ラムの映画&本ライフ

ラムの趣味である映画と本のレビューです。★5で満点、10通りに評価しています。
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下町ロケット ★★★★☆

2016年6月25日読了

池井戸 潤/小学館

(STORY)
研究者をあきらめ、実家の佃製作所を継いだ佃航平は、技術開発で業績を伸ばしていた。
ある日、大企業ナカシマから理不尽な特許侵害で訴えられる。
苦境のたたされた佃に、国産ロケット開発の巨大企業・帝国重工の財前が特許を譲ってほしいとの申し出があった。
特許を売れば、窮地を脱することができるが、その技術には佃の夢が詰まっていた。


(REVIEW)
第145回直木賞受賞作。
「半沢直樹」原作者・池井戸潤。
昨年、TVドラマで放送されました

大人になるにつれ、夢をあきらめなくてはならない。
理不尽なことが多い、強い者にまかれなければならない世の中。
強い者には巻かれなくては生きていけません。

本作の佃製作所は中小企業。
大企業からの理不尽な訴訟を起こされ、
巨大企業からは技術を売れと言われ、
次から次への難題が降りかかってきます。

苦境の立場に立たされた中小企業社長の佃。
特許には自分の夢が詰まっている。さあ、どうする!?

正義が勝つ!
上手くいきすぎであろうと、そうでなきゃ!
人は悪を倒すという「水戸黄門」みたいなものを好むのです。
そうでないと、リアルな世界に疲れた人が救われません。

ただそれだけではマンネリすぎて、面白みはありません。
そこには心を揺さぶられる、シーンや言葉があるから感動があるのです。

夢をあきらめるな!
強い者に巻かれるな!

日本が誇る技術、「ものつくり」の大切さとは何かを教えてくれた
ドラマと同様、見事なストーリーでした。
話を引き込ませてくれる池井戸さんの文章は魅力的です。

Noriさんからお借りいたしました。ありがとうございました。

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64ーロクヨンー前編、後編  ★★★★

2016年5月13日劇場鑑賞


2016年、日本映画
監督・・・瀬々敬久
出演・・・佐藤浩市
     三浦友和
     綾乃 剛

(STORY)
わずか7日間の昭和64年に起きた少女誘拐殺人事件、通称「ロクヨン」
未解決のまま14年の時が過ぎた。
「ロクヨン」の捜査に関わっていた三上(佐藤浩市)は広報部に移動、
県警上部と記者クラブの間で板挟みの苦境に立たされていた。
そんなある日、「ロクヨン」を模倣した誘拐事件が発生する。


(REVIEW)
原作は「クライマーズ・ハイ」「半落ち」の横山秀夫の話題作。
演技派俳優による豪華キャスト、前後編の2部作です。

これ↑だけでもすごいのに、わが街の旧市庁でロケが行われたことが
観たいという気持ちをかきたてました。

それはさておき、感想ですが、
男臭い、泥臭い、骨太の作品です。
それにプラス、演技派と呼ばれるキャストたちが火花を散らし、
熱さがみなぎっている。
これほど熱い作品はないぞ!というくらい、熱気がムンムンしていました。

一番熱い男といえば、三上を演じた佐藤浩市さん。
彼は、熱血漢の反面、世渡りヘタな不器用な人です。
そんな彼だから、ストレートで、熱いものが伝わるので、感情移入しやすいです。
不器用な人々は彼ばかりではなく、「64」にかかわった自宅班たちも、
そして、被害者も「ロクヨン」で人生を狂わさられました。
その一方では、世渡りよさそうな上司たちがのさばっているのです。
そういえば、同じような人が前職場にもいたなと
思い出すだけでも腹立たしい嫌なヤツでしたね。

それはさておき。
その嫌な県警の上司と報道の使命をまっとうしようとする記者たちの間で、
三上が所属する広報部は板挟みになります。
苦境に立たされた三上さんが、記者たちの心をつかみかけた時。
「ロクヨン」を模倣した事件が発生します。

ここから隠れます。
県警の内部を赤裸々に描いた前半とは違い、後半は事件が中心。
県警と事件の報道と、人間ドラマを描いた前半とは違い、
後半はサスペンス劇場で終わったような。
犯人役の吉岡さんも緒方さんも、永瀬さんも適役でしたが、一歩感情が入り込めませんでした。
佐藤さんや県警の人間模様が事件より気になっていたから。
それにしても事件そのものはお粗末ですね^^;
犯人を取り逃し、未解決のままにしてしまう、これが県警の実態でしょうね。

個人的には記者役の瑛大さん、よかったですね。
記者魂と貫いた男、彼も熱かったですね。
後半、もっと活躍してほしかったな。

前編が★4・5で、後編が3・5で★4つ




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先生と迷い猫  ★★☆

2016年6月13日DVD鑑賞


2015年、日本映画
監督・・・深川栄洋
出演・・・イッセー尾形
      染谷将太

(STORY)
今日も迷い猫・ミィは散歩する。可愛がってくれる先々を周り、行く先はかつての飼い主の家。
飼い主はすでに他界し、その夫で定年退職の校長先生(イッセー尾形)が一人で暮らしている。
校長先生は亡き妻を思い出すため、ミィを必死に追い出していたが、ある日、ミィがいなくなってしまった。
校長先生はミィを必死に探すが・・


(REVIEW)
冒頭から猫の表情に癒され、猫の視点で話が動いていく設定は、
猫好きにはたまりません。
ほのぼのとした映画だろうなと思ったら・・

ここからネタばれになります。↓
なんか後味が悪い映画でしたね。
なんで猫が偏屈老人(=校長先生)の家に行くのかと思ったら、
かつて飼い主の家だったですね。
それなら納得。
でも、亡き妻を思い出すからと猫を追い出す校長先生。
ある日、猫がいなくなった。必死に探し出す校長先生。
校長先生の姿に近所の人々も心を打たれ、みんなで探し出す。
でも、見つからずじまいで・・

つまり、偏屈オヤジが猫を探している代わりに得たものは、
近所の温かい心、ふれあい。
猫って、人々を癒してくれる、
人々を変えていく力を持っている。
そのことを言いたかったのでしょうか。

私的、最後はミィちゃん(猫)が見つかってほしかったな。
追い出しておきながら、いなくなったら探す。
なんて虫のいいオヤジだろうと思うと、腹立たしいかったですよ、ホント!
そのオヤジを演じたイッセー尾形、偏屈男を演じさせたら右にはいないでしょう。

それはさておき、なんか後味が悪さだけ残った映画でした。

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神去なあなあ日常 ★★★★☆

2016年5月26日読了


(STORY)
高校卒業と同時に三重県神去村で林業に従事することになった平野勇気。
最初嫌がっていたものの、村の人々や自然に触れ合っていくうちに、村のことを知りたいと思うようになる。


(REVIEW)
三浦さんの作品を読むと今のハイテクとは無縁の世界に導いてくれます。
三重県の山奥にある神去村は、スマホはいらない。
あるのは自然と人とのつながり。
神隠しまで出てくる?ファンタジーの世界は、
まるでジブリのような世界です。

リアルとはかけ離れた世界観、美しい女性は同じ三浦さんの作品の「舟を編む」のよう。
天才か?変人か?キャラのまじめさんとは違い、主人公・勇気くんは現代っ子。
彼は、いつ村を出て行こうかと思っていたけれど、
次第に馴染んでいき、恋に落ちてしまいます。

現代っ子の彼が次第に村に、林業に馴染んていくことや、恋に落ちることなど、
勇気くんの視点から描かれ、心情も丁寧に描かれています。
またヨキさん、繁ばあちゃん、マドンナの直紀さんなど、キャラの作りが上手い。
だからこそ、話に入りやすいです。
自然と人々の温かさから、マイナスイオンを浴びたように心が洗われます。

「舟を編む」と同じように、読んだ後、ほんわかな気持ちにさせてくれる、
また読みたくなる一冊です。

Re:LIFE ★★★

2016年5月30日DVD鑑賞


2015年、英国映画
監督・・・・マーク・ローレンス
出演・・・・ヒュー・グランド
      マリサ・トメイ,

(STORY)
売れっ子脚本家のキース・マイケルズ(ヒュー・グラント)は地位も名誉も手に入れたが、それは昔の話。
アカデミー脚本賞を受賞して以来、15年間、まったくヒットしていない。
妻から離婚され、息子にもあっていない彼の元にNY北部の田舎町ビンガムトン大学のシナリオコースの講師の依頼が舞い込む。
最初は生徒に暴言、自分でやりたい放題なことをしていたヒースだが、脚本家として夢を持つ彼らと接していくうちに彼の中で変わりはじめていく。


(REVIEW)
ヒュー様、お久しぶりです。

素敵に年を重ねましたね。
かつては名声が思うままたったのに、今では都落ち。
もしかして、ご自身を重ね合わせているのでは?という役柄でしたね。
そんな役柄がピタリと合うヒュー様。
ヘダレのイケメン男を演じたら、ヒュー様の右に出る者はいないでしょう^^

作品自体はというと、盛り上がりこそはないですが、
テンポよく、クスっと笑えて、せつなくさsてくれる
中年男の悲哀がよく出てます。
生徒たちと接していくうちに、彼の中で変わりはじめ、
また新しい恋も芽生えていく。
最後はほんわかとさせてくれる、
久々のヒュー様わーるとを見れてよかったです。

またもヒュー様わーるど、見せてくださいね^^

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世界から猫が消えたなら ★★★★☆

2016年5月24日読了


(STORY)
余命宣告を受けたい日、家に帰ると、自分と同じ姿の悪魔「アロマ」が待っていた。
「一日寿命が延びると引き換えに、この世から何かを消す」という奇妙な取引が持ち掛けられた。
生きるために何かを消すことを決めたが・・・
僕と猫「キャベツ」と陽気な悪魔「アロハ」との奇妙な生活がはじまった。


(REVIEW)
もし、猫がいなくなったら・・
猫好きの私にとって、癒されるものがなくなるのは信じられない!
想像したくはない!!

どうなるのかと・・おっかなびっくりで本書を開くと・・

自分の寿命が1日延びる代わりに、物がひとつずつなくなっていく。

それは自分がいらなくなったものではなくて、自分とそっくりの悪魔「アロハ」が支持したもの。
電話、映画、猫・・
非常にも消えていくのです。

主人公の「爆」は生き残るために、無情にも消していくことにより、
大事なことが消した後に気づいていくのは、よくある話^^:
そして、最後の最後で大切な人や、かけがえのないもの、
この世に生きる素晴らしさに気づくこともです。

これは、普段、何けない日常には気づかないことでもあります。

そのことを気づかせてくれたのは悪魔のこと「アロハ」くん。
陽気なあの世の使者で思い出すのが、「私の期限は49日」のスケジュール。
悪魔のイメージも払拭されて、暗い話もほら、彼のおかげで明るくなります♪

主人公の「僕」の命を伸ばすために、電話や映画、猫を消そうとするとは、
やはり悪魔ですが、親切なことに最後にチャンスをあげているのです。
そこで今までのことが振り返り、大切なものを気づいていく。
その点は、彼は悪魔ではなくて、天使でしょう^^

クスっと笑えて、切なくさせてくれる話は、
ストレートな文章で話に入りやすく、感情移入しやすいので、是非一読あれ。

あん ★★★☆

2016年5月23日DVD鑑賞


2015年、日本映画
監督・・・河瀨直美
出演・・・樹木希林
     永瀬正敏
     内田伽羅

(STORY)
千太郎(永瀬正敏)はドラ焼き屋の雇われ店長。
ある日、雇ってほしいという老婆、徳江(樹木希林)がやってきた。
はじめは断ったものの、彼女が作る「あん」は絶品で、店を手伝ってもらうと瞬く間に大繁盛。
しかし、徳江がハンセン病を患っているとの噂がたちはじめると、客は遠のいていく。


(REVIEW)
原作と同じように穏やかな時の流れ、
やさしさに包まれた雰囲気は出てきました。

徳江さん役の樹木希林さんも
千太郎さん役の永瀬正敏さんも
原作そのままのイメージで適役でした。

ただ物足りなかった点があり、
徳江さん、千太郎さんが噂で追い込まれた心情が描かれていないこと。
千太郎と徳江さんの手紙のやり取りのシーンをもっとほしかったこと。
そのせいか、原作と比べると心に響くものはなかったのが残念です。

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