ラムの映画&本ライフ

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「いじめ」をめぐる物語 ★★★★

2018年5月8日

荻原 浩、小田雅久仁、越谷オサム、辻村深月、中島さなえ/朝日新聞出版

(STORY)
中学教師の矢村琥代。彼女が受け持つ担任のクラスでいじめが起きていることに気づく。(「サークルゲーム」)
雑誌ライターの早穂は、塾経営で成功している小学校の同級生のゆかりを取材することになった(「早穂とゆかり」
上記2作品の他、「いじめ」をテーマにした短編5編。


(REVIEW)
「いじめ」を教師側から描いた「サークルゲーム」(荻原 浩)
「いじめ」の傍観者側から描いた「明減」(小田雅久仁)
「いじめ」の被害者側から描いた「20センチ先には」(越谷オサム)
「いじめ」を加害者側から描いた「早穂とゆかり」(辻村深月)
親友同士のふたりがやがて・・「メントール」(中島さなえ)

いじめにかかわった人、そうでない人、
被害者から、加害者から、傍観者から、先生の立場から、
学校で、職場で、ネットで・・
「いじめ」をそれぞれの立場から描いた短編集です。

いじめは被害者にしろ、傍観者にしろ、加害者にしろ、心の傷を負わすだけ。
いいことなんてありません。

中でも一番興味深かったのは「早穂とゆかり」
被害者を主人公とした「いじめ」の話は多くありますが、加害者は少ないです。
主人公である「いじめ」の加害者は罪悪感を抱いていたわけではなく、
いじめられたものは嫌われているとしか思っていなかった。
そう、自分がいじめているという気なんてないのです。
そして、後年、被害者はカリスマとして君臨し、
インタビューで訪れた加害者をやり込められてしまう。
被害者は覚えているのか、そう復讐されてしまうのです。
なんとも後味が悪い結末ですが、
いじめられた側からすると爽快なものでしょう。

毒がある話は面白い。深月さんの他の作品も読みたくなりました。

Prezents ★★★★

2018年5月12日読了

角田光代/双葉文庫

(STORY)
自分の名前が嫌いだった。結婚した子供が出来て、いよいよ出産の時が訪れ・・(「名前」)
8年間つきあった彼氏から振られてしまった(「合鍵」)
人生で巡り合うかけがえのないプレゼントを描いた短編集。


(REVIEW)
人生にはたくさんの素敵な贈り物があるけど、
今、自分のことでせいいっぱいで、気づかずにいます。

生れた時は初めてもらう「名前
小学校に上がるときに贈られる「ランドセル
淡い恋の「初キス
はじめての一人暮らしする「鍋セット
職場で悩んだ時、「うに煎餅
失恋した時、「合鍵
結婚する時、「ヴェール
子育てに悩んだ時、「
体調を崩してしまった時、「料理
娘の結婚式、「ぬいぐるみ
晩年を迎える「

人生の節目でいろいろ経験し、悩んでいきます。
そこには何よりも大切な贈り物があるのです。

そうそう、思えば自分にもこんな思い出があったな、
その時に大切なものがあったな、
大切なものを気づかせてくれます。

きめ細やかな角田さんの文章は
キャラに感情移入しやすく、話に入りやすいです。
やさしさあふれるイラストもいいし、
短編なので、とても読みやすいです。
また、ふと読みたくなる本です。

noriさんからお借りしました、ありがとうございました。

試着室で思い出したら、本気の恋だと思う ★★★★

2018年4月9日読了

尾形真理子/幻冬社

(STORY)
恋愛に悩む女性たちが、路地裏のセレクトショップに訪れる。
不思議な魅力を持つオーナーと自分に合う服を選んでいるうちに、強がりを捨て、素直な自分らしさを見つけていく。
高校生の同級生と10年付き合うネイリスト、元彼氏のスピーチを頼まれた
OLなど5つの物語。

(REVIEW)
タイトルに惹かれました。
10年も彼と付き合う人、不倫している人、年下の彼に片思いの人、
元彼の結婚式のスピーチを頼まれた人、写真家と付き合っている人、
恋に悩む彼女たちは誰もが不器用。
ときめいたり、せつなくなったり、
もう胸がきゅん、きゅん^^
乙女心が復活しました*^^*

彼女だちが自分に合う服を選んでいるうちに、
自分というものを見つけていく。
前向きな気持ちにさせてくれる。
そう、ファッション、お洒落はm不思議な力があるのです。

私も服が欲しくなっちゃった。
私も、似合う服を探しに出かけようかな。
そして、自分らしさを見つけたいです。

noriさんからお借りしました、ありがとうございました。

ボブという名の猫 ★★★★★

2018年5月7日DVD鑑賞


2016年、英国映画
監督・・・ロジャー・スポティスウッド
出演・・・ジェームズ・ボーエン:ルーク・トレッダウェイ
      ヴァル:ジョアンヌ・フロガット

(STORY)
ロンドンでミュージシャンになるという夢に破れ、家族からも見捨てられホームレスとなったジェームズ(ジェームズ・ボーエン:ルーク・トレッダウェイ)。
そんな彼の元にある日、一匹の猫が舞い込んできた。
ボブと名付けられた猫は、どこに行くにも一緒で、世間から注目を浴びるようになる。


(REVIEW)
英国で出版され、ベストセラーとなった「ボブという名のストリート・キャット」を
「英国王のスピーチ」のスタッフたちが映画化。

ボブ,大、大、だーーい好き。
もし、実際に会っていたら私も虜になるね、確実に^^

ボブの表情、時折見せるボブからの視点がたまらない。
猫好きにはたまらない映画です。

夢にも破れ、薬に手を出し、家族から見放された青年は、
クスリに溺れ、生活が底をつき、
ああ、このまま人生が終わりかと思ったら、
怪我した猫が舞い込んできた。
ボブと名付けた猫は、いつでもどこにでも一緒。
世間で話題になって、幸運が上昇するかなと思ったら、
トラブルに巻き込まれ、ボブも行方不明に。
でも、ボブはいい子、ちゃんとジェームズの元に帰ってきました。
その後はクスリを克服し、自伝が大ヒット。
家族も恋人の関係も修復。
怪我した猫を救ったつもりが、いつの間にか自分が救われていました。

これぞまさしく”幸せのハイタッチ
どん底の人生だって、チャンスは訪れてくる。
幸せが巡ってくる。
これが実話だから、どん底に落ちたとしても希望がもてます。

原作も読んでみたいです。
またボブを会いたい^^
猫を飼いたくなります*^^*
(でも、動物禁の賃貸だから飼えないのTT)


母性 ★★★★☆

2018年5月5日読了

湊かなえ/新潮社

(STORY)
女子高生が自宅の庭で倒れているのを母親が見つけ、警察に通報した。
母親は「大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて信じられない」と言葉を詰まらせた。
事故か自殺か・・母親と娘の回想が交差し、真相が徐々に浮かび上がってくる。


(REVIEW)
久々の湊かなえワールドです。
「母性とは何か」を問う湊さんの作品は、
毒親、機能性不全家族など、
現代の親子、家族の問題が描かれています。

湊さんの面白さはホラーよりゾクッとする怖さと、予想できない展開です。

自宅自宅から転落した少女は、果たして事故か?自殺か?

冒頭の謎に惹かれ、グイグイと物語を引っ張っていきます。

なぜ子供を愛せないのだろう?
大切に育てたつもりでいたのに娘はなぜ?
自分は悪くはない。思い込みなのか?妄想なのか?

「えらいわね。やはりお母さんの子だわ。そういう人であわねばいう母の教えを娘のも伝えてきました」

母親(祖母)の愛情をいっぱいに受け止めて育った母。
母親が大好きで、母の言うことなら間違いない。

しかし、台風で母親を失い、夫の実家に入り、
きつい姑に、わがままな義妹に仕えた母親は気持ちの余裕が出来なかったかもしれない。
しかし、その余裕のなさが周囲の人の反応が気になり、娘にコンプレックスを抱かせ、
「親に愛されなかった娘が他人を愛することが出来るだろうか?」という疑問を抱かせてしまう。
毒親育ちの特徴が表われていました。

「食事はきちんと与えられてきた。(中略)そういうのは愛情とは呼ばない、とわたしに言った。体裁だけ整えているだけだと」

一見幸せそうに問題なさそうに見える家庭にも中まではわからない。
精神的な苦痛というのは一番つらい、機能性不全家族です。

「答がわかるころには大概は手遅れになってしまうものだ」

読んでいる時、「もうちょっとこうしていれば」と思うシーンが多々ありました。
その少しずつの積み重ねが後から取返しがつかないことになってしまう。
積み重なった溝は気づいてからでは遅いのです。

「母性とは一体なんだろう(中略)環境により、進化したり退化したりするのだろうか」

「子どもを産んだ全員が母性を持ち合わせているわけではないです。(中略)誰かの娘でいたい


母親になった自分だが、まだ娘のままでいたかった。
これが答でしょうか。

「母性神話」が絶対と思われていた現状に喝を入れた
母性とは何か?家族とは何かと考えさせてくれる興味深い内容でした。
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