ラムの映画&本ライフ

ラムの趣味である映画と本のレビューです。★5で満点、10通りに評価しています。
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ビンボー魂 ★★★★☆

2016年8月7日読了

風間トオル/中央公論新社

(内容)
「徹子の部屋」で初めて自分の生い立ちを語った風間さん。
5歳で両親が出ていって以来、祖父母から育てられ、
過酷な貧乏生活を強いられながらも、出会いと別れと経験し、
生き抜く力を与えてくれる話です。


(REVIEW)
風間トオルさんはモデル時代から知っています。
阿部寛と共にメンズノンノで活躍し、俳優に転身し、今もドラマで活躍されています。
一見、華々しい彼に過酷な少年時代があったことを知ったのは数年前です。

風間さんの文章は読みやすい。
すーと話に入っていきます。
さて、どうだったけ・・と戻ることのなく、
さあ、次はどうなるというのが先で、
あっという間に読んでしまう文章の力があります

両親が出て行ったばかりか、
「屋外の洗濯機がお風呂がわり」
「公園のアサガオを食べた」
「虫歯をベンチで抜いた
」など、泣けてくるほどの過酷な生活。
よくここまで耐えた!とホロリとさせられます。
よくある「苦労したんだよ!」「可愛そうな境遇だっただよ」
という押しつけがましさが一切なく、
笑いを交えながら語る生い立ちは、
恨みつらみを言う前に、自ら道を切り開き、生き抜こうとしています。

貧乏で辛かったけど、不幸ではなかった。
貧乏でバカにされたけどくじけなかったし、
グレることもなかった。
自らチャンスをつかみ、
むしろ貧乏であったからこそ、行く抜くヒントを得た。
ビンボー魂が今も活かされています。

「同情なんてクソくらえ」
「お金に支配されたら負け」
「人生はなんとかなる」

など、風間さんのメッセージがつまっています。

また減殺に悩む少年たちの心理も理解している風間さん。
ヘタな自己啓発本よりはずっといい。
悩んでいる人、心が折れた人には
是非お勧めしたい一冊です。

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兄弟 ★★★★☆

2016年5月14日再読

なかにし礼/文藝春秋

(STORY)
作詞家の著者の元に兄が死んだという報せが届く。
16年待った。思わず小さな声だ「万歳!」と叫んだ。
胸中に蘇えるのは、敗戦後、復員してきた兄。破滅的な彼のせいで翻弄され続けた自分。
兄への怒り、憎しみ・・兄弟という絆をを描く、なかにし礼の自叙伝小説。


(REVIEW)
本書を手にしたのは豊川悦司、ビートたけし主演ドラマ化の時。
久しぶりの再読となります。

なかにしさんの文章は、読ませる力があります。
文章に力があり、引き込まれたと思ったら、あっという間に読了。
たしか・・、あれ?とページを戻ることはなく、
それよりか、あまりにものすさまじさに息をつく暇もなかったです。

他人なら付き合いをやめても、血縁はそうはいきません。
そのせいか、家族がらみの事件、トラブルが多く、中西さんもそのひとりです。

数々のヒット作に恵まれながらも、兄に稼ぎを吸い取られてしまう。
もう許せないと思っても、なぜか兄を許してしまう自分。
もし、兄がいなければ苦しみことはなかったかもしれない。
でも、その分、喜びも味わうこともなかった。
つまり、なかにしさんのヒット作には苦しみがあったからこそ生まれたもの。
兄がいたからこそ生まれた傑作だったのです。

その兄が死んだ。
著者は「万歳!」「死んでくれてありがとう」と。
兄が死んでほっとしているはずなのに、
もうひとりの自分、自分の影をなくしたようでくやしさがこみ上げてくる。

長年、兄に苦しめられ、憎しみ続けながらも、切っても切れない兄弟の絆。
ふたりはひとつであったことを感じずにはいられませんでした。











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