ラムの映画&本ライフ

ラムの趣味である映画と本のレビューです。★5で満点、10通りに評価しています。
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虚ろな十字架  ★★★★☆

(2014年5月28日読了)

虚ろな十字架虚ろな十字架
(2014/05/23)
東野 圭吾

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(STORY)
動物の葬儀場に努めている中原は、ある日、元妻、小夜子が殺されたと連絡を受ける。元広告代理店に努めていた彼は妻と娘と一軒家に住んでいたが、11年前の忌まわしい事件により一転した。娘が強盗に殺されてしまったのだ。強盗はほどなく捕まり、死刑となったが、夫婦の仲は亀裂が入り、離婚した。それから妻とは会ってなかったが・・なぜ彼女は殺されたのか?その真相を探りはじめた。


(REVIEW)
一気に読んで、余韻が覚めませんでした。
さすがは東野さん。これが読了後の感想です。
気になる冒頭から始めり、現在の殺人事件と、過去の強盗女児殺人事件とどう結びつくのだろうか?
ワクワクドキドキ感がたまりませんでした。

ネタバレがあります。
今回のテーマは司法。
「罪」「罰」「贖罪」「命」が関わり、考えさせられる著書です。
別れた妻の死の真相を追うというミステリアスは展開は、一見、パズルと思えるような展開ですが、様々な人間模様を交差させながら、ラストはひとつに結び付けています。

愛する人が殺されたら、何がなんでも加害者を死刑に追い込みたい。
だが、死刑が確定しても何も変わらない。それよりか喪失感は増したように感じる。
愛するものは生き返るわけではない。事件が形式として終わっただけ。
死刑とは無力だ。


現在の司法の在り方を問いかけながら、その一方で、被害者の立場にたち、その心情をきめ細やかに描かれています。
娘が殺された中原に自然と感情移入ができます。
その心理描写は、東野氏は上手いです!

罪を犯しても反省しない人もいるだろう。
また過ちを犯してしまう人もいるだろう。
21年前、小さな命を奪ってしまった文也、沙織は大きな十字架を背負って生きてきた。
文也は小児科医として大勢の子供の命を救い、またひとりの妊婦を救い、結婚した。
彼なりの贖罪であろう。
一方、沙織は自殺未遂をしたり、離婚したり、万引き依存症となり、苦しんだ人生を送っている。
そして、小夜子により21年前のことが蒸し返されてしまい、事件が起きてしまった。

ただ刑務所で過ごすのと、文也のような生き方と、どちらの方が真の償いか?

どう答えればいいのでしょうか?
東野流の司法の問題を提示した一文は考えさせられます。

東野氏、次回も期待します。

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アンの愛情 ★★★★

(2014念5月25日読了)

アンの愛情―赤毛のアン・シリーズ〈3〉 (新潮文庫)アンの愛情―赤毛のアン・シリーズ〈3〉 (新潮文庫)
(2008/02/26)
ルーシー・モード モンゴメリ

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(STORY)
ギルバート、チャーリー、プリシアと共にレドモンド大学に進学したアン。
仲良しプリシアと共同生活に入り、勉学に励んでいた。
一方、ギルバートはアンを愛していたが、アンは友達以上の関係を拒んでいた。


(REVIEW)
「アンの青春」に続く「赤毛のアン」シリーズ第三弾。
アンの大学時代、18~22歳までを描いています。

ネタばれになります。
先生から大学生となり、さらなるステップアップするアン。
現代でいうキャリアウーマンのような女性だけど、
気になるのは、ギルバートの今後。

二人は結婚することはわかっていたけど、
一途な男に弱い私は、はよ、ギルバートの思いが届いてほしい!
と願いながら読んでいました。

やっと告白か!?と思いきや、アンは拒絶してしまい、
ふたりはそれぞれ違う人と・・

ここで終わっては、私をはじめファンはがっかりするでしょう。
ギルバートを一緒になるだろうと予測していた人は特に。
「裏切られた」と泣いていた人もいたかもしれない。
私もその中のひとりなので、
ギルバードへの気持ちを気づいていないアンにヤキモキしたり、
本当は一途なヤツではなかったんだねと、ギルバートを嫌いになったり、
もどかしくて、もどかしくてどうしようもなかったです。

ラスト、ギルバートのことを愛していると気づいたアン。
ふたりはめでたく婚約しました。おめでとう!

私、ギルバートの婚約は単なる噂にすぎなかった、誤解だったことを知りホッ!
「ごめんよ、ギルバート。本当に君はアンを愛していたんだね」
一途な彼に胸がきゅん!となりました。

なんともいえない幸福感の余韻は、今も浸っております。
次のシリーズも楽しみです。

アンの青春 ★★★★

(2014年5月17日読了)

アンの青春―赤毛のアン・シリーズ〈2〉 (新潮文庫)アンの青春―赤毛のアン・シリーズ〈2〉 (新潮文庫)
(2008/02/26)
ルーシー・モード・モンゴメリ

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(STORY)
小学校の新任教師になった16歳のアン。仲間たちと村の改善会を作り、忙しい日々を送っていた。少女から大人へと、美しい成長していく、16歳から18歳までのアンの青春を描く。


(REVIEW)
「赤毛のアン」の続編、新任教師のアンの成長を描いています。
昔読んだのは「赤毛のアン」のみで、続編は未読です。
映画化などで大筋のあらすじは知っていたので、話に入りやすかったです。

子供好きなのか、先生が天職なのか、アンは生徒たちに好かれています。
でも、ただひとり、アンソニーにてこずっています。

「言うことを聞かなかったら鞭で打つ」ことに反対派だったアンが、
アンソニーを打ってしまい、自責の念にかられてしまいます。
教えることが大好き、教わることがたくさんあるという、
先生は天職であろう彼女の成長がうかがえます。

それと同時にアンと仲間たちの成長も見逃せません。
少女から大人へ、美しく成長していくアン。
マリラがひきとった双子ちゃんも魅力的でかわいいのです。

ラスト、ダイアナは婚約するのに対して、アンは大学進学します。
今でいう、結婚する派と仕事を邁進する派で、ダイアナは前者でアンは後者でしょう。
前作のラストで友人となったギルバートとはどうなるのか?
一途にアンを好いているギルバートに対し、アンはそうではない。
ギルバートと大学に進学するものの、恋人という関係ではないのです。

ギルバートならもっといい女性がたくさんいるだろうにと思えど、
彼はアンの魅力に惹かれ、本気で愛している。
結果はわかっている→ふたりは結婚するのだから^^
私って、一途な人には弱い。
だから、アンよりはギルバードが気になるし、彼の幸せを願わずにはいられません。

ここで余談ですが、友情、教師、一途な男の子、村の改善(起こし?)で思い出すのは「生徒諸君!」
ナッキーも岩崎君もアンとギルバートのようにともに歩んでくれたならと思うと、なんかむなしく感じます。

赤毛のアン ★★★★

(2014年5月11日読了)

赤毛のアン―赤毛のアン・シリーズ〈1〉 (新潮文庫)赤毛のアン―赤毛のアン・シリーズ〈1〉 (新潮文庫)
(2008/02/26)
ルーシー・モード・モンゴメリ

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(STORY)
孤児院で育ったアンは、赤毛のそばかすだらけのやせっぽっちの女の子。
ある日、老夫婦に引き取られる。はじめは戸惑っていた老夫婦だったが、明るいアンを愛するようになり、またアンもカナダの自然の中で成長していく。

(REVIEW)
少女の頃、心がときめいた「赤毛のアン」
現在放送中の朝のTV小説「花子とアン」で、30年後に再び出会いました
そのドラマの影響で再びアンを読みたくなり、友からお借りました。
本を貸してくださったShortさん、感謝します。

今改めて読むと、大人の視線で読むせいか、昔なんとも思わなかったアンの欠点が目につきました。
そんな彼女も話が進むに従って、成長していきます。

赤毛でそばかすだらけ、やせっぽっちの女の子アンは決して美人とはいえない。
かっこいい男の子ギルバードからつけられたあだ名は「にんじん」
明るくけなげな女の子アンは、いつのまには周りも幸せにしてくれる。
朝のTV小説のヒロインの王道でしょう。

からかったことを謝罪し、仲良くなろうとギルバードの申し出をつっぱねるアン。
勉強でトップを争うふたりは、いい意味ではお互いにいい位置にいる存在となります。
このふたりはラストどうなるだろうと、ドキドキしながら(わかっていたけど)読めます。
まるで、十代の少女に戻った時のような、乙女こころ復活^^

マシュウの死で学校の先生になり、マリラのそばにいる決心をしたアン。
ギルバードもまたアンのために勤務が決まった学校をゆずります。
そして、ラスト。ギルバードと仲良くなります。

その後は続きの「アンの青春」を楽しみにしたいと思います。


さて、余談ですが、「花子とアン」には「赤毛のアン」のオマージュがちりばめられています。
アン「コルデリアと呼んでくださらない?」

はな「花子と呼んでくだされ」
花子もアンと同じく想像力豊かなこと、勉強熱心なことも似ています。

「キャンディ・キャンディ」もあり。
アンそのものはキャンディであり、あだ名で呼んで、からかうギルバートはテリュース。
「道には曲がり角がある」(赤毛のアン)

「曲がり角を曲がったところには何があるかわからない」(キャンディ「FINAL」)

アンの影響は強いんだなと改めて思いました。

テルマエ・ロマエⅡ ★★★★

(2014年5月12日、劇場観賞)

テルマエ・ロマエ2―小説版 (角川文庫)テルマエ・ロマエ2―小説版 (角川文庫)
(2014/04/25)
伊豆 平成、ヤマザキ マリ 他

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2014年、日本映画
監督・・・武村英樹
出演・・・阿部寛、
     上戸彩
     北村一輝
     市村正親

(STORY)
テルマエ(浴場)技師のルシウス(阿部寛)にグラディエイターを癒すテルマエの建設を命じられる。アイデアを悩んできたルシウスは現代の日本に再びタイムスリップ。場所は相撲取りの浴場。そこでアイデアをつかむ。一方、古代ローマでは平和主義者のハドリアヌ帝(市村正親)と武力派勢力が対立し、ルシウスはその争いに巻き込まれていく。果てしてルシウスの設計するテルマエで平和が取り戻せるのか?


(REVIEW)
待ってました!第二弾!
お帰りなさい、ルシウス!

第二弾なので、前回のような新鮮さはありません。
アイデアに悩むテルマエ技師が現代の日本にタイムスリップして、ヒントを得て、古代ローマにテルマエを作る。
と、頭でわかっていたから。

しかし、笑いのアイデアはますますパワーアップ!
前回、笑いと涙と感動を渦に巻き込んでくれたテルマエのみなさま。
今回も会場中がゲラゲラ、わはは!!!
特にルシウス@阿部ちゃん、最高!
観終わった後、元気パワーをもらいました!
おいしそうに餃子を食べるルシウスを見たら、中華が食べたくなりました^^

殺伐とした古代ローマからタイムスリップした現代の日本は平和です。
殺し合いのグラディエイターは現代の日本ではお相撲さん、納得とはいえ笑いました。
疲れをいやせる場所は温泉。
沸かし湯でバスクリンを入れて・・癒せますね。

子供の遊び場は温水プール?
まさにそこはパラダイズ^^

テルマエのユートピアは草津にあり。
♪草津はよいとこ、一度はおいで~
古代ローマにも草津みたいな温泉ができるといいね。
さあ、生真面目なルシウス、建設にとりかかった。
だが、権力闘争に巻き込まれてしまい、ユートピアは完成できるのか?↓

はい、完成しました。
寸前のとこで、温泉が噴き出すとは。
それも大量に。
お相撲さんがたち、ご苦労様。
タイムスリップして連れてきたルシウスもお疲れさん。

恋仲になったルシウスとマミ(上戸彩)との運命はいかに?
ああ、やはりお別れなのね・・と思ったら、やはりルシウス登場しましたか。
そう思ったんだよね。落石事故の最中、タイムスリップしたか?
ともあれ、ハッピーエンドよかった、よかった!


また今度、草津に行ってこよっと。
いつかはイタリアにもいくぞ!

Category :

家日和 ★★★★☆

(2014年4月21日再読)

家日和家日和
(2007/04)
奥田 英朗

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(Story)
専業主婦の紀子は不要になった折り畳みテーブルをネットオークションに出品した。入札され、無事に取引成立したことですっかりオークションにはまってしまった。紀子は調子づいて夫の所有物を内緒で出品してしまう(「サニーディ」より)。他5話収録。



(review)
舞台は家。
様々な家庭があるように、様々なドラマが生まれてきます。
主人公は主婦であったり、夫であったり・・ほら、あなたであったり・・
本作を再読しようとしたきっかけは、専業主婦(夫)の心理を知りたいためであり、どの作品も共感しました。

<サニーディ>
ネットオークションにはまった主婦の話。入札がついた時の喜び、メールのやり取り、普段かかわることのない世間とつながりともてた喜び。そんな主婦の心情が決め細やかく描かれています。調子にのったら、もう誰も止められない、夫の所用物まで出品してしまうだから。良心が痛み、ここで取り消そうかと思ったら遅し。人気商品となって、あわやどうする?と思ったら、ラスト、この手があったか!と笑いました。

<ここが青山>
突然、会社が倒産し、専業主夫となった話。自分の変わりに妻が働きに出るため、家事を引き受けたものの、初めは七転八倒。しだいにはまっていくのは、あっているんではないですか?裕輔さん。しかし、専業主夫という肩身の狭さもある。でも、あせってもしょうがないのんびりと行こうと思わせる一作でした。

<家においでよ>
別居した男の話。「自分の理想の家をつくる」これ、わかります。配慮がいると、自分の思い通りにはできないものなのです。いない方が快適?いえいえ、やっぱ連れ添った奥さんは大事なのであります。

<グレープフルーツ・モンスター>
在宅主婦も妄想の話。妄想の世界の浮気は罪にはならない!?そして思う、別な人生もあったかなと。こも気持ち、わかります。

<夫とカーテン>
転職し、自営をすると言い出した夫を持つ妻の話。楽天的で夢を追いかけているような男を持つ妻は、地味でもいい、安定した生活を望んでいる。しかし、その一方で自分自身も得意のイラストでブレイクすることも望んでいる。現実は夫の良さを知り、平和にまとまっていくのでした。めでたし^^

<妻と玄米御飯>
「ロスハ」をいうものにはまった妻を持つ人気作家の話。ご自身が同職業であるため、作家さんの心情がきめ細やかです。「思ったことを言えないから文章に著していることがある」これ、わかります。

最後はどうなると追いつめられても、無事にまるく収まる。だから、奥田わーるとは安心して読めるのです。
主婦、主夫の両方の心理描写が上手い奥田センセ。
私は前から老若男女の心理がわかるのはなぜかと疑問に思っていました。
その答えが見つかりました。
「会社員時代は単独行動好きの偏屈者を言われてきた。それが今では役にたっている。ユーモア小説は覚めた視線でないと書けない。リアリストでないと、人の滑稽さがわからない」(妻と玄米御飯」より)
なるほと、これはセンセご自身のことですね。納得です。

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