ラムの映画&本ライフ

ラムの趣味である映画と本のレビューです。★5で満点、10通りに評価しています。
MENU

おれは非情勤 ★★★★

(2015年8月30日読了)

おれは非情勤 (集英社文庫)
おれは非情勤 (集英社文庫)東野 圭吾

集英社 2003-05
売り上げランキング : 55555


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


(STORY)
ミステリー作家を目指す「オレ」は非常勤講師。赴任早々、産休教師の代役として、担当するクラスでいじめの気配を感じた。赴任2日目、体育館で女性教師が死体として発見された(「6X3」)。  赴任先々で起こる事件をクールな非常勤講師が見事な推理で解決する。


(REVIEW)
タイトルの「非情勤」とは?と頭をかしげました。
主人公はミステリー作家を目指しながら、非常勤講師をしている「オレ」
赴任の先々で起きる事件をクールの解決する、
小学校を舞台にしたハードボイルド教師の話であることから納得しました。

ハードボイルドといっても、舞台は小学校だから、そこはソフト。
いじめ、自殺、脅迫、窃盗、毒殺など現実に起こる事件をうまく絡ませ、話も入りやすいです。
ミステリーそのものは凝ったものではないので、本格ミステリーを好む人には物足りなさを感じますが、
大人でも子供でも楽しめる作品です。

赴任の先々で事件を解決とは、まるで私立探偵のよう。
名を名乗らない「オレ」というキャラクターそのものがミステリー。
ミステリー作家を目指すだけのことはある。
ということは、主人公=東野さんでしょうか。、
主人公「オレ」は、魅力的に描かれてます。

大人社会に偏見や差別といったいじめがあるかぎり、子供たちのいじめはなくならない。

その通り。子供は大人を見て成長していくもの。
昔、子供だった大人が根性を曲がったまま成長しているのなら、アホな大人ばかりになる。
社会、学校、家庭、親・・
現代におきる子供のいじめも子供ばかりの問題ではないだよね。

「やっぱり世間体が大事ですか」

事件が起きたとしても、考えることは世間のこと。
穏便にすませたい、自分にふりかからければいい。
つまり、自分のことが大事。
そこをスパッと言ってくれる主人公、格好いいです^^

「ギャンブルで稼いだって、結局は出ていくだけなのさ。そんなふうにして人生を棒に振った馬鹿な大人は沢山いる。金は働いて稼ぐのが一番いいんだ」
「なあ、みんな人間っていうのは弱いものだよ。で、教師だって人間だ。おれだって、弱い。おまえらだって弱い。弱い者同士、助け合って生きなきゃ、誰も幸せになれないだ」
「人間っていうのは好き嫌いがあって当然なんだ。(中略)人を好きになって得することはあるけど、嫌いになって得することもない。だからわざわざ嫌いな人間を探すこともないってことさ」
「何事も逃げちゃだめだ。逃げて解決することは何もないんだ」
「だから世の中、狂っているだよ」


主人公のストレートな言葉は心に響きますわ。

東野さんが学校問題に喝を入れているようでスカッとする気分になれる。
学校問題、職場問題、家庭問題と、理不尽が多い世の中、
実際、喝を入れてくれる教師が欲しいです。

スポンサーサイト

若狭殺人事件 ★★★☆

(2015念8月18日読了)

若狭殺人事件 光文社文庫
若狭殺人事件 光文社文庫内田 康夫

光文社 1996-05-20
売り上げランキング : 51295


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


(STORY)
若狭湾で男性の遺体が発見された。一方、東京で広告代理店の細野久男が絞殺された。細野は死の直前、雑誌に短編小説を投稿していた。ルポライターの浅見光彦は小説を手掛かりに事件の真相を探るため、若狭に向かう。

(REVIEW)
光彦さんシリーズの楽しみは旅。その土地にまつわる歴史、ミステリー。
今回の舞台は、私がまだ訪れたことがない若狭湾。
今回も一緒に旅した気分にさせてもらいました。

光彦さんシリーズの場合、歴史がメインだと、事件はただのおまけになりやすく、
光彦さんの魅力もかすみがちになりやすいけど、本書は逆。
若狭といえば、原発。
原発の問題と戦争当時の悲しい過去に事件を絡みあわせていく展開は上手いです。

軽井沢のセンセの期待どおり、真相を明らかにしていく光彦さん、
今回もカンの鋭いところが魅力的です^^

ところで、光彦さん
軽井沢の先生のことをろくな死に方をしないだろうとは(爆~)

事件を読むなら社会の方が読み応えがありますよ、センセ^^

私という病 ★★☆

(2015年8月27日読了)

私という病 (新潮文庫)
私という病 (新潮文庫)中村 うさぎ

新潮社 2008-08-28
売り上げランキング : 15745


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


(STORY)
「どうして女であることを、おおらかに正々堂々を愛することができないのか」
中村さんは長年抱いていた疑問があった。女性であることを享受している女性がいるのに、この違いはなんだろうか?
自分の女性の価値を確かめるべく「デリヘル」を体験し、それが自分のなんだったのかを考えていく。



(REVIEW)
本書は「自分探し」
自分だって「女性として認められたい」と、デリヘルをやることに。
あいかわらず体験記は面白い。
軽快な文章は漫画感覚で読める。
しかし、後半は自己分析の話へと移り、シリアスな文章へと変わっていきます。

「女であるがゆえに受けるセクハラも、女でなくなったゆえに受ける杜撰は扱いも、共に、女を人間とし看ていない男ならではの行為である」
セクハラ、差別化による敵意、男性への批判はうなづけるものがありますし、

「私たちは分裂した自己を抱えて生きている。ひとつの心の中に何人のも自分が同居してて、互いに相手を責めたりあざ笑ったり憎んだりしている」
「自分探し」はいわゆる「分裂探し」
自分を確かめ自分というものを知るという自己分析は面白いです。

あいかわらず的をついているし、うなづけるものがありますが、
ストレートな言葉がないせいか、心に響くことはなかったです。
良くもなく、悪くもなくが正直の感想です。

狂人失格  ★☆

(2015年8月22日読了)

狂人失格 (本人本)
狂人失格 (本人本)中村うさぎ

太田出版 2010-02-04
売り上げランキング : 285417


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


(内容)
自分のことばかり書いてきた中村さん。そんな自分探しにネタがつきて他人を探すことにした。
中村さんが見つけ出した彼女とは?


(REVIEW)
タイトルから太宰治の「人間失格」を彷彿させます。
買い物、ホスト、美貌を破天荒な人生を歩んできた中村さんのこと、
今回も破天荒なエッセイに違いないと思いました。

ぶっちゃけ言いますと、面白味がない。
中村さんらしい歯切りのよく、漫画感覚で読める文章は健在でも、彼女自身の破天荒ぶりはどこへやら・・
それもそのはず、人のことを書いているから。

中村さんが出会った人は、
見るからに幼児性が強く、ネジが緩んでいる人格。
常に注目されたい、目立ちたい、自己掲示力が強い。
絶対という自信の自己陶酔型。
自分がしたことは悪いとは思わない。etc・・
同じような人がいたな。
一見狂人と思えるような人とタッグを組んで本を出す!?
本島に本を出すことができるのか?
大変だったことはよくわかる。私も悩まされましたの。

ですが・・所詮書いていることは他人こと。
いくら自分自身のネタがつきたとはいえ、
人のことをネタにして何が面白いのでしょうか?
何でも書いていいのでしょうか?
中村さんの魅力のひとつに心に響く言葉があること。
本書は何もなくて残念でした。

”つまらない女になると、作品もつまらなくなる”

確かに。長年、HP、BLOGを運営している私も同じ気持ちになりますわ。
仕事を続けていくことは大変でしょう。
中村さんの文章は好きなので、これからも書いてほしいです。


ナポレオンの宝剣 愛と戦い ★★★

(2015年8月10日読了)

ナポレオンの宝剣 愛と戦い
ナポレオンの宝剣 愛と戦い藤本 ひとみ

潮出版社 2009-09-01
売り上げランキング : 773342


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


(STORY)
マルメゾンの館で過ごすジェゼフィーヌの元に別れた夫ナポレオンが訪ねてきた。ナポレオンは元妻に快進撃のすべてを語り、そして、離婚の真実が明らかになる。

(REVIEW)
タイトルから、思い浮かべたのは「ハプスブルクの 宝剣」
きっと、ナポレオンにもエディ(エドゥアルト)がいたに違いない。
わーーい、エディに会える!なんて、思いを馳せていました。

蓋を開けてみたら、夫婦の会話が続く。
エディらしき男はいつ出てくるか?と期待すれど、
ナポレオンの快進撃の話と元妻ジョゼフィーヌの話でした。
そういえば、「愛と戦い」とあったわ(笑)

ナポレオンがいかに快進撃をしたかが詳しく描かれており、
英雄だけあって、うねづける名言はビジネスでも使えそう。
夫婦についても語録もうなづけます。

ナポレオンは別れてもずっとジョゼフィーヌを愛していたのです。
ナポレオンの一途さに胸が熱くなり・・
悪女と思える妻も、夫しか良さがわからないでしょう。
愛しているのに何故離婚をしたのか?その真相は↓
マリア・ヴァレフスカが妊娠、出産したため。
身分の低い家で生まれたナポレオンは、身分がほしかった。
子供には自分と同じ苦労をさせたくない。
そのためには皇家、もしくは王家の娘を結婚したくてはならない。
自分の結婚を犠牲にしてもかまわない。だから、身分の低い家から生まれたジョゼフィーヌと離婚をした。


なるほと、人間ナポレオンを見ることができましたね。
皇帝までのぼりつめたふたりも、結局は普通の人。同じ人間。
人間味あふれるキャラとして描いてくれた藤本女史、さすがです^^v

ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション ★★★

(2015年8月18日劇場観賞)
mi5.jpg

2015年、米映画
監督/脚本・・・・クリストファー・マッカリー
制作/出演・・・・トム・クルーズ
出演・・・・・・・・・・サイモン・ベッグ
           レベッカ・ファーガソン

(STORY)
IMFのエージェント、イーサン・ハント(トム・クルーズ)は、正体不明の謎の組織「シンジケート」を追跡中、ロンドンで敵の手に落ちtしまう。拘束されたイーサンに拷問が始まろうとしたその時、謎の女(レベッカ・ファーガソン)が助けてくれたのだ。
ハリーを中心としたCIAによりIMFが解散を命じられ、孤立となったイーサンは「シンジケート」の壊滅を誓う。


(REVIEW)
待ってました!イーサン!
「ミッション・インポッシブル」シリーズといえば、もはやトムさんの代名詞。
今回もトムさん節を炸裂でした。

ネタばれがあります。

冒頭の飛行機の飛び乗りから、オペラ会場でのアクション。
息つぎなしの潜水、カーチェイス、超高速バイク・・
これでもか、これでもかと見せてくれるトムさん。
50代とは思えぬアクションの数々。
身体を張ったアクションは、ジェッキー・チェンそのもの。
かっこよさ、ロンドンが舞台、スパイ、マドンナあたりは007。
冒頭の神経ガス弾は?大事なデータがなぜ水槽金庫に?
謎の美人スパイから命を救われてばかりいるイーサンなど、
つっこみはあれど、それは置いといて。
そんなのどうでもいい、楽しませてもられれば、それでいいのです^^

続編、たぶんあるでしょうね。
その時も、トムさんをはじめ、素敵なおじさまたちが活躍するのでしょうか?
それとも若返れるのでしょうか?

次も付き合いますよ、トムさん^^

Category :

穴があったら、落っこちたい! ★★★★

(2015年8月15日読了)

穴があったら、落っこちたい! (角川文庫)
穴があったら、落っこちたい! (角川文庫)中村 うさぎ

角川書店 2003-11
売り上げランキング : 788832


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


(内容)
バスの窓から髪をなびかせ、怪傑ハリマオ気分に浸っていた幼い頃(「はじめてのヒーロー})
幼い頃からファッションにうるさかった自分は、ちょうちんブルマーに豚の足の足袋の「運動会ファッション」は本当にイヤだった(「はじめての運動会」)など、恥ずかしい体験を語る「うさぎのはじめて』物語」
東電OL殺人事件、松山ホステス殺人事件など、心から離れない事件を著者が独自の視点で分析した「うさぎの道、けもの道」
2つの顔を覗かせる、中村うさぎの痛快エッセイ。


(REVIEW)
本作を手にとったのは、タイトルから。
「穴があったら落っこちたい」これ、あたしじゃん(爆~)

中村さんの恥ずかしい体験はいかに?
またも借金か、下ネタかと思ったら、ご自身の子供の頃の体験。
中村さんらしい痛快な文章で、漫画感覚で読める。
ファッションにうるさかったなど、現在の中村さんを垣間見ることも。

後半はガラリと変わり、中村さんの事件の見解編。
世間を揺るがした「幼女連続殺人事件」「酒鬼薔薇殺人事件」「松山ホステス殺人事件」など中村さんの独自の視点から分析が面白い。的がついているから、ついうなづいてしまう。
例えば、
「非の打ちどころのない優等生タイプは、『自分の非を認めない』といった困った性癖がある。他人からおっこられたことないから、プライドが高く傷つきやすく、ミスをしでかした時はパニックになる」
「現実の自分なんて愛せない。もっと美人に生まれたかった。もっと裕福に生まれたかった。もっと賢く、もっと才能に恵まれたかった。もっと人から愛される、そんな自分になりたかった。(中略)その事実が、プライドを傷つける。「特別な存在でありたい」。認められたい。自分で「自分」を愛されたい。そんな欲望をもたない人間が、この世にいるだろうか」


中村さんのストレートな言葉はいつも救われますわ。
だから、彼女のエッセイは私にとってのビタミン剤。
ヘタな自己啓発本よりは薬になる。
これからも読み続けたいです。

士道残照 - 幕末京都守護職始末  ★★★

(2015年8月7日読了)

士道残照 - 幕末京都守護職始末
士道残照 - 幕末京都守護職始末藤本 ひとみ

中央公論新社 2013-10-22
売り上げランキング : 778188


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


(STORY)
慶応2年9月。犬猿の仲だった長州と薩摩を接近させようとする動きがあり、政局は大きく変わろうとしていた。若き武士。服部孝太郎は戦いの渦に巻き込まれていく。幕末京都守護職始末シリーズ完結編。


(REVIRE)
若き剣士・孝太郎くんのシリーズ、幕末京都守護職始末の完結編。
ネタばれがあります。

初々しい少年だった孝太郎くんも青年となり、
それと同時に政局も大きく変わりました。
彼が、もう少し早めに生まれていたら、
立派な剣士となっていたでしょう。
しかし、時代は剣ではなく銃の時代へと変わってしまったのです。
彼も時代を共に変貌したかというとそうではなく、
最期まで剣士の道を貫きました。
きっとラストは本懐を遂げたことでしょう。
藤本版「ラストサムライというべきでしょうか。

主人公が若き剣士、「士道」を貫き、短い人生というあたりは沖田総司を彷彿します。
(総司くんも出てますよ)
イケメンを描くなら藤本女史。
少女マンガのようにワクワクする、初期の作品のようで私的、好きです。

歴史上の人物をふんだんに使い、史実も細かく描いています。
さすがは女史、よく調べています。

前半は歴史を追う展開になりやすかったせいか、ドラマが薄かったですが、
竜馬が登場した後半から面白味が出てきました↑
龍馬の暗殺は、竜馬が標的ではなくて、中岡慎太郎。
龍馬は不戦を訴えるが、陸援隊隊長の慎太郎は挙兵討幕派。
当時、名が知られているのは慎太郎の方で、龍馬はほとんど無名。
挙兵討幕のリーダーである慎太郎に始末せよとの上意がくだされた。
実行は会津藩、見廻組。黒幕は幕府。
龍馬は巻き込まれただけ。

最初は薩摩かと思ったけど、まだ敵がいた、会津だったのもやられたみたいな。
私的、納得できる見解です。

本作でも目から鱗を落としてくれました。ありがと^^

変身 ★★★★★

(2015年7月29日再読)

変身 (講談社文庫)
変身 (講談社文庫)東野 圭吾

講談社 1994-06-06
売り上げランキング : 9855


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


(STORY)
成瀬純一は事件に巻き込まれ、頭に銃弾を受けた。脳を移植することにより一命をとりとめたが、徐々に自分が変化していくことに気付く。純一は移植された脳の持ち主を調べていくうちに、意外な真実を知ることになる。


(REVIEW)
医学の実験により、ひとつの体に二人の設定は
東野流「アルジャーノンに花束を」とも、
医学の風刺とも思える作品です。

事件に巻き込まれたものの、
脳の移植により一命をとりとめます。

しかし、助かったからよかったとすませれる問題ではなかった。
移植した脳が次第に支配していく。
まるで亡霊のように自分を脅かしていく。
穏やかだった青年が次第に凶暴になり、罪を犯してしまったのです。

これは、ホラーでしょう。
移植された青年は命は救われたとはいえ、
そのツケはあまりにも残酷というしかありません。

本作は東野さんお得意のミステリーが絡めています。
脳の持ち主(ドナー)は一体↓

自分を撃った犯人の脳だったとはね・・
なんで、まともな性格の人からの脳を移植しなかったのか。
そこまで医者は考えてなかったでしょうか。


もし、人体実験しなければ、起こらなかったであろう悲劇の数々。
脳を支配され、罪を犯してしまった純一こそが被害者でしょう。
最後に純一に戻れたのは救いです。


インス大妃 ★★★

(2015年6~8月DVD観賞)

インス大妃 DVD-BOXII
インス大妃 DVD-BOXII
NHKエンタープライズ 2013-04-25
売り上げランキング : 154588


Amazonで詳しく見る
by G-Tools



2011~12年、韓国ドラマ、全60話
(出演)
インス大妃・・・・・・・・・・・・・チェ・シラ
ジョン(後のインス大妃)・・・ハム・ウンジュン
チョンヒ王妃・・・・・・・・・・・・キム・ミスク
ソンイ(後の廃妃ユン氏)・・チン・ジヒ

(STORY)
王妃になりたいという野望を抱いていたジョンは、スヤン大君(後の世宗)こそが王になると直感し、彼の息子トウォン君に嫁ぐ。
癸酉靖難のクーデター、スヤン大君の王位略奪、夫の死、息子(成宗)の王位継承、姑チョンヒ王妃、廃妃ユン氏との壮絶な争い、孫・燕山君の狂乱・・激動の時代を生き抜いたインス大妃の生涯。

(REVIEW)
「観相師」でスヤン大君つながりでレンタルしました。
舞台は「王と私」とほぼ同じ。
「王と私」は恋愛色が強いソフトなドラマであるのに対し、
本作は政治色が強いハードなドラマです。

政治色が強いといえば男性キャラがメインだけど、本作は女性。
女性キャラが男性的で、凄まじい人ばかり。
自らの野望のためなら、人なんぞなんとも思わない。
やられる前にやる!
一見、男性が動かしているようで、実は女性が動かしている。
主人公のジョン(後のインス大妃)、姑のションヒ王妃、嫁にあたるソンイ(廃妃ユン氏)の
主要3人の三つ巴の戦いが、政局を、歴史を動かすからすごい^^;
あまりに凄すぎて、目がテン・・茫然!!
これぞ歴史を動かした女性たち(爆~)

その影で犠牲になった人たちは憐れでした。
特に男性キャラが優しい人たちが多く、
ジョンの夫も、まだ幼い面影のある端宗(魯山君)も、
睿宗、その他大勢のみなさま、おいたわしや~><
心優しき人や正直者がバカをみるのはいつの時代も同じ。
非情な野望の男とばかり思っていたスヤン大君は、嫁姑の間でオタオタしたり、
罪悪感でストレスになったりと、人間らしい一面があったのも新鮮でした。

廃妃ユン氏のことソンイは「王と私」のソファ。
ソファは徳のある優しいキャラだったのに対し、本作は嫉妬丸出しの激しいキャラ。
すぐ癇癪起こすし(ほとんどのキャラはそうだけど)、おお、こわ~><
彼女に褒めるのは、後ろ盾もなかったのに、王妃までのぼりつめたこと。
知恵の速さ、腹黒さは、あっぱれ!
これに徳があれば、インス大妃を負かしていたでしょうね。

「王と私」ではチョンソのソファへの恋心が意地らしさがせつなくさせたけど、
本作は誰にも感情移入できるキャラはなし。
政局を動かす嫁姑の争い、終盤の燕山君の狂乱は見応えがあった・・だたそれだけ。
作品としては、私的「王と私」に軍配を上げます。

サラバ!(上、下)  ★★★

(2015年7月23日読了)

サラバ! 上
サラバ! 上西 加奈子

小学館 2014-10-29
売り上げランキング : 182


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


サラバ! 下
サラバ! 下西 加奈子

小学館 2014-10-29
売り上げランキング : 217


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


(STORY)
1977年、歩は父の赴任先のイランで生まれた。
家族は父と母と変わり者の姉。
イラン革命を機に帰国し、大阪で過ごした後、エジプトに引っ越すことになる。
しかし、一家に不穏な時代が幕開けし、帰国と同時に両親が離婚。
親友の意外な行動、姉の奇妙な行動・・・大人になっても異変が起こり続けた。


(REVIEW)
「きいろいゾウ」に続く、西さん作品です。
直木賞受賞作であり、又吉さんら著名人が絶賛する著書です。

本作をひとことでいうと、主人公が語る主人公と家族の物語です。
イラン、日本、エジプトと国際色豊かな舞台で繰り広げる展開は、
「きいろいゾウ」同様、グイグイとひっぱっていくような、次を読ませる力があります。
「各界騒然!これは、魂ごとあなたを持っていく物語」
「本年度最大の衝撃と感動」

オビに書かれているのだから、心を揺さぶられるものがあると期待したんです。

が・・最後まで読んでみると、面白かったというだけで何も心に残るものはなし。
期待しすぎたせいか、それとも肌に合わなかったのか・・
最も、キャラに魅力がなければ、感情移入することもないので、語ることはなし。
面白ければ面白いなりに語りたくなるし、逆の場合もあるけど、
本作はなんにもないですよね^^; なんかわびしいような・・

他の西さんの著書がどんなものか読んでみたいです。

該当の記事は見つかりませんでした。