生烈風 - 幕末京都守護職始末壬生烈風 - 幕末京都守護職始末
(2012/03/23)
藤本 ひとみ

商品詳細を見る


(Story)
父の切腹で家禄を失った元会津藩士、孝太郎は、友人真之介と京都に赴く。幕末動乱の京都で新選組や長州藩とふれあい、友情を深めていく。


(Review)
「天狗の剣ー幕末京都守護職始末ー」の続編。
父の切腹で家禄を失ってしまった孝太郎のその後を描いてます。
続編を描くなら、次は新選組だろうと予想はしていました。
はい、どんぴしゃり。
会津藩といえば、浪士組の新選組はなしでは京都会津幕末史を語ることはできないからです。

藤本女史のこと、主人公の孝太郎の成長もそうですが、壬生浪士のこと、新選組も魅惑的に描いてくれると期待せずにはいられません。
前回に続き、孝太郎くんの瑞々しい描き方がいい。
「天狗の剣」でも書きましたが、昔の藤本女史に戻ったようで私的、嬉しいです。
新選組の描き方もいい。色恋はなく、男の世界。あっ、ボーイズラブはありません(笑)
男の美学とでもいいましょうか、従来の新選組の血生臭さ、ダークなイメージはありません。
隊士の中でも、芹沢鴨の描き方はいい。大河「新選組!」の佐藤浩市さんが演じた鴨さんのように、貫禄がある面、弱い一面を見せる、人間味があふれる魅力的な人間として描かれています。
従来の新選組のイメージから苦手な方にも、話が入りやすいと思います。

ただ、残念なことに、先に読んだ浅田さんの新選組の印象が強く、さほど魅惑を感じませんでした。
続編もあるでしょう。期待してます。

一刀斉夢録 ★★★★☆

(2013年9月12日読了)

一刀斎夢録 上 (文春文庫)一刀斎夢録 上 (文春文庫)
(2013/09/03)
浅田 次郎

商品詳細を見る
一刀斎夢録 下 (文春文庫)一刀斎夢録 下 (文春文庫)
(2013/09/03)
浅田 次郎

商品詳細を見る


(Story)
明治を経て、大正の世まで生き延びた新選組三番隊長斎藤一のこと、一刀斎は、若き梶原中尉に夜毎語った。過ぎ去りし幕末の動乱、新選組、維新戦争、西南戦争・・一刀斎から語られた真実とは?


(Review)
浅田版「新選組」三部作。その三冊目とあって、三部作の中で一番の力作です。
「壬生義士伝」では吉村貫一郎、「輪違屋糸里」では島原の芸奴、糸里をスポットにあて、本作では新選組の中で最強と謂わしめた三番隊長、斎藤一が語る新選組が描かれています。
一刀斎、逆に読めば、斎藤(刀)一。彼は新選組を袂を分かちた御陵衛士にスパイとして送り込まれ、また戊辰戦争では会津藩に留まったことから会津藩のスパイとも言われているため、ミステリアスな印象があります。
このミステリアスな男は既に大正の世では70齢。
浅田さんお得意の語り口調の文章は、人情味にあふれ、どんな血なまぐさい場面でも残酷さを感じさせず、読みやすい。むしろ、読了した後の余韻が感じるのは、浅田さんの人柄が感じます。本作も浅田ワールド全開の作品です。

それはひとえに浅田さんの新選組に対する思いを作品の中でヒシヒシと感じます。
一さんの語り口調から、新選組の面々が浮かび上がってくる。それも、ひとり、ひとりの特徴を掴んでいるから、呼んでいる側にも想像しやすい。
中でも土方歳三のこと、歳さんは一枚も2枚も上にいく策士です。
組織作りでも、戦闘でも優れている彼がもし明治の世に生きていたらと想像するだけでワクワクします。
新選組と新政府軍から目につけられているため、戦死しなかったとしても、生き延びることは無理だろうと思いますが。あたし、また歳しゃま熱が復活しそう*^^*

また浅田流、幕末史を紐解いています。
一さんから語られる龍馬暗殺の真相ですが、「一さん自身が実行犯、黒幕は薩摩と伊藤派」と語られています。実に興味深い^^

後半、軸をなすのが、市村鉄之助。
彼は歳さんの小姓であり、箱館戦争中、密かに五稜郭から脱出させ、日野に使いをして送られた少年です。
その彼の行方はいかに?
一さんの生きてくれと願い、斬られるなら彼という思いが、読む側の私の心を打ちます。
でも、それは反対となり・・短い鉄之助の生涯で思い出すのは、「壬生義士伝」の貫一郎の息子、嘉一郎。彼と親友と交わす水杯のシーンは胸を熱くさせれました。そして、本作でも鉄之助くんも短い生涯に涙をそそります。

浅田さん、泣かせ上手です。

マリー・アントワネットに別れをつげて ★★

(2013年9月10日 DVD鑑賞)

マリー・アントワネットに別れをつげて [DVD]マリー・アントワネットに別れをつげて [DVD]
(2013/07/02)
レア・セドゥ、ダイアン・クルーガー 他

商品詳細を見る


(2012年、フランス=スペイン合作)
監督 ブノワ・ジャコー
出演 レア・セドゥー、ダイアン・クルーガー

(Story)
1789年7月14日、民衆がバスティーユ襲撃事件が起きる。市民による革命は、王妃マリー・アントワネット(ダイアン・クルーガー)をはじめ、彼女の寵愛を受けるポリニャック夫人らのギロチンリストを上げた。アントワネットは、朗読係のシドニー(レア・セドゥー)にポリニャック夫人の身代わりになるよう命令を下す。


(Review)
シャルタル・トマのベストセラー小説「王妃に別れをつげて」の映画化。
タイトルからアントワネットを崇拝する私としては、見逃すはずはない。
レンタル一週間になるまで、待ちました!

本作は、フランス革命勃発時の王宮内の出来事を描いています。
いわゆるもうひとつのフランス革命でしょうか。

王宮が舞台をあって、ロケは実際のベルサイユ宮殿で行われました。
豪華絢爛な舞台に衣装に目が見張るばかり。
またも貴婦人の血が、もとり、アントワネットの血がよみがえり、当時にタイムスリップし、アントワネット@ラムになりましたぞよ、おほほほーーーー^0^

おっと、大事な感想ですが。
前半、まったりした展開ですが、革命勃発当初のヴェルサイユ宮の様子の描き方がリアルです。
パリで何が起きたかわからない。まさか革命が起きようとは夢にも思わなかったでしょう。
しかし、ギロチンリストが送られ、緊張感が走る。
王家に仕えているからには身代わりにもならなくてはならない。
後半にやっと動きが出て、これからというときに終わったので、感動も余韻もない作品でしたが、リアルに描いた点で★2つ。

Category :

貴賓室の怪人 ★★★

(2013年9月8日読了)

貴賓室の怪人 (「飛鳥」編) (角川文庫)貴賓室の怪人 (「飛鳥」編) (角川文庫)
(2003/10/25)
内田 康夫

商品詳細を見る


(Story)
ルポライターの浅見光彦は豪華客船「飛鳥」の取材の話が舞い込んできた。依頼主が誰なのか、疑問を持ちながらも乗船した光彦の元に「貴賓室の怪人に気をつけろ」のメッセージが届く。怪人とは一体誰なのか?


(Review)
今回の旅は豪華客船「飛鳥」で世界一周?
シリーズの中で一番豪華な旅ではありませんか、光彦さん。
私もお供したいわ^^

さて、光彦さんが行くところ、事件あり。
海に囲まれているから犯人の逃げ場所はないから、事件なんて起きるわけないと思ったら、とんでもない。
内田先生がなんと乗船されているのであります。しかもプレミアムスィートルームで。
となると・・ふたりの行くとこ事件あり。
ふかがいなメッセージが送られ、心配していた殺人事件までも起きてしまって。
この殺人事件は、完全犯罪?犯人を探し当てることができるのか?

話が進むにつれ、緊張したせいか、事件は迷宮入りで脱落。しかも、怪人も探さぬまま・・

怪人とスポンサーはあなたでしょ、内田先生。
浅見さんとは違う、的外れな推察は笑いました。
事件を起きることを期待しているとは、さすがミステリー作家です。

豪華な船旅を、夢心地をありがうございました。内田先生。


該当の記事は見つかりませんでした。