ラムの映画&本ライフ

ラムの趣味である映画と本のレビューです。★5で満点、10通りに評価しています。
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黒龍の柩(上、下)  ★★★★★

(2014年9月7日再読)

黒龍の柩 上黒龍の柩 上
(2002/09/01)
北方 謙三

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(STORY)
時は幕末。新選組副長・土方歳三は、池田屋事件で世の中を轟かせた新選組の今後を模索していた。親友・山南啓助の切腹、彼が託してくれた道。坂本龍馬の夢。土方は新選組の未来と自分の夢にかける。


(REVIEW)
もう10年も前に初めて読んだ時、あまりにも斬新的な内容に驚きが隠せませんでした。
通説では「死に場所を探した男、戦い抜いた男」「武士道を貫いた男」のイメージが強かった土方歳三を「生きる男」「夢と求める男」に覆したのですから。
通説では敵対していた山南敬介や坂本龍馬、勝海舟らと語り合い、共感していく設定も同じく意表とつかれました。
意表がつく内容であっても、歴史的に紐解けば納得のいきます。
なので、本来はそうであったのではないかと思うのです。

そして今も再読しても、感想は変わらず、北方流新選組、土方歳三は共感があります。
世の中が変わろうとしている時、これから先どうすればいいか?
そう悩むのは、いつの時代も一緒です。
歳三さんもそのひとり。時の流れと変革に新選組をどう進むべきか?
それを山南さんは命をかけて切り開いてくれました。
通説では仲が悪かった二人は実は親友であり、お互いわかり合う熱き友情に涙なしでは読めません。

勝海舟と坂本龍馬との出会い、自らの夢を歳三さんはかける。
死に求めるではない、戦うために死ぬではない。
もし、死に場所を求めるなら、死ぬ場所くらいいくらでもあったはず。
本来なら斉藤一と同じく、恩義のある会津藩と運命を共にすべきです。
でも、彼が函舘まで赴いたか納得できます。

歳三さんに影武者あり。
影武者をうまく使うラストシーンは納得がいきます。
またドラマや小説でよくある、「新選組土方歳三」と名乗った後、打たれるシーンですが、名乗れが撃たれるに決まっているわなと冷ややかでした。
そもそも歳三さんの戦死に関しては信憑性に欠けます。
死体が行方不明、戦死の場所の不明確などの理由が挙げられますが、彼が歴史に登場するのはそこで終わっています。
でも、英雄不死説のように、彼も生き残っていてほしいという気持ちはあります。
人の人生は拝借しようと、ロシアに行こうとも、フランスに行こうとも、ひっそりと東京で暮らしていてもいい。
「生きる土方」いいではありませんか。
史実なら歴史書でいい、小説は空想の世界です。
作者の思いや夢があるからこそ、楽しめるものだと思っています。

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メイプル戦記  ★★★★★

(2014年8月30日読了)

メイプル戦記 (第1巻) (白泉社文庫)メイプル戦記 (第1巻) (白泉社文庫)
(1999/06)
川原 泉

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(STORY)
日本のプロ野球界に女子プロチーム「スイート・メイプルス」が誕生した。
監督は、甲子園準優勝に導いた元豆の木高校監督、広岡真理子。
元甲子園優勝投手のオカマ選手、プロ野球の元夫を持つ選手、
お嬢様学校出の選手、4子の選手たちなど
個性的な選手がそろうメイプルズはオープン戦を経て、ペナントレースの突入した。
メイプルス旋風を巻き起こすことができるのか?


(REVIEW)
所詮、小説もマンガもドラマも映画も想像の世界です。
夢があってもいいじゃない!
ありもしないことがあってもいいじゃない。
これが想像の世界だと思うのです。

女たちの・・個性的な選手ばかりで、しかも監督がプロ経験なしでおい・・いきなりペナントレースかよ!とつっこみたくなるけど、でもこのチームたちがやってのけるのです。
毎回、川原さんの独創性と博学ぶりには舌を巻くけど、今回も脱帽!
女子プロ野球をいう設定は真新しいことではないですが、スポ根はつきもの。
前作の「甲子園の空に笑え!」と同じで、のんびりとした設定であるため、まったくと言っていいほどスポ根とは縁がありません(爆~)。

男性だけ世界に女性が暴れまわり、あれよあれよと勝ち進んでいく。
最大の見せ場はペナントレースの優勝。
男性の世界と思っていたプロ野球に女性チームが活躍し、優勝する。
弱いチームが強いチームに勝つ。
つまり、不可能だと思うことをやってのけるほどすがすがしいものないのです。
もうひとつの魅力は個性的なキャラたち。
オカマの瑠璃子ちゃんの一途な恋はせつなくて、胸がキュンとさせらます。
プロ野球初の夫婦対決か?横暴な夫に喝!を入れる仁科選手。
仁科夫婦の今後はどうなるのか?とヤキモキさせらます、
が、一番気になるのは広岡監督と高柳さん。
このふたり、いいコンビなんだけど、恋愛には発展しない微妙さ。
だから、あっさりと読めるかもしれません。

のんびりでありながらも、読み飽きさせないテンポのいい川原ワールド。
川原先生は天才です。

イニョン王妃の男 ★★★★★

(2014年8月、DVD観賞)

イニョン王妃の男 DVD-BOXIイニョン王妃の男 DVD-BOXI
(2013/09/18)
チ・ヒョヌ、ユ・インナ 他

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2012年、韓国ドラマ、全16話
キム・ブンド・・・キム・ヒョヌ
チェ・ヒジン・・・ユ・インナ
ハン・ドンミン・・キム・ジヌ
チョ・スギョン・・・カ・ドゥッキ

(STORY)
時は朝鮮王朝時代。弘文館の校理キム・ビンドは右議派のミン・アムらが企てた王妃暗殺を阻止しようとするが、逆に刺客に命を狙われてしまう。もはやと思った瞬間、2012年のソウルにタイムスリップした。
王宮で撮影される時代劇の王妃役に抜擢されたチェ・ヒジンと出会い、お互い惹かれあっていく。


(REVIEW)
時空を超えた恋の話は真新しいものではありません。
気になるのは、ラストふたりが結ばれるかどうかです。
朝鮮時代はシリアスに、現代はlコミカルにテンポよく展開していく設定は「屋根裏のプリンス」のように途中からシリアスになるか、それともドラマ自体が破たんするか?
どちらでもありません。よくできている脚本にまいった!と脱帽しました。
キャラをうまくつかいこなし、うざいという者はひとりもいません。
一見シンプルだけど、最後まで見飽きさせない展開、ラストのなんともいえない感動!
私、観終わった後も余韻が残りました。

詳しいことはネタばれになるので、隠れます。↓
韓流ドラマに多い記録喪失になった時はやはりと思ったけど、現代ではヒロインだけが記録が残り、朝鮮時代では主人公は忘れていてもまわりは覚えている。これは面白い設定だなと思いましたね。
でも、それを乗り越え、再びふたりは結ばれた。
これでめでたしかと思ったけど、それがどっこいまたまたふたりに試練が訪れた。
お札の効力が利かなくなったのだから。
お札を授けてくれた住職さんがこの世の人でなく、これで終わりかと思ったら、ふたりは時空を超えて結ばれてめでたし。
これって、運命の赤い糸!
元から結ばれべき運命のふたり。これぞ、時空を超えた恋。
なんて、ドラマチック!私の前にもブンドさんみたいな人が現れたら^^
いや「シンイ」のヨンでもいい王子様が現れてくれたら^^
胸がきゅん、きゅんしました。
トキメキをありがとーーー!幸せな気分をありがとーー!

我が家の問題 ★★★★☆

(2014年8月12日再読)

我が家の問題我が家の問題
(2011/07/05)
奥田 英朗

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(STORY)
完璧すぎる妻のおかげで帰宅恐怖症になった夫(「甘い生活?}より)
夫は仕事ができないらしいと気づいた妻(「ハズバンド}より)
どんな家庭にもささやかな問題がある。あなたにも思い当たるフシがある、家庭を題材にした6つのドラマ。


(REVIEW)
どの家庭にも大なり小なり問題はあります。
一見幸せそうな家庭でも、見えない問題や秘密をもっています。
或る時は妻の視点から、ある時は夫の視点から、ある時は子供の視点から描く奥田さん、
キャラ=奥田さんと思えるような、的のつく心理。
ひとつ、ひとつの描写がリアル。うなづくことばかり。
一体あなたは何者ですか?と、毎回聞きたくなります。
きっと作家という職柄、冷ややかな目で見ているからでしょう。

ささやかな事が積み重なって重みになっていく。
ストレスが重なり、体に異常が出始め、家族の間に亀裂が走り、ギリギリまで追い詰められていく。
我慢の限界に達した時、さあどうなるか?
自分が思い当たる話は共感するし、そうでなくても身近な問題だから見逃すことはできないのです。
その結末は?というと、奥田さんの人柄なのか、やんわりと暖かさを残してくれます。
読んだ後、元気をもらえるビタミン剤のようです。

だから何度でも読みたくなる奥田わーるど。
家庭で行き詰った時、心に元気がなくなった時、また読みたいです。

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